生命保険の選び方|ライフスタイル別の最適な保険の選び方

「生命保険に入らなければ」と何となく思っても、そもそも本当に保険が必要なのかすら、なかなかイメージできないものだと思います。

また、どんな種類の保険に加入すればよいか、保険会社はどこがいいのか、保険金をいくらにすれば良いのか、などなど、よく分からないことが多いものです。

この記事では、生命保険の基本的な選び方について、ライフスタイルごとに解説します。

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保険の教科書 編集部

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私たちは、お客様のお金の問題を解決し、将来の安心を確保する方法を追求する集団です。メンバーは公認会計士、税理士、MBA、CFP、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、行政書士等の資格を持っており、いずれも現場を3年以上経験している者のみで運営しています。

1.より高いリスクに優先して備える

人が生きていく上では、大なり小なりさまざまな「リスク」があり、生命保険はそのリスクに備えるためのものです。

ただし、全てのリスクを保険でカバーしようとすると、保険料がかさんでしまい現実的ではありません。また、公的保障も用意されていて、ある程度はそれでカバーしてもらえるようになっています。

そこで、保険は「より高いリスク」に対して優先して備えるべきなのですが、それは人それぞれ違います。

たとえば、何人かの子どもがいる方と単身者の方、働き盛りの若者と定年が近い方ではリスクの種類が異なります。

2.生命保険では、どんなリスクに優先して備えるべきか

それでは生命保険は、実際にどんなリスクに対して優先して備えるべきでしょうか。よくうかがうお客様の要望に即して説明します。

1位.自分に万が一のことがあった時に、家族にまとまったお金を遺したい

家族を養っている方には、万一のことがあった時に、遺された家族が経済的に困窮し路頭に迷わないようにするための保険が必要です。

2位.重い病気にかかった時や介護が必要になった時に、経済的に困窮しないようにしたい

病気やケガの場合には治療費がかかりますし、長期間働けなくなれば、その分収入が途切れることにもなります。また歳をとって介護が必要になれば、その分だけ家族に経済的な負担をかけることになるでしょう。そんな時に、自分や家族が経済的に困窮しないようにすることも重要なことです。

3位.長生きした場合に備えてお金を貯蓄しておきたい

生命保険には「貯蓄ができる」という側面もあります。「自分の身に万一が起こる」や「病気になる」といったような差し迫ったリスクよりは優先度は低いですが、「老後に経済的に困窮する」リスクにも目を配っておく必要があるでしょう。

生命保険はこの優先順位で考えると選びやすくなります。その内容が人によって微妙に異なってくるということです。詳細は後で改めてお伝えします。

3.これだけ知っておけばいい生命保険の種類

ここで、生命保険のさまざまな種類を、対応しているリスクごとにまとめます。この枠組みを知っておけば、選びやすくなります。

対応するリスク 生命保険の種類
自分に万が一のことがあった時に、家族にまとまったお金を遺したい 定期保険
収入保障保険
重い病気にかかった時や介護が必要になった時に、経済的に困窮しないようにしたい 就業不能保険
所得補償保険
がん保険
介護保険
医療保険
老後に備えてお金を効率よく貯蓄したい 個人年金保険
終身保険

以下、それぞれの保険の概要を簡単に解説します。

3-1.自分に万一のことがあった時のための保険

3-1-1.まとまった額の保険金を一度に受け取れる「定期保険」

定期保険は、自分に万が一のことがあった時に、遺された家族がまとまったお金を一度に受け取れる保険です。

保険期間は「10年」「65歳まで」などと限定されており、保険料は掛け捨てで一切戻ってきません。また、解約した時の解約返戻金もありません。その分、安価な保険料で十分な保障を確保できます。

3-1-2.毎月少しずつ給料のように保険金を受け取れる「収入保障保険」

収入保障保険は、定期保険と同じく、自分に万一があった際に遺族がお金を受け取れる保険です。

保険期間が決まっている点、保険料が掛け捨てである点も、定期保険と変わりません。

違うのは、保険金の受け取りが一括ではなく、給料のように「毎月●万円」という形になる点です。

収入保障保険は定期保険よりさらに保険料が安価であるという特徴があります。

定期保険と収入保障保険の使い分け方について詳しくは「定期保険とは?しくみと2つのタイプと活用のポイント」をご覧ください。

3-2.重い病気にかかった時、介護が必要になった時のための保険

3-2-1.働けなくなった際、長期的に収入の一部を保障する「就業不能保険」

就業不能保険は、重い病気やケガで働けなくなった時に、「毎月●万円」といった保険金を受け取れる保険です。

保険期間は「65歳まで」のように長期的に設定し、保険料はその間上がりません。また、働けない状態になったら、その状態が続く限り、保険期間中ずっと保障を受け続けることができます。

なお、就業不能保険で保障を受けることができるのは、今後の仕事復帰が困難と想定されるほど重い病気になったり障害を負ったりした時です。

もし在宅で療養を続けていたしても、梱包・検品などの軽作業ができるような状態だったり、事務のような座業ができるような状態だったりすると、就業不能保険の保障対象とは見なされません。

3-2-2.働けないという医師の診断さえあれば当面の収入の一部を補償する「所得補償保険」

所得補償保険も、働けなくなった時に「毎月●万円」のお金を受け取れる保険です。ただし、就業不能保険とは、以下2つの点で大きな違いがあります。

  • ドクターストップを受けただけで保険金を受け取れる
  • 契約は1年更新
  • 5年ごとに保険料が上がる
  • 補償を受けられる期間は最長で2年

所得補償保険では「働いてはいけない。休みなさい」というドクターストップが出さえすれば、比較的速やかに保険金を受け取れます。

ただし、1年更新で5年ごとに保険料が上がっていきます。また、いざという時に保険金を受け取れる期間は長くても2年と短かめです。

このように就業不能保険と所得補償保険では特徴が異なるので、使い分けが重要です。

たとえば、会社員・公務員は働けなくなってから約1年6ヵ月は、収入の約2/3にあたる「傷病手当金」を受け取ることができますので、就業不能保険だけ検討すれば良いことが多いです。

これに対し、自営業者・個人事業主は傷病手当金の制度がありませんので、就業不能保険と所得補償保険の両方を検討することをおすすめします。

所得補償保険と収入保障保険の使い分けについては「就業不能保険とは?知っておきたい保障内容と必要性」で解説しています。

3-2-3.がんになった時に幅広く保障を行う「がん保険」

国立がん研究センターの「最新がん統計」によれば、統計上2人に1人は生涯でがんにかかります。がんにかかると、入院だけでなく在宅での長期療養が必要となり、まとまったお金がかかるケースも多いです。

最近では入院・在宅に関わらず長期的な治療に備えられるタイプが登場しています。

たとえば、がんと診断されたら一時金として100万円を受け取れるタイプや、抗がん剤・放射線治療を受けたらその月に10万円を受け取れるタイプがあります。

最近のがん保険事情については「がん保険の必要性を60歳より前と後に分けて考える」でも解説しているため、よろしければあわせて参照ください。

3-2-4.介護が必要になった時にお金を受け取れる「介護保険」

少子高齢化社会となり、認知症になったり自宅での介護が必要となったりする高齢者の方が増えています。

民間の介護保険は、所定の介護状態になった時に100万円などの一時金を受け取れるタイプや、「年36万円」「年72万円」といった年金を受け取れるタイプがあります。

介護保険の詳細については「民間介護保険の必要性|判断基準となる3つのポイント」でお伝えしています。

3-2-5.入院費用と手術費用を保障する「医療保険」

医療保険とは入院費用と手術費用とを保障する保険です。

入院したら「1日●円」、手術時を受けたら「1回●万円」という保険金を受け取れます。

ただし、昨今では医学の進歩や自宅療養を促す病院の方針などで入院期間が短期化しており、医療保険の優先順位はそのイメージと裏腹に低下してきていると言わざるを得ません。

加えて、高額療養費制度などの公的保険により、1ヶ月単位でみれば入院費用・手術費用の負担はそれほど大きくならないため、医療保険の優先順位はそれほど高くないといえます。

この点に関しては「医療保険の必要性を保障内容と医療の現実から考える」をご覧ください。

3-3.老後に備えてお金を効率よく貯蓄するための保険

3-3-1.公的年金に追加して老後に年金を給付する「個人年金保険」

個人年金保険は、老後に公的年金に追加するかたちで年金を支給するタイプの保険商品です。

保険会社は加入者から集めた保険料を運用し、お金を増やします。

その結果として将来的には、支払った保険料の累計より多くのお金を年金として受け取れる商品も多くなっています。

個人年金保険は老後の生活費を確保するための商品として注目されています。

個人年金保険の詳細については「個人年金保険に入るなという意見は正しいか」をご覧ください。

3-3-2.万が一の際には死亡保険金が、解約時には返戻金が受け取れる「終身保険」

終身保険は生命保険の一種です。定期保険や収入保障保険と同様に、自分に万一があった場合には遺族が死亡保険金を受け取れます。

ただし、生命保険の役割よりも、貯蓄性の金融商品としての役割の方が大きくなっています。

つまり、まず、定期保険などと異なり、保険期間が限定されておらず一生涯となっています。

また、保険料が掛け捨てではなく、適切なタイミングで解約すると、それまでに支払った保険料総額より多くの解約返戻金を受け取ることができます。

そのため、個人年金保険と並び、老後の生活費を確保するための貯蓄方法として使われることが多いのです。

一方で、このように貯蓄性が高く、保障が一生涯続くため保険料がきわめて割高なので、死亡保険金は葬儀代等の整理費用(葬儀代)程度しか準備できません。遺された家族の生活費等を確保する用途には向きません。

自分に万一があった時の家族のための死亡保障を検討する時に「掛け捨てはもったいないから」という理由で終身保険を選ぶのは大きな誤りです。終身保険は本来の意味での生命保険と違う貯蓄メインの金融商品だと認識しておきましょう。

定期保険(収入保障保険)と終身保険の比較についての詳細は「定期保険と終身保険|2つの保険を徹底比較」をご覧ください。

4.ライフスタイル別・加入を検討すべき保険の種類

最後に、どんな人がどの保険を検討すべきかについて解説します。

最大のポイントは、「養うべき家族がいるか否か」です。自分に万一があった場合や病気・ケガで働けなくなった場合に、経済的に困窮する可能性がある家族がいるか否かによって、選ぶべき生命保険の種類が変わります。

保険に向けることのできる額が限られている場合は、優先順位の高い順から選ぶことをおすすめします。

以下、参考までに「養うべき家族がいる場合」「一人暮らしの場合(養うべき家族がいない場合)」それぞれに分けて解説します。

4-1.養うべき家族がいる場合

養うべき家族がいる場合、まず、自分に万一があった時に遺族が経済的に困らないように準備しておく必要があります。

その際に使える保険が、万が一の時に、家族がまとまった金額の死亡保険金を受け取れる定期保険収入保障保険です。

次に、重い病気などで自分が働けなくなった際に家族が生活費で困らないように所得補償保険就業不能保険の加入を検討します。

また、がんはかかる可能性が高く入院・在宅での治療が長期にわたることがあるので、そうなった場合の治療費や生活費等のカバーのためがん保険に加入することをおすすめします。

さらに、長生きした場合に認知症や要介護となった時に家族の経済的な負担を軽減したいのであれば、介護保険も選択肢になります。

なお、医療保険はこれらの保険と比べると優先度が低いと言わざるを得ません。しかし、中にはがん等の重大な疾病や介護状態に備えた特約が充実して保険料が割安なものもあります。

さらに、老後の生活費を効率よく積み立てる手段として、個人年金保険終身保険も検討の余地があります。

4-2.一人暮らしの場合(養うべき家族がいない場合)

一人暮らしや子供が独立しているなどで、家族にまとまったお金を遺す必要がない場合でも、自分が病気やケガで働けなくなった時に経済的に困らないように準備しておきたいところです。

具体的には働けなくなった時にお金に困らないように、収入の一部を保障する就業不能保険所得補償保険の加入を検討します。

がんの長期的な治療のリスクに備えて、がん保険の加入をおすすめします。なお、医療保険でがんや介護特約が充実して保険料が割安なものに加入する選択肢もあります。

また、老後の資金を効率的に積み立てる方法として、個人年金保険終身保険があります。

終身保険であれば、万一の時に遺族が死亡保険金を受け取れるため、両親や親類などに整理費用の面で迷惑をかけないようにすることができます。

まとめ

生命保険を選ぶには、優先度の高いものから加入を検討するという考え方が大切です。

生命保険には、より大きなリスクに備えられる優先度の高いものからあまり優先度の高くないものまであり、また人によっても優先度の高い生命保険がどれになるかが異なります。

たとえば、養うべき家族がいる方は、自分に万一があった場合に遺族が路頭に迷うリスクに備えるための生命保険が最も重要です。また、独身の方であれば、病気・ケガの場合に経済的に困窮するリスクに備えるための保険が重要です。

生命保険に加入する際は、保険金額などを適切に設定するためにも、加入前に信頼のおけるフィナンシャルプランナー等の専門家に相談することをおすすめします。

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