定期医療保険がおすすめできない理由まとめ

定期医療保険とは、保険期間(契約期間)が5年・10年で区切られ、更新されていくタイプの医療保険です。

更新のたびに保険料が上がっていきます。

定期医療保険は、若い時であれば安価な保険料で加入できるメリットがありますが、長い目で見るとあまりおすすめできません。

この記事では、なぜ定期医療保険がおすすめできないのかを、「そもそも医療保険は必要か」という点も踏まえて詳しく検討しています。

1.定期医療保険とは?

定期医療保険とは、保険期間が5年・10年決まっていて自動更新されていくタイプの医療保険です。

定期医療保険の比較対象となるのが、終身医療保険です。

定期医療保険と終身医療保険の違いは以下の通りです。

  定期医療保険 終身医療保険
契約期間 5年・10年などの区切りあり 一生涯
保険料
  • 更新ごとに高くなる
  • 若い時は割安だが、契約更新ごとに割高になっていく
  • 変わらない
  • 若い時は割高だが、老後に近づくにつれ割安になる
保障内容
  • 主に保障するのは入院費用と手術費用。
  • 「入院日額●円」「手術1回●円」といった形で保障する

大きな違いは、終身医療保険は保険料がずっと変わらないのに対し、定期医療保険は更新ごとに保険料が高くなっていくことです。

保険料の額は途中で逆転し、終身医療保険の保険料の方が割安になっていきます。

定期医療保険は、若い時の保険料負担が軽く、老後になってからの保険料負担が重い医療保険と言うことができます。

なお基本的な保障内容については定期医療保険・終身医療保険いずれも変わりません。どちらも入院したら「入院日額●円」という入院給付金、手術を受けたら「手術1回●円」という手術給付金を受け取れるしくみになっています。

2.定期医療保険は扱いが減ってきている

定期医療保険・終身医療保険それぞれの特徴について解説してきましたが、現在、定期医療保険の扱い自体が減ってきています。

保険会社のホームページなどで探してみても、販売しているのは終身医療保険がほとんどです。また、実際に選ばれているのも終身医療保険です。

その理由は、定期医療保険を選ぶ必要性が乏しく、おすすめしにくいためと考えられます。次に説明します。

3.定期医療保険をおすすめしにくい理由

なぜ定期医療保険はあまりおすすめできないのでしょうか。

3-1.高齢になるにつれ保険料の負担が重くのしかかってしまう

医療保険の主な保障内容は、入院した場合に受け取れる入院給付金と、手術を受けた場合に受け取れる手術給付金です。

そして、入院したり手術を受けたりする可能性が高くなるのは、年齢が高くなってからです。

入院する可能性は若い方と高齢の方でどのくらい違うのか、以下のデータをご覧ください。

【年齢別/10万人対の入院者数】

年齢 入院者数
20~24歳 158人
25~29歳 235人
30~34歳 291人
35~39歳 296人
40~44歳 311人
45~49歳 398人
50~54歳 552人
55~59歳 758人
60~64歳 997人
65~69歳 1,358人

(参照元:厚生労働省「平成29(2017)年 患者調査の概況/受療率(P1)」)

ご覧の通り、年齢が高くなるごとに入院の可能性が高くなっていきます。

特に「65~69歳」は「20~24歳」の9倍近くです。

ところが、定期医療保険では、入院のリスクが高くなる高齢者の方が保険料の負担が重くなってしまうのです。

実際どのくらい保険料に差がでるのか、A生命の医療保険を例にみてみましょう。

いずれも保障内容はシンプルに以下の通り、入院給付金と手術給付金のみとします(特約は付けません)。

  • 契約者:30歳男性
  • 入院給付金:5,000円/日
  • 手術給付金:5万円(入院中)、2.5万円(外来)

この保障内容の場合、保険料は以下の通りです。

  • 終身医療保険:1,220円/月
  • 定期医療保険:840円/月(30歳)⇒2,940円/月(60歳)

終身医療保険の保険料は1,220円/月で一生涯変わりません。

これに対し、定期医療保険は加入時(30歳)の保険料こそ840円/月と終身医療保険より安いものの、60歳の時には2,940円/月と3倍以上となり、しかも、終身医療保険の保険料と比較しても約2.5倍もの開きがあります。

3-2.定期医療保険は一定の年齢になると保障してもらえない

終身医療保険は一旦加入してしまえば、その保障は一生涯続きます。「人生100年時代」と言われるようになりましたが、100歳を超えて生きても、もちろん保障を受けられます。

しかし、定期医療保険は、一定の年齢になると更新できなくなります。

入院リスクが高まるのは高齢になってからであるにも関わらず、定期医療保険だと、高齢者になってからの入院を保障してもらえない可能性があるのです

たとえば、上で紹介したA生命の定期医療保険は、新規加入できる年齢は69歳までと区切られている上に、更新期間が10年間なので、結果的に保障が受けられるのは79歳までとなります。

80歳以上の方は保障を受けられません。

人の寿命が延び、人生100年時代ともいわれる昨今において、一定の年齢で保障を受けられなくなってしまう定期医療保険はフィットしていないのです。

3-3.そもそも医療保険自体の優先度が高くない

これまで医療保険に関する説明をしてきましたが、もっと根本的なところに目を向けてみて、そもそも医療保険の優先度はどのくらいかを考える必要があります。

保険は、より高いリスクに対する保障を優先すべきものです。

その点、医療保険は全体的にみて優先度が低いと言わざるを得ません。その理由は主に以下の2つです。

  • 入院期間が短くなっている
  • 医療保険でカバーされる保障の多くが公的医療保険でカバーされる

まず、昨今では長期入院が少なくなり、逆に短期入院・日帰り入院が増えています。その代わりに在宅・通院での長期的な治療を続けるといったケースも多いです。

また、医療保険がカバーする入院費用・手術費用の大部分は、公的な健康保険でもカバーすることができます。

健康保険で医療費の自己負担は3割以下に抑えられる上に、高額療養費制度によって1ヶ月ごとの医療費の自己負担額に上限が設けられています。そのため、入院費用・手術費用に関しては、払えないほどの高額にはなりにくいのです。

医療保険の必要性とプランの組み方に関しては「医療保険の必要性を保障内容と医療の現実から考える」をご覧ください。

3-3-1.医療保険より優先順位が高い保険の例

それでは医療保険より優先すべき保険には、具体的にどんなものがあるでしょうか。

ここでは簡単にその種類と概要を紹介します。

がん保険

がんになると治療が長期化する可能性が高くなる上に、入院よりも在宅・通院での抗がん剤・放射線治療の方が期間が長くなることも多くなっています。

その点、最近のがん保険は、在宅・通院での治療をカバーできるものが主流になっています。したがって、がんに備えるならば、医療保険よりも優先順位が高いと言えます。

がん保険の保障内容と選び方については詳しくは「がん保険のおすすめの選び方2つのポイント」をご覧ください。

就業不能保険・所得補償保険

いずれも病気などで働けなくなったときに収入の一部を保障してくれる保険です。

重い病気にかかった場合、入院中や在宅・通院での治療中に関わらず仕事ができず収入が断たれる可能性が高くなります。

就業不能保険所得補償保険は、そんな際に経済的に困窮しないようにするための保険です。

大きな違いは以下の通りです。

  • 就業不能保険:仕事への復帰自体が困難な状態長期間継続する場合をカバーする
  • 所得補償保険:ドクターストップがかかって一時的に働けなくなった場合をカバーする

両者の違いや使い分け方の詳細については「働けなくなったときの保険、所得補償保険と就業不能保険の比較」をご覧ください。

介護・認知症保険

高齢になると、家族に介護してもらわないと生活できなくなったり、認知症になったりする可能性があります。

そうなると家族にも経済的な負担をかけてしまうことになりますが、介護・認知症保険へ加入していれば、その負担を少しでも軽減することができます。

民間の介護保険に関しての詳細は「民間介護保険の必要性|判断基準となる3つのポイント」をご覧ください。

3-4.【結論】定期医療保険を選ぶ必要性はあまりない

以上を前提とすると、しいて定期医療保険を選ぶメリットは、若くてお金があまりない時に、終身医療保険より安い保険料で入院や手術に備えられることくらいでしょうか。

しかし、若ければ、そもそも入院や手術をしなければならないリスクが少ないですし、公的医療保険によって入院・手術の費用のかなりの部分をカバーできます。

しかも、そもそも医療保険の優先順位自体、他の保険(がん保険、働けなくなった時の保険、介護・認知症保険等)と比べて高いとは言えないのです。

したがって、定期医療保険は積極的にはおすすめしにくいと言えます。

まとめ

定期医療保険は、若いうちであれば加入時の保険料が安いものの、老後になると負担が大きくなる、保障が一生涯続かないなどのデメリットが大きく、おすすめできません。

また、通院・在宅での治療が増えている昨今では、そもそも、入院費用や手術費用を主とする従来の医療保険自体、優先順位があまり高くなくなってきていると言えます。

以上のことを考えると、定期医療保険は加入のメリットが乏しく、基本的にはあまりおすすめできないと言えます。

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保険の教科書 編集部

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