経営者保険|資金繰り改善・事業承継等に効果的な活用法

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この記事をお読みの経営者の皆様は、会社のために経営者の方に保険をかけるとどんなメリットがあるのか、知りたいとお考えになっていると思います。

経営者保険は、いろいろな意味で会社の役に立ちます。よく言われるのは「節税」ですが、それにとどまりません。財務状況の改善や事業承継対策等にも役立ちます。その上、何より、経営者の方の身に万一のことがあった場合に会社を守ることができます。

「法人保険の教科書」では、それぞれの法人保険について、メリットとデメリット、活用法、どのような会社に向いているのか、といったことをご紹介してきました。しかし、それらはあくまでも一般論です。コンサルティングさせていただくたびに、法人様に応じて活用法は千差万別なのだと気付きます。中には、お客様の当初のご希望と、最終的な保険の組み方とが大きく違ってくることもあります。もちろん、入念なヒアリングとシミュレーションの結果、ご納得いただいた結果としてそうなっております。

この記事では、弊社が現在進行でコンサルティングをしているお客様の事例をお伝えします。その上で、経営者保険の4通りの活用法について分かりやすく説明します。経営者の方であれば必ず一度は頭を悩ませる問題とその解決へのヒントがいくつか含まれていると思いますので、是非、ご参考にしていただけたらと思います。

なお、コンサルティング事例について、本当のありのままを掲載するには支障がありますので、少々いじって紹介しております。また、コンサルティング内容の全てではなく一部であることをご了承ください。

はじめに

経営者の役割は会社を存続させていくことです。経営者の皆様に話をうかがうと、皆様それぞれ、会社、従業員の方々、顧客の方々等への思いや愛着を抱いていらっしゃいます。会社が繁栄し続いていくことはご自身だけでなく、頼りにしてくれる顧客、一生懸命働いてくれる従業員・・・会社に関わる全ての人々のために必要なことです。

そのために何を置いても重要なことは、ご自身が元気で働き続け、活躍されることです。ただ、世の中何が起こるかは分かりません。会社には経営者であるあなたしか知らないこと、できないことが非常に多いのではないでしょうか。そんな状況で、あなたの身に万一のことが起こると、会社は深刻な危機に陥ることになります。

したがって、経営者であるあなたの身に万一のことがあった時に会社を守るためのお金を準備しておくことは欠かせません。会社が経営者にかける保険、つまり経営者保険の第一の役割はそこにあります。

ただ、経営者保険の効用はそれだけではありません。損益のタイミングを上手に調節して、税金の負担を抑え、キャッシュを多く残し、財務体質をよくする機能があります。また、それと同時に、会社を次の世代に引き継ぐ事業承継をスムーズにするのにも役立ちます。

経営者保険の役割や活用法は、結局のところ、以下の4通りに集約されると考えていただければけっこうです。

  • 経営者の身に万一のことがあった場合に備える
  • 退職金等の資金を税負担を減らしながら効率よく積み立てる
  • 緊急時の資金や赤字のリスクに備える
  • 事業承継による会社・後継者へのダメージを抑える

これらについて、実例をもとに説明していきます。

1.経営者保険の具体的なコンサルティング事例

1.1. 資金繰りを改善し、将来の事業承継対策の見通しを立てた事例

乙社は鉄工業を営んでいます。社長は、一代で事業を興した父親である先代社長(会長)の後を受け継ぎ社長に就任して約5年です。ご依頼は、経常利益が大きい割に資金繰りが思わしくなく、財務体質を改善するため、加入中の保険の見直しも含め総合的にコンサルティングを受け、問題点を洗い出し抜本的な解決に向かいたいとのことでした

1.1.1.問題点は資金繰りと事業承継

〈法人様の情報〉

  • 社長の年齢:50歳
  • 決算期:6月
  • 前期売上高:約6億円
  • 前期経常利益:約7,000万円
  • 他の役員:社長の妹(46歳・取締役)
  • 株主構成:社長(50%)、社長の父(50%)

詳しく事情をうかがったところ、以下の問題点が明らかになりました。

まず、ここまで事業を拡大してきた中で、借入をして土地を購入し、そこに抵当権を設定してさらに融資を受けることを行っていたとのことでした。そして、4年後まで毎月数百万円にのぼる借入金の返済があり、それと法人税・固定資産税等の支払いが資金繰りを圧迫していたのです。

それに加え、加入中の法人保険の保険料の支払いも大きな額になっていました。

まず、3年前に決算対策のため顧問税理士に依頼して加入した社長のA生命の逓増定期保険(保険金額約1億円、保険料約660万円/年)がありました。それに加え、従業員約25名の退職金準備のためB生命の養老保険の「福利厚生プラン」(保険料総額約850万円/年)にも加入しており、保険料が資金繰りを圧迫していました。

従業員の退職金はなんとか確保したいが毎年の保険料の負担が重すぎる。また、社長が製品の開発等でも中心的な役割を果たしていて、万一があった場合に会社が大変なことになりそうなので、事業保障を厚くして、できればついでに社長の退職金の積立もしたい、とのご要望もうかがうことができました。

さらに、先代社長であるお父上(会長)が株式50%を保有されていることから、いずれ社長が引き継ぐことになります。その際の対策、つまり事業承継対策も必要ということを説明しました。なお、いずれ、社長からさらに次の世代への事業承継対策も必要になることもお伝えしました。

1.1.2.既存の保険で活用できるものはできるだけ活用する

次に、既存の保険でどこまで要望を叶えることが可能かという検証をしました。というのは、逓増定期保険も養老保険もいずれも資金を積み立てる機能のある保険です。早期に中途解約をすると損をするリスクがあるからです。

まず、従業員の方の退職金についてはA生命の逓増定期保険で賄えそうだということになりました。どういうことかというと、直近で退職予定の従業員の方は3年後に2名とのことでした。そして、社長の逓増定期保険の解約返戻金の返戻率が3年後に90%を超えるので、とりあえずその時に一部解約して解約返戻金を受け取り、そこから従業員の方に退職金を支給することができます。

他方、B生命の養老保険は他の保険会社と比較しても返戻率が著しく低く、従業員の退職金の問題が当面クリアされた以上、このまま加入しているメリットが見受けられません。

これを説明したところ、社長のA社の逓増定期保険は当面の間残し、B社の養老保険を解約するということになりました。

1.1.3.資金繰りを改善するまでの保険は保障を最優先で組み立てる

コンサルティングの結果として、A社の逓増定期保険で1億円の保障と従業員の退職金に備えることとし、それにプラスして、以下のように新たに保険に加入していただくプランをご提案し、採用していただきました。

【社長】

〈C生命 無配当定期保険(解約返戻金なし)〉

  • 保険期間:10年
  • 保険金額:1億円
  • 保険料:435,100円/年

〈D生命 終身医療保険(重大疾病一時金特約付き)〉

  • 入院給付金:10,000円/日
  • 手術給付金:5万円(日帰り)・20万円(入院中)
  • 三大疾病入院一時金:100万円(2年に1回限度)
  • がん診断給付金:100万円(2年に1回限度)
  • 先進医療特約付き
  • 保険料:408,917/年
  • 保険料払込期間:60歳まで

まず、現時点では事業保障の機能を最優先して、保険料が低額で解約返戻金のない定期保険を活用することにしました。現状、4年後まで毎月数百万円の借入金を返済しなければならず、資金繰りも楽ではありません。その状況で積立の機能がある保険(長期平準定期保険、逓増定期保険等)を選ぶと、キャッシュフローが悪化するリスクを招いてしまいます。

そこで、解約返戻金のない定期保険に、保険金1億円で加入していただくことになりました。これで、社長に万一のことがあった場合、会社は、既存のA社の逓増定期保険と合せて2億円を受け取ることができます。C生命を選んだのは、社長の条件(年齢・性別・喫煙の有無・血圧等)で全ての保険会社を比較して最も保険料が割安だったからです。

ただし、この保険は、あくまでも、資金繰りが思わしくない状況下での応急のものです。提携の税理士と協議して財務状況の改善についての提案も行っており、資金繰りが改善したら改めて、積立の機能がある保険を提案させていただくと説明しました。

次に、社長の身に万一のことがなかったとしても、病気で入院して長期離脱する場合のリスクもあります。その場合に備えて、D生命の終身医療保険にも加入していただくことになりました。これは60歳までに保険料を支払い終えるので、その後に退職のタイミングで社長個人に名義変更し、社長が一生涯の保障を受けられるというプランニングです。なお、D生命の医療保険が選ばれたのは、「三大疾病入院一時金」の保障範囲が非常に広いなど、保障が充実している点を重視されたからです。

1.1.4.事業承継対策には会長の生命保険

他に、事業承継の問題もあります。つまり、株式の評価額を計算したところ、現状で、社長が会長から株式を相続する場合の相続税の額が非常に大きくなることが分かりました。そこで、会長にその事情を説明し、社長の納税資金を準備するために個人加入でE生命の一時払終身保険に加入していただくことになりました(※)。

ただ、これだけでは、社長が会長から株式を引き継ぐ際の負担を軽くするには不十分です。資金繰りが改善した後に、税負担を軽くしながら積立をする機能のある生命保険を活用するなど、あらゆる対策をこれから段階的に講じていくことになっています。

以上、資金繰りの改善と、事業承継の見通しを立てながら経営者保険をプランニングさせていただいた乙社の事例についてお伝えしました。

※一時払終身保険を活用した相続対策については、『相続税対策|効果的に対策できる生命保険の活用法』をご覧ください。

2.経営者保険の4つの有効活用法

以上、経営者保険の実際のコンサルティング事例をお伝えしました。経営者保険の活用法や向き・不向きは会社ごとにさまざまです。しかし、活用法を分析すると、大きく以下の4通りに整理することができます。

  1. 経営者の身に万一のことがあった場合に備える
  2. 退職金等の資金を、税負担を減らしながら効率よく積み立てる
  3. 緊急の予備資金を準備しておく
  4. 事業承継による会社・後継者へのダメージを抑える

それぞれについて説明します。

2.1.経営者の身に万一のことがあった場合に備える

2.1.1.万一があった場合への備えに特化する定期保険・収入保障保険

経営者の生命保険はどのタイプも、経営者の方に万一のことがあった場合に会社が保険金を受け取り、会社を守れるという機能があります。後でお伝えする、損益調整の機能のある、解約返戻金のある保険も当然そうです。

ただ、万一の場合への備えだけを目的とするならば、解約返戻金のない定期保険、あるいは収入保障保険がおすすめです。

解約返戻金のない定期保険は最もシンプルなタイプの生命保険といえます。保険期間は短ければ5年、10年、長ければ数十年にわたるものもあります。

メリットは、第一に、保険料全額を損金に算入できることです。そして第二に、解約返戻金のないぶん保険料が割安で、低いコストで大きな保険金額を設定することができることです。

ただし、デメリットが一つあります。それは、保険金を一度に受け取ると一気に全額が益金として計上されることです。

どういうことか説明します。キーマンである経営者や役員の方に万一の事態が発生した場合には、それによる会社のダメージがその後も数年間にわたって続くことが多いのです。

経営者に不慮のことがあって、その後数年にわたって業績が低迷し、後継者や従業員の方が営業赤字や借入金の返済に苦しんだという話はよく耳にします。会社のことを誰より熟知した大黒柱である経営者が欠けてしまうのはそれほどに大変なことなのです。

そういう事態に陥った時にバランスよく赤字をカバーするためには、下のように、複数年に分けて受け取るのがおすすめです。益金が立ち、それで赤字(損金)をカバーできるからです。これを「年金受取」と言います。

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そして、解約返戻金のない定期保険の一種で、保険のしくみ自体が年金受取になっていて、保険料がさらに割安な保険があります。それが、収入保障保険です。

収入保障保険は、下図の通り、時間が経てば経つほど受け取れる保険金の総額が減っていくため、そのぶん、保険料の額が低く設定されています。

〈イメージ〉

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なお、上の乙社の場合、借入金の額が非常に大きく、加入限度額では賄えませんでした。なぜなら収入保障保険の場合、加入限度額は加入時点での保険金の総額とされているからです。したがって、保険金額が毎月逓減していく収入保障保険よりも、保険金額が10年間変わらない定期保険を選んだ方が良いと考えたのです。

既存の保険の約1億円の保障に加え、定期保険で1億円の保障を準備しておけば、とりあえず、社長に万一のことがあった場合、当座をしのげるだけのお金はなんとかなると考えたのです。なお、保険金の受取方法はその時の状況に応じて、一時金(全額その年度の益金になる)として受け取るか年金(受け取るごとにその年度の益金になる)として受け取るかを判断することになります。

2.1.2.会社を守り、最後は自身が一生涯保障を得られる終身医療保険

経営者・役員の方の身に万一のことが起きなくても、病気・けがでの長期離脱を余儀なくされてしまう場合があります。そういった場合の休業補償や治療費の保障には、解約返戻金のない医療保険やがん保険が役立ちます。

保険料は、全額が損金に算入されます。その意味で、税負担が軽減されるという効果があります。そして、経営者の方が病気になり入院した場合等には、給付金が会社に支払われます。

会社がその給付金の中から医療費を経営者個人に支給する場合には、常識的な額を「見舞金」として支給することになります。

ただし、「見舞金」の額が常識的な範囲を超えると、その分は「給与」として扱われ、受け取った経営者・役員の側で所得税の課税対象になるので、注意が必要です。

どのような保険を選べば良いかですが、経営者・役員の方にかける場合は、保障期間が一生涯で保険料が変わらない終身医療保険を選び、保険料を短期払にして加入することをおすすめします。

というのは、保険料の払込が終わったタイミングで保険の契約者名義を会社から個人に変更するのです。こうすれば、以後は保険料を支払わずに一生涯の保障を受けることができます。

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この医療保険の「名義変更プラン」には、大きなメリットが2つあります。

  • 会社にも経営者・役員個人にも経済的負担がほとんど発生しない
  • 税務当局に否認されるリスクがない

どういうことかというと、解約返戻金がない医療保険は資産価値がゼロと扱われ、名義変更をしても会社にも個人にも経済的な負担はほとんど発生しません。

また、税務当局もこの「名義変更プラン」を適法・正当な方法と認めており、「否認」されるおそれもありません。

医療保険の中には介護状態になった場合の保障を付けられる商品もあったりしますので、老後の安心と豊かな生活を確保するという意味でも、魅力的な活用法の一つです。

2.2.退職金等の資金を、税負担を減らしながら効率よく積み立てる

経営者保険のうち、以下に挙げる3種類の保険は、万一の場合に会社が保険金を受け取ってリスクをカバーできるという事業保障の機能にプラスして、退職金等の資金を効率よく積み立てるという機能も果たします(※)。

どういうことかというと、これらの保険は、良いタイミングで解約すると、支払った保険料の総額の一部、または総額以上の額が解約返戻金として返ってくるのです。言い換えれば、保険料を払うことによってキャッシュを「解約返戻金」として積み立てていることになるわけです。そのしくみを説明していきます。

※積立の機能がある保険としては、他に終身保険もありますが、法人加入するのはリスク・デメリットが大きいので割愛します。詳しくは『終身保険の経理処理からみた法人加入のリスクとデメリット』をご覧ください。

2.2.1.保険料の全部・一部の損金算入により税負担が軽減される

上の3種類の保険は保険料の一部または全部が損金に算入されます。そのため、保険料を支払っている段階=「解約返戻金」の積立をしている段階で、税負担を軽くすることができるのです。

なお、保険料のうち、損金算入分以外の額は、資産に計上されていきます。

2.2.2.解約返戻金の一部・全部の益金算入により赤字リスクがカバーされる

解約返戻金は、1度に全部解約して全額を受け取ると、退職金や大規模な設備投資の資金に充てることができます。

そして、下図の通り、解約返戻金から、保険料総額のうち資産に計上されてきた分を差し引いた額が、益金に算入されます。

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この益金が、会社の赤字の危機を救ってくれます。

というのは、退職金の支給や大規模な設備投資により多額の損金が計上されますが、解約返戻金によって、それをカバーする益金が立てられれば、赤字を避けられるからです。

ただし、どの保険も、返戻率が高いタイミングで解約して解約返戻金を受け取らないと、かえって、保険に加入しなかった場合より損をしてしまうおそれがあります。

それぞれの保険の特徴と、どんな会社に向いているかについては、『長期平準定期保険で会社のキャッシュを多く残す4つの活用法』『逓増定期保険で会社のキャッシュをより多く残す4つの活用法』『全額損金の保険で会社のキャッシュを守る最適の活用法』で詳しく説明していますので、ご覧ください。

2.3.緊急の予備資金を準備しておく

2.3.1.突発的な経営危機や赤字のリスクをカバーできる

会社のリスクは、経営者の方の身に万一のことがあった場合だけではありません。大地震や大水害等の天災や突発的な不況、大口取引先の倒産等のリスクは常にあります。そういうことがあると、会社は深刻な経営危機に陥るおそれが大きいです。

そのような場合に、損益調節しながら資金を積み立てられる保険(長期平準定期保険、逓増定期保険、全額損金定期保険)が役立つことがあります。

つまり、不意のリスクに、保険を全部解約、または一部解約し、解約返戻金を受け取って対応することができます。また、そこまでいかなくても、営業赤字が出た年度に一部解約して解約返戻金を受け取り、その補填をすることができます。

ただし、解約返戻金が低いタイミングで解約してしまうと損をするリスクがあります。そのため、あくまでも、退職金等の必要な資金を保険を活用して積み立てるついでに、そういった使い方もできるのだというくらいに考えていただきたいと思います。

2.3.2.急なチャンス等に融資を早く受けられる

解約返戻金のある保険は、他にも、満期前に「契約者貸付」の制度を活用して、急な出費に対応することができます。限度額はその時点の解約返戻金の90%程度、利率は年3%程度です。

いわば解約返戻金を担保に借入をするのと同じなので、わざわざ担保を用意する必要はなく、申込から1週間程度で入金されます。

千載一遇のビジネスチャンスが到来した場合など、なんとか迅速にまとまった額のキャッシュを準備したい時に、便利な制度です。

2.4.事業承継による会社・後継者へのダメージを抑える

最後に、事業承継のための経営者保険の活用についてお伝えします。上の乙社のコンサルティング事例でも少し触れましたが、後継者の方が株式を引き継ぐ場合、相続税や贈与税の負担がかかってきます。

したがって、後継者の経済的負担をできるだけ軽くしてあげる必要があります。

特に、相続税や贈与税は、資産の評価額を基準として計算されることになるので、税金の額を引き下げるには、株式の評価額を低くする必要があります。

そのためには、大きな損金を計上して会社の利益を低くすることが一番手っ取り早いと言えます。

そこで、保険料の全部または一部が損金に算入される保険に加入すれば、会社の利益を引き下げ、株式の額を引き下げることができます。その結果、相続税・贈与税が抑えられて、後継者の負担を軽くしてあげることができます。これは、上で述べたような、退職金の資金の積立と同時進行で行うことができます。

また、一時払終身保険に個人加入して後継者に納税資金を準備してあげることも有効です。上の乙社の事例で社長のお父様に個人加入していただいたのがこれです。

他にも、生命保険を活用して事業承継対策をする方法があります。詳しくは『事業承継対策に役立つ生命保険4種類の活用法』をご覧ください。

まとめ

経営者保険の活用法について、実際のコンサルティング事例をご紹介した上で、4つの活用法をお伝えしました。

会社を守り、受け継いでいくために、経営者保険は是非とも必要なものです。特に、経営者の方の身に万一のことがあった場合の事業保障は、第一に考えなければなりません。

その上で、将来の見通し、たとえば、必要な資金をいつまでにいくら積み立てるか、誰にどのように事業承継をするのか等のことを見据えて活用すれば、経営者保険は、会社の舵取りをしていく上で強力な味方になってくれることと思います。

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出岡 大作

出岡 大作

行政書士資格保有。保険や税金や企業関係法、民法、行政法といった分野について幅広い知識を持つ。また、初めての人にも平易な言葉で分かりやすく説明する文章技術に定評がある。
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