法人保険の見直しで無駄をなくすために必要な5つの手順

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あなたは、「今入っている保険どうなんだろう」という漠然とした不安をお持ちではありませんか?

一般的に法人保険は、税理士の先生や保険会社の営業マンから「節税ができるよ」と勧められて入ることが多いと思います。

しかし、税理士の先生は、税務のエキスパートではありますが、保険の商品に関しての知識は豊富というわけではありません。

また、保険会社の営業マンは、税金のことをよく知っているわけではありません。そのため、実は、彼らから勧められて入った保険が良くなかったというケースは非常に多いのです。

今日は法人保険の見直しをご自分でするときに必ずやっていただきたい5つの手順をお伝えします。ぜひ、お手元に紙とペンを用意してご覧ください。この記事でお伝えする通りにしていただけば、今の保険が会社に合っているかどうかが何となく分かるようになると思います。

はじめに:法人保険を見直す手順

会社で加入をしている保険の見直しと言っても、ほとんどの方は、「何をすればいいのか分からない」とお思いになるのではないでしょうか。

これから以下の5つの手順に沿って説明していきます。

  1. 現在の保険を確認する
  2. 加入した目的を確認する
  3. 本当に必要か考える
  4. 必要のないものは解約をする
  5. 加入し直すならば最も有利なものを選ぶ

1.現在の保険を確認する

まず、どんな保険に加入しているか確認する必要があります。

保険の種類や保障内容は、保険証券に書かれていますので、保険証券をご覧ください。もしもよく分からない場合は、契約をした営業マン、もしくは保険会社に確認してください。

最低限以下のことは確認して、紙に書き出してまとめておきましょう。

  • 支払保険料(実際に保険料をいくら支払っているのか?)
  • 保険期間(いつまで保障が受けられるのか?)
  • 保障内容(具体的にどういう保障が受けられるのか?)
  • 被保険者の確認(誰が保障の対象者なのか?)
  • 受取人(保険金を受取るのは誰なのか?)
  • 解約した場合に返ってくるお金(解約返戻金)の有無(お金を積み立てる役割があるか?)

最後の、解約返戻金のあるタイプの保険だった場合、以下の3点についても注意が必要です。

  • 返戻率の高さ(保険料総額のうち何%が戻ってくるか?)
  • 返戻率が最大になる年度(ピークは何年後か?)
  • 返戻率が高い期間(ピーク期間)の長さ(たくさん受け取れる期間はいつからいつまでか?)

これらを書き出すのは面倒かもしれませんが、保険の見直しをする上できわめて重要なことですので、ぜひやってみてくだいね。

2.保険に加入をした目的を確認する

どんな保険に加入しているか分かったら、生命保険を法人契約で加入する場合、加入した目的があると思います。

会社や社員に合わない保険に加入していると、いざという時に十分な保障を受けられなかったり、節税対策や財源確保などにも支障をきたす恐れがあります。保障内容をしっかりと確認するのも重要です。もし確認をして疑問がある場合は見直しを検討しましょう。

大まかな目的としては以下のものがあります。

  • 事業保障(経営者の方が亡くなった場合の死亡保障)
  • 節税しながら必要な資金を積み立てる
  • 従業員の福利厚生
  • 事業承継対策(後継者に事業を引き継がせる時の税金等の対策)

以下は、保険種類ごとに、どのような加入目的があるのかまとめた一覧表です。もしもこの表に書かれている目的とズレている保険があったら、基本的に、加入目的に合っていないと考えていただいて結構です。見直しが必要と考えて、紙に書き出してください。

【経営者の方向けの法人保険】

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【従業員の方の福利厚生のための保険】

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3.本当に保険が必要か考える

現在加入している保険の内容、加入目的を把握したら次は「本当にその保険は必要なのか?」をチェックします。そして、その保険が不必要であれば、見直しをすべきです。

3.1.不必要な保険に加入している5つのパターン

不必要な保険に加入しているパターンとしてよくあるのは次の5つです。これらは会社にとって非常に損なので、確認してください。

  • 全く必要のないものに加入をしている
  • 割高な保険に加入をしている
  • 財務強化のために加入しているにも関わらず効果がない
  • 保険料が損金で計上できるのにされていない
  • 間違った事業承継対策

これを確認する際、面倒でも、将来にわたりどのようなニーズがあるかをチェックして、具体的にシミュレーションしてみることが大切です。

ただし、シミュレーションと言ってもどうやったらいいのか見当もつかないことと思います。そこで、以下、実例を1つご紹介しますので、参考にしていただけたらと思います。

3.2.実際のシミュレーションの例|A社の全額損金定期保険

弊社がコンサルティングを行ったA社の具体例を紹介します。財務強化のために加入しているにも関わらず実際は効果が乏しいという事例です。なお、実際の事例とは少し変えてあります。また、あくまでもコンサルティングの一部のみに絞ってお伝えしています。

A社は甲信越地方で中古車販売等を営んでいる経常利益が3億円を超える法人様です。社長は30代後半です。当サイト「法人保険の教科書」の記事の下方にある法人保険のE-bookをダウンロードいただいたのがきっかけで、ご相談をいただきました。

A社では、保険料全額を損金に落とせる手段として、社長に「全額損金定期保険」というタイプの保険を3つかけ、保険料を年間合計約812万円支払っていました。

全額損金定期保険は、保険料全額が損金になり、税金の負担を軽くしながら資金を効率よく積み立てるのに役立つ保険の一種です。詳しくは『全額損金の保険で会社のキャッシュを守る最適の活用法』をご覧ください。

A社が加入していたのは以下の3つの全額損金定期保険です。

〈A社が加入していた全額損金定期保険の一覧〉

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解約返戻金の返戻率はB生命の保険は約70%と約71%、C生命の保険は約85%となっています。この数字だけ見ると、保険料総額よりも目減りして返ってくることになります。ただし、解約返戻金を受け取って益金に算入されるのと同じタイミングで、必要な費用に充てて損金に算入すると税金がかかりません。したがって、その効果を考えれば、返戻率が低くても得をする計算になります。

そこで、そのタイミングで資金を支出する予定があるかどうか社長に確認しました。すると、中期目標として今(平成28年度)から8年後、つまり加入してから12年後(平成36年度)に経常利益5億円、無借金経営を実現し、事業拡大を目指すとのことです。そして、それまでに2億円程度積み立てたいとのことでした。

つまり、何らかの資金に充てることよりも、むしろ、会社に効率よくお金を積み立てること自体が重要です。したがって、返戻率で100%を超えるものが望ましいということになりました。

もしも平成36年度まで加入した場合、返戻率は下がり、また、積み立てられる金額は合計で7,520万円にとどまります。そこまでの3つの全額損金定期保険の保険料の合計は約9,605万円なので、返ってくるのは78%です。しかも、それを確実に支出して損金に算入しないと、そこから税金が引かれます。つまり、支払ったお金が目減りした上、税金も引かれてしまうのです。

そうすると、B生命とC生命の全額損金定期保険は、解約返戻金の使い道がないと損をしてしまうので、A社にとってはメリットがなく、不必要な保険と言えます。

このように、必要か不要か判断するためには、具体的にシミュレーションをしてみるのが有効です。

4.無駄な保険を解約して解約返戻金を受取る

もし、必要性がない保険がある場合は解約をすれば解約返戻金を受け取れることがあります。むやみに解約をするのはよくありませんが必要のないものはきっぱり解約されることをお勧めします。

ほとんどの場合は支払った保険料総額よりも遥かに少ない額しか返ってきません。しかし、不要な保険と分かったら、加入し続けても高額な保険料を無駄に払い続けるデメリットの方が大きいケースが多いです。

上のA社の例では、この先全額損金保険に加入し続けて保険料を払い続けても、最終的に低い返戻率の解約返戻金が返ってくるだけです。そこで、今のうちに解約して、他により良い保険があれば掛け替えを検討することになりました。

5.加入し直すならば最も有利なものを選ぶ

数多くの保険会社があり、生命保険の商品も無数にあります。法人保険の見直しをすることにより、新たな商品への切り替えを検討するときは複数の商品を比較検討しましょう。

商品により、同じ保障内容でも大きく保険料が違うケースがあります。少しでも条件の良い商品に加入をしたほうが賢明でしょう。

特に注意していただきたいのは2つです。

  • 保険料
  • 解約返戻金

まず、保険料の金額です。保険料が会社の財務状況からみて支払える限度の金額である必要があります。

次に、解約返戻金です。お金が貯まっていく商品を検討するときは将来その保険を解約したときにどれくらい払戻しが受けられるのかを比較します。返戻率の高さやピーク期間の時期・長さが、会社のニーズに合っているか確認する必要があります。

5.1.保険料

まずは保険料です。たとえば、長期平準定期保険だと以下のような違いがあります。

例 長期平準定期保険 40歳男性 保険金額:1億円

保険料比較

このように同じ保険でも保険料の違いがわかると思います。

5.2.解約返戻金

特に将来の退職金などお金を貯める目的で加入される場合は解約返戻率が重要になってきます。将来何年後に解約したらどれくらい戻りがあるのか比較検討しましょう。

先ほどの保険料比較表に解約返戻率を追加したものになります。

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このように一目瞭然だと思います。ただ、単純に返戻率が高いからいいというわけではなく目的を決めて契約しなければいけません。例えば将来の退職金の目的だとすると20年後に退職だとするとF生命になります。25年後だとするとD生命がいいということになります。

年齢・性別ごとの解約返戻率の目安をお知りになりたい場合、こちらのページで比較できますので是非ご覧ください。

5.3.A社が見直しの結果として選んだ保険

A社の場合、上述したように、B生命・C生命の全額損金定期保険が会社のニーズに合っておらず、また、デメリットが大きいので、見直すことになりました。

A社には中期目標として、10年後くらいをめどに経常利益5億円・無借金経営を実現し、事業拡大を目指すという目標があります。そして、D生命の逓増定期保険が最もニーズに合っているということになりました。

逓増定期保険とは、詳しくは『逓増定期保険で会社のキャッシュをより多く残す4つの活用法』をご覧いただきたいのですが、5~10年くらいの長い期間で、保険料の1/2を損金に算入して税金の負担を抑えながら、効率よく資金を積み立てることのできる保険です。

A社の場合、中期目標のためには資金を積み立てることがメインなので、解約返戻金の返戻率が100%を超えていれば、最悪、使い道が特になくても損はありません。なぜなら、返戻率が100%を超えるということは、保険料として支払ったお金が少しだけ増えて戻ってくるということなので、保険加入せず現金・預金で積み立てて税金が引かれる場合よりも得だからです。

そこで、社長(30代後半・男性)の条件で8年後に最も返戻率が良く、100%を超えているD生命の逓増定期保険を選びました。

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このように、保険料の1/2を損金にして効率よく資金を積み立てられるだけでなく、ちょうどいいタイミング(8年後)に解約すれば返戻率が100%を超えるタイプの保険に掛け替えることになりました。

まとめ

法人保険の見直しをする際に踏むべき5つの手順について説明してきました。

法人保険は、会社の現在の経営状態や将来の見通しによって、必要なものや優先順位が変わってきます。法人保険はそれぞれ加入目的がありますので、目的に合っていないものは解約を検討されることをおすすめします。また、加入目的をより良く達成できる保険が他にあるかも知れません。お心当たりがある方は、是非一度、ご自身の会社の法人保険をチェックしてみることをおすすめします。

保険はむやみに見直しをするのはよくありませんが無駄があるケースが多いので1度会社の保険を整理し、確認してみましょう。

法人保険はあらゆる手段がありますので専門家に相談するのも1つの方法です。

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出岡 大作

行政書士資格保有。保険や税金や企業関係法、民法、行政法といった分野について幅広い知識を持つ。また、初めての人にも平易な言葉で分かりやすく説明する文章技術に定評がある。
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