合同会社の設立費用について|起業に必要なお金を徹底解説

公開 2019年2月5日更新 2023年1月31日
合同会社の設立費用について|起業に必要なお金を徹底解説
合同会社の設立費用について|起業に必要なお金を徹底解説

合同会社は株式会社より設立のハードルが低いと言われていますが、その理由が設立費用の安さです。

実は合同会社は、株式会社よりも10万円近く安い金額で設立することが出来ます。

今回はそんな合同会社の設立費用について、株式会社と比較しつつ見ていきます。

個人事業主で起業を考えている方は、しっかり把握しておきましょう。

はじめに|合同会社とは

合同会社とは、2006年の会社法改正によって有限会社に代わって登場した、比較的新しい会社の形です。

会社の形として最も代表的なものと言えば株式会社ですが、合同会社は、設立費用の安さをはじめとした、設立におけるハードルの低さもあり、年々数を増やしています。

自由な働き方として会社員よりも個人事業主を選ぶ、という人が増えてきている近年において、税負担を軽くするために法人化を考える個人からすると、合同会社が持つメリットは大変魅力的です。

また、その大きなメリットを得るために、amazonやGoogle等の大手企業も、合同会社という形を選んでいます。

1.会社設立において必要な費用について

株式・合同会社問わず、会社設立の際には、以下のような費用がかかります。

  • 登録免許税
  • 公証人手数料
  • 収入印紙代
  • 定款の謄本手数料

これらの費用について詳しく見つつ、株式会社と合同会社を比較してみましょう。

①登録免許税

登録免許税とは、簡単に言えば会社の設立したことを公に公表するためにかかる手数料です。

株式会社、合同会社両方にかかる手数料なのですが、その金額には大きな差があります。

  • 株式会社:15万円
  • 合同会社:6万円

この段階で既に9万円もの差が生まれてしまっています。

何かと物入りな起業したての頃に、9万円が手元に残るというのは大きなアドバンテージです。

ただし、この金額はあくまで最低金額となります。

もし、資本金額の0.7%が上記の金額を超えていた場合、その金額が登録免許税となるのです。

つまり、合同会社であれば、資本金858万円を超えてくると、登録手数料が6万円より高くなってきます。

②公証人手数料

公証役場で、公証人に定款を認証してもらう際にかかる手数料で、金額は5万円です。

この認証は株式会社の場合のみ必要であり、合同会社の場合は、人を介した定款の認証をせずに起業することが出来ます。

③収入印紙代

印紙税は、金銭が発生するような経済的取引において、文書が作られた際に課税される税金です。

定款に作成は印紙税の課税対象となるため、印紙代として4万円を支払うことになります。

しかし、実はこの印紙税、「電子文書」には課税されません。

つまり、定款を紙面ではなく「電子定款」にした場合、上記の4万円は払わなくて済むのです。

ただし、電子定款の作成も、必要な機材やソフトウェアを揃えるとなると、中々に費用が掛かります。

場合によっては行政書士など専門家に依頼するもの良いでしょう。

④定款の謄本手数料

②の公証人手数料に関連してかかる手数料です。

その名の通り、定款を謄本(丸ごと複写すること)にする際にかかる手数料で、約2,000円かかります。

公証人手数料に関連しているので、こちらも合同会社の設立では発生しません。

その他、株式会社、合同会社問わず、登記事項証明書代と印鑑証明代あわせて1,050円がかかります。

2.株式会社と合同会社に設立費用を比較

起業にはどのような費用がかかるのか分かったところで、株式会社と合同会社の設立金額を比べてみましょう。

①株式会社の場合

  • 登録免許税:15万円
  • 収入印紙代:4万円
  • 公証人手数料:5万円
  • 定款の謄本手数料:2,000円
  • 合計:242,000円

②合同会社の場合

  • 登録免許税:6万円
  • 収入印紙代:4万円
  • 公証人手数料:0円
  • 定款の謄本手数料:0円
  • 合計:100,000円

上記の通り、株式会社と合同会社では、設立費用に約14万円もの差があります。

また、定款を電子定款にした場合、印紙代4万円も必要なくなるため、合同会社は登録免許料6万円さえあれば、起業できてしまうのです。

これが、合同会社は設立のハードルが低いといわれる理由です。

2.1.設立費用だけでなく運用コストも安い

合同会社は設立費用だけでなく、会社を経営していく上での運用コストも、株式会社より安いです。

株式会社では役員に任期があり、期限が切れる度に「重任登記」をしなければなりません。

その度に手数料として1万円(資本金1億円以上なら3万円)必要なのですが、合同会社にはそもそも役員の任期がないため、そのような手数料が必要ないのです。

また、合同会社には決算の公告義務がありません。

株式会社は年度ごとに決算の公告費用として6万円を支払うことになります。

決算の公告義務がない合同会社は、その手数料を払う必要がなく、実質毎年6万円ほど節約できるというわけです。

以上にように、年度ごとのコストが抑えられているのも、合同会社での起業を容易なものにしています。

まとめ

今回は合同会社の設立費用について解説してきました。

株式会社と比較することによって、起業の際にかかる費用の大半が、登録免許税と公証人手数料であることが分かったでしょう。

合同会社は登録免許税が株式会社より安く、さらに公証人手数料が不要であるため、設立費用が安いのです。

また、収入印紙代は「電子定款」にすることで、払う必要がなくなります。

結果として、合同会社は最低6万円ほどあれば設立できるというわけですね。

ただし、外部の人間から出資を集められる、社会的信用が高い等、株式会社にもメリットはたくさんあります。

自身がどんな目的で起業するのか見つめなおし、その上で金額を吟味しつつ、会社の形を決めることが重要です。

目先のお金に囚われ過ぎず、先を見通した上での起業を考えましょう。

動画でも解説しています

社長の資産防衛チャンネルでは、税理士が同じテーマをより詳しく解説しています。 文字で追いきれなかったところは、動画でご覧ください。

社長の資産防衛チャンネルを見る →
共済

小規模企業共済と経営セーフティ共済を活用した資金調達戦略

銀行というのは、業績が良いときには「ぜひ融資させてください」と頻繁に連絡してくるものの、いざキャッシュフローが厳しくなると急に態度を変え、審査が通らなくなるということが少なくありません。「晴れの日に傘を貸して、雨の日に取…

2026年9月9日
iDeCo・NISA

小規模企業共済と経営セーフティ共済の貸付制度を活用した資金調達と資産形成の実務

会社経営において「売上を上げる」「経費を削減する」といった議論は日常的に行われますが、意外と見落とされがちなのが「資金調達手段の確保」です。いざという時に手元資金がなければ、たとえ帳簿上は黒字であっても倒産に追い込まれる…

2026年5月19日
共済

経営セーフティ共済の改正と出口戦略:節税効果を最大化する新ルール対応術

「利益が出たから、とりあえず倒産防止共済(経営セーフティ共済)に入っておこう」「解約して戻ってきたお金をそのまま再加入に回せば、ずっと節税し続けられるはずだ」 多くの中小企業経営者にとって、経営セーフティ共済は最も身近で…

2026年4月21日
共済

小規模企業共済の加入は慎重に!経営者が陥る「元本割れ」と「社会保険料」の深刻な落とし穴

「経営者になったら、まずは節税対策として小規模企業共済に満額加入するのが鉄則だ」「国の機関が運営している制度だから、銀行預金と同じような感覚で積み立てておけば、将来の退職金として100%戻ってくるはずだ」 経営者や個人事…

2026年4月2日
通話料無料で今すぐ電話で相談予約フォームから無料相談予約