次のようなことでお悩みではありませんか?
・自分にピッタリの保険を選んで加入したい
・現在加入中の保険の内容で大丈夫か確認したい
・保険料を節約したい
・どんな保険に加入すればいいのか分からない
もしも、保険についてお悩みのことがあれば、どんなことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。
保険料を支払うやり方として一般的な月払い・年払いなど以外に「全期前納」があります。
保険のことを詳しく知っている方でないと、耳慣れない言葉だと思います。
ここでは、全期前納とはどんなものかや、どんなメリットがあるのかを解説しています。
また全期前納とよく比較される「一時払い」との違い、使い分けについてもまとめています。
保険の教科書 編集部
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目次
全期前納とは保険料の支払い方の1つです。
保険料の支払いというと最も一般的なのは「月払い」で、その他に1年分をまとめて支払う「年払い」、半年分をまとめて支払う「半年払い」があります。
それに対して全期前納は、その保険の保険期間に必要となる保険料を前払で全額まとめて「預けておく」方法です。
保険会社は預かった保険料のなかから、毎年1年分を切り崩して保険料を充当します。
生命保険料控除は、毎年、充当された分の額について受けられます。また、途中で解約した場合、充当されていない分の額は全額返ってきます。
なお、全期前納と同じように、契約時に保険料をまとめて保険会社に納めるやり方として「一時払い」があり、紛らわしいです。
実は一時払いと全期前納は全く違うものです。詳しくは後で改めてお伝えします。
全期前納は保険料の全額を契約時に預けるので、それなりの資金が手元になければできません。
大金を最初に支払うのであれば、それに見合ったメリットも知っておきたいところです。
重要なメリットは、月払い・年払い・半年払いといった他の支払い方法と比較して、保険料の総額が安くなり貯蓄の効率が多少良くなることです。
保険料は、より長い期間の分をまとめて支払った方が、総額で比べると安くなります。
月払いより半年払い、半年払いより年払いにする方が総額でみるとお得です。
保険料をまとめて最初に納める全期前納は、年払いよりさらに保険料の総額が安くなります。
これが全期前納のメリットと言えばメリットです。
ただし、あらかじめ結論を言うと、他の支払い方法に比べて全期前納で劇的に保険料が安くなるわけではありません。
以下、実際の契約例をもとに、どのくらいの差があるのか紹介します。
実際の契約例をもとに全期前納払いがほかの支払い方法と比べてどのくらいお得かみていきましょう。
A社の終身保険(2019年3月時点)を月払い・全期前納払いにした場合の例を紹介します。
契約の条件を以下の通りとします。
この場合の返戻金・返戻率はそれぞれ以下の通りです。
【全期前納】
【月払い】
比較してみると、全期前納の方が払込保険料の総額が128,221円安く、そのために、31年後~45年後の解約返戻金の返戻率も4%程度アップしています。
このように確かに全期前納払いの方がお得になってはいます。
ただし、返戻率が100%を超えるまで30年という長い時間がかかり、その間、まとまった資金が拘束されることを合わせてて考えると、正直なところそれほど大きなメリットとは言えません。
30年もあれば、その間に、まとまったお金が必要になるタイミングが発生する可能性もあります。
そんな時に全期前納でまとまった資金を納めておくと、それが足かせになってしまうこともありえます。
たしかに、全期前納は他の支払い方法と比べて保険料総額が少し安くなりはしますが、それがどれだけのメリットなのか考えてみることをおすすめします。
全期前納とよく比べられるのが「一時払い」です。
一時払いと全期前納は、いずれも「契約の際に、保険料の全額をまとめて保険会社へ納める」点で共通しています。
そのため、どう違うのか迷われる方も多いです。
あらかじめ結論を言うと、一時払い・全期前納は保険料の取り扱い方が異なりますが、それ以前に保険の商品自体が異なります。
ここでは、以下の2つにわけて、両者の違いを解説します。
一時払い・全期前納の保険料の取り扱い方の違いは、解約した時の扱いをみると分かりやすいです。
一時払いはあくまで「支払う」という形なので、解約時には「解約返戻金」が戻ってきます。
一方の全期前納は、保険料を「預ける」という形なので、解約した場合、保険期間が経過した分については「解約返戻金」が戻ってきますが、経過していない分の残額は全額そっくりそのまま契約者へ戻されることになります。
また、生命保険料控除を受けられる回数は、全期前納と違い1回だけです。
しかし、実際のところ、これらの差はそれほど重要ではありません。
なぜなら、そもそも、一時払いと全期前納では保険の種類・活用目的自体が異なるからです。
全期前納・一時払いは、そもそも保険の種類・活用目的からして根本的に異なっています。
正しくは、以下の通りです。
たとえば、全期前納や月払いを選べる「終身保険」の目的は、保険と一緒に「貯蓄をしたい」ということです。
一方、「一時払い終身保険」は、ふつうは貯蓄性自体があまり高くありません(ただし、米ドル建て一時払い終身保険の中には貯蓄性を重視したものもあります。詳しくは「一時払い終身保険のメリットと選び方」をご覧ください)。
B社の一時払い終身保険(2019年3月時点)の契約例をもとに、どのくらいの貯蓄性があるかみてみましょう。
※現在、この商品は販売停止されています。
契約条件を以下のように設定します。
こちらの保険の解約返戻金・死亡保険金は以下の通りです。
契約してから11年目から返戻率が100%を超えるものの、返戻率は終身保険の全期前納を選んだ場合と比べてお世辞にも高いとは言えません。
つまり貯蓄を目的にするのであれば一時払い終身保険より、月払いや全期前納ができるタイプの終身保険の方が適しているということです。
一時払い終身保険は貯蓄ではなく相続税の対策として使われます。
一時払い終身保険を利用することで、相続税の対象となる財産評価を引き下げたり、お金を受け取れる遺族を確実に指定できたりするメリットがあるからです。
一時払い終身保険を使った相続税対策のメリットに関しては「一時払い終身保険の2つの活用法と、円建て・外貨建ての比較」をご覧ください。
また、貯蓄性を重視した「米ドル建て一時払い終身保険」については「一時払い終身保険のメリットと選び方」をご覧ください。
全期前納とは、保険期間満了までの保険料を一括で保険会社へ預ける方法です。
一般的な月払い・年払いと比べて、保険料の総額が安くなるメリットがあるにはあります。
ただし、お得になる額はそれほど大きくはなく、全期前納でまとまった資金が長い時間拘束される注意点とあわせて考えると、重要なメリットとは言えません。
全期前納を選ぶ際は、対象の保険で月払いなどと実際にどれだけ保険料総額が安くなるのかみた上で決定することをおすすめします。
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