高級外車の自動車保険(車両保険)を掛ける際に知っておきたいこと

公開 2021年7月8日更新 2024年2月27日
高級外車の自動車保険(車両保険)を掛ける際に知っておきたいこと
高級外車の自動車保険(車両保険)を掛ける際に知っておきたいこと

高級外車を保有するお客様から、自動車保険に加入する際に「車両保険に入れない」「入れたとしても設定金額が低くしか付けられない」という悩みをよくうかがいます。

たしかに、ごく最近までそうだったのですが、実は、今は事情が異なってきています。

また、高級外車の車両保険を付保する場合には、高級外車に特有の問題があります。

この記事では、高級外車に自動車保険をかける際に問題となることについて、整理して解説します。

1.高級外車で問題になるのは車両保険

自動車保険の補償内容は、大きく3種類に分かれます(詳しくは「自動車保険の種類とそれぞれの補償内容」をご覧ください)。

  1. 事故を起こして人を死傷したり物を破損したりした場合の賠償金等の補償(対人賠償保険・対物賠償保険)
  2. 自分や同乗者が事故で死傷した場合の補償(人身傷害保険・搭乗者傷害保険)
  3. 車両が事故や災害等で壊れたり盗難に遭ったりした場合の補償(車両保険)

このうち、対人賠償保険・対物賠償保険、人身傷害保険・搭乗者傷害保険については、国産車との違いはありません。

高級外車でもっぱら問題になるのは車両保険です。

2.高級外車に車両保険を付保できるか?

高級外車の場合、そもそも車両保険を付保できるか、付保できるとして十分な保険金額を設定できるかという問題があります。

2.1.車両保険とは

車両保険は、以下の事故で車両が壊れたりなくなったりした場合に、修理代や、再購入にかかるお金をカバーしてくれるものです。

    1. 自動車との衝突
    2. 当て逃げ事故
    3. 火災・爆発
    4. 台風・竜巻・洪水・高潮
    5. 落書き・いたずら
    6. 落下中の他物との衝突
    7. 盗難
    8. 歩行者・自転車・動物との衝突・激突
    9. 電柱・ガードレール等との衝突
    10. 墜落・転覆

なお、太字で示した「盗難」「電柱・ガードレール等との衝突」等は組み方によっては補償対象とならないケースがあるので要注意です。

2.2.以前は付保が難しかった

外車の中でも、1,000万円~2,000万円する高級外車、スポーツカー、またレア物の高額な自動車は、ごく最近まで、多くの損害保険会社で、車両保険の加入を断られることもしばしばでした。

なぜなら、外車の中でも、これらの車は修理費用が非常に高額になるケースが多いからです。

また、車両保険を付けることはできても、保険金額を十分な額に設定できないことが多かったのです。たとえば、2,000万円で購入したにもかかわらず保険金額が1,000万円まで、といった具合にです。

2.3.車両保険の付保がしやすくなった事情

しかし、最近は、事情が変わってきています。車両保険への加入も、適正な保険金額の設定も、以前と比べると、認められやすくなってきています。

また、希少価値の高い車両の場合、購入価格よりも高い車両保険金額を設定できる場合もあります。

その背景には様々な事情がありますが、ここでは4つの事情を挙げておきます。

  1. 事故率の低下
  2. 盗難防止装置の発達
  3. 適正価格の検索の容易性
  4. 保険料の設定による調整の余地

2.3.1.事故率の低下

第一に、自動車の性能が向上し、事故率が低下してきていることです。たとえば、衝突を避けるための制御装置や、自動運転機能などです。

2.3.2.盗難防止装置の発達

第二に、盗難防止装置が発達してきていることです。イモビライザーをはじめとして、高度な盗難防止装置が搭載されるようになっており、車両盗難の被害自体が減少傾向にあります。

2.3.3.適正価格の検索の容易性

第三に、最近はインターネットが発達し、どのような自動車でも市場価値を客観的に把握しやすいようになっています。したがって、車両保険金額の算定が容易になってきています。

2.3.4.保険料の設定による調整の余地

第四に、仮に高級外車が故障した場合の車両保険金が高額になるとしても、保険会社としては、それに見合った保険料を契約者に負担してもらうことで調整できるということが挙げられます。

主にこれらの事情が背景となって、現在は、以前と比べると、高級外車にも車両保険を付けやすくなっていると言えます。

3.外車に車両保険を付保する際の注意点

最後に、高級外車に車両保険を付ける場合に特有の注意点を2つお伝えします。

3.1.車両保険は満額付保すべし

まず、車両保険金の付保額は満額付保、すなわち、全損になった場合に同等の車両を購入し直すことができる程度の額に設定することをおすすめします。

以前は上述のように、一部しか付保できないなどの制約があったのですが、そのような制約がなくなってきているので、満額付保できるのであれば、必ず満額付保することをおすすめします。

高級外車の場合はどうしても車両保険の保険料が高くなってしまいます。しかし、だからと言って、保険料節約のために一部しか付保しないのであれば、故障した場合に十分な修理ができません。また、全損になった場合に代わりに同等の車両を購入できません。

3.2.全損の場合の車両保険金の受取は車体と引き換え

高級外車の中でも特に、プレミアのついた希少価値のある自動車の場合、そもそも車両保険を付けるのが適切なのかという問題があります。

なぜなら、全損事故の場合、車両保険金の受取と引き換えに、車両本体が引き上げられることになるからです(盗難で車両自体が存在しない場合は除きます)。

たとえば、全損になり廃車にしたとしても、車体のみガレージに保管しておきたいことがあります。そういう場合、せっかく車両保険を付保していても、保険金を受け取れないということです。

まとめ

高級外車の自動車保険で、他の自動車と大きく異なるのが、車両保険です。

以前は、事故に遭った場合の修理費用や再購入費用がかさむことから、車両保険を付保すること自体が難しかったり、十分な保険金額を設定できなかったりということがありました。

しかし、最近は、付保しやすくなり、かつ、十分な額の車両保険金額を設定できるようになってきています。その背景には、事故率の低下や盗難防止装置の発達、適正価格の検索が容易になっていること、保険金額が高額になるリスクは保険料の設定により調整できること等が挙げられます。

外車に車両保険を付保する際は、事故に遭った場合に十分な保険金を受け取れるようにするため、満額付保することをおすすめします。

また、特に希少価値が高い自動車の場合、全損になったら車両保険金を受け取るのと引き換えに車両が引き上げられてしまうことを留意しておく必要があります。

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