節税保険とは?法人税の節税の効果を最大にするための選び方

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法人保険には、節税保険と呼ばれるものがあります。保険料が損金になり、解約するとお金が返ってくるものです。

会社のニーズに合ったものを選んで加入すれば、法人税を抑え、使えるキャッシュを多く残す効果を得られる可能性が高くなります。

そこで、この記事では、保険が節税につながるしくみと、会社のタイプ別の選び方を、分かりやすくお伝えします。

1.保険が節税になるしくみ

まず、法人保険が節税につながるしくみについて簡単にお伝えします。

保険料を払い込むと、全部または一部が損金になります。「全額損金タイプ」「1/2損金タイプ」「1/3損金タイプ」があります。

この損金算入の効果をさして「節税」と言われているのです。

しかし、後で解約するとお金(解約返戻金)が戻ってきます。そして、損金タイプによって違いますが全部または一部が益金に算入されます。

そのままだと、結局はそこから法人税が取られてしまうのです。

たとえば、以下のA生命の法人保険の例をご覧ください。なお、解約返戻金額が保険料総額に占める割合を「返戻率」と言います。

  • 40歳男性
  • 保険金額1億円
  • 保険料:年3,143,081円(全額損金算入)
  • 解約返戻金の返戻率のピーク:7年後
  • ピーク時の返戻率:87.2%(19,186,500円)

この保険に加入して保険料を年3,143,081円払い込むと、全額が損金に算入され、法人税がかかりません。

しかし、7年後の返戻率のピーク(87.2%)に解約返戻金19,186,500円を受け取ると、全額が益金に算入されます。

このままだと、法人実効税率30%で計算すると5,755,950円の法人税がかかってしまい、13,430,550円、つまり保険料総額の61%しか残りません。

これでは、節税の効果はありません。

最終的な節税の効果を得るには、解約返戻金を受け取ると同時に、それ以上の額を何らかの費用にあてて、損金に算入する必要があります。

なお、解約返戻金を受け取った時にいくらが益金になるかは、保険の種類によって違います。

詳しくは「法人保険の損金は全損、半損、1/3損のどれがいいの?選び方のポイント」をご覧ください。

2.会社別・節税目的での保険の活用法と選び方

次に、2つの会社のパターンに分けて、節税目的で法人保険に加入する場合の活用法と選び方についてお伝えします。

  1. 利益がずっと安定している会社
  2. 今は利益が出ているが将来が不透明な会社

なお、いずれも、保険料を無理なく払い続けられることが前提です。

2.1.利益がずっと安定している会社

利益がずっと安定している会社の法人保険の活用法は、将来、退職金等の大きな費用に充てる資金を、効率よく積み立てていくことです。

そのための選び方のポイントは、解約返戻金の返戻率のピークが、退職金等の費用を支払うタイミングとぴったり合っていることです。

なお、大きな損金が発生する時期が決まっていないならば、「とりあえず利益を将来へ先送りしておこう」ということで加入するのもありでしょう。

その場合には、できるだけ返戻率が最高で100%を超えるものを選ぶことをおすすめします。

なぜなら、返戻率が100%を超えていれば、解約返戻金を受け取って法人税を支払ったとしても、損はしないからです。

2.2.今は利益が出ているが将来が不透明な会社

次に、将来の見通しが不透明な会社の法人保険の活用法についてお伝えします。

たとえば、不動産業や建設業のお客様からよくうかがうのが、2020年の東京オリンピックまでは好況が見込まれるがその後は不透明だといった話です。

この場合の法人保険の活用法は、とりあえず保険料を損金に算入して現在の利益を先送りしておき、業績が悪化した時に保険を一部解約、または全部解約して、赤字をカバーしていくことです。

この場合、選び方としては、赤字がいつ、いくら出ても解約返戻金でカバーできるように、解約返戻金の返戻率のピークが長く続くものをおすすめします。

3.最近人気の全額損金の保険のメリットと注意点

最後に、最近人気の、返戻率が高い全額損金タイプの保険について、メリットと注意点を簡単にお伝えしておきます。

3.1.新しい全額損金タイプの保険のメリット

新しいタイプは「災害保障型」などの名前が付いています。この保険のメリットは以下の2点です。

  • 加入年齢を問わず解約返戻金の返戻率が高い
  • 持病・過去の病歴があっても加入しやすい

新しい全額損金の保険は、死亡保険金を満額受け取れるケースが事故・自然災害等での死亡の場合に限られています。

病気による死亡の場合、保険金は少ししか受け取れません。

その代わり、解約返戻金の返戻率が高くなっています。

たとえば、今までの全額損金の保険は、60代だとピーク時の返戻率はせいぜい70%程度でしたが、新しい全額損金の保険は85%程度となっています。

また、持病や過去の病歴があっても加入しやすくなっています。

3.2.新しい全額損金タイプの保険の注意点

ただし、後継者への事業承継を控えている会社の場合、注意が必要です。

まず、経営者がこの世を去った場合、自社株式を引き継ぐ後継者には、多額の相続税がかかるリスクがあります。

また、大黒柱を失った影響で、数年にわたって業績が落ち込んでしまうことがあります。

ふつうの法人保険であれば、会社は死亡原因を問わず多額の保険金を受け取れますので、そのお金で、後継者の負担を和らげてあげることができます。

ところが、「災害保障型」等の全額損金タイプの保険は、病気による死亡の場合には保険金が少ししか受け取れないので、後継者の負担を和らげる効果が乏しいのです。

そのことを考えると、返戻率の多少の低さに目をつぶっても、死亡原因を問わず保険金を受け取れるものを選んだ方が良いこともあります。

あるいは、保険料の安い掛け捨ての定期保険を併用する方法もあるでしょう。

まとめ

節税保険と言われる法人保険について、節税につながるしくみと、会社のパターンごとの活用法・選び方をお伝えしてきました。

法人保険は節税商品ではありません。節税の効果を得るためには、解約返戻金の使い道を決めておかなければなりません。

会社の現状を把握し、将来のことを予測した上で、それに合った保険を選ぶ必要があります。

この記事が、保険での節税を考えている経営者の皆様のお役に立つことを願ってやみません。

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出岡 大作

出岡 大作

行政書士資格保有。保険や税金や法律といった分野から、自然科学の分野まで、幅広い知識を持つ。また、初めての人にも平易な言葉で分かりやすく説明する文章技術に定評がある。
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