夫婦型には要注意!夫婦で医療保険に加入する時のポイント

ご夫婦で保険を見直そうと考えたときに、『夫婦型』という言葉を思い出して夫婦型の保険について調べてみたものの、結局良いのか悪いのかがよくわからずに調べるのを辞めてしまったことはありませんか。

夫婦型とは、夫婦で保障を1つにまとめられる保険です。夫の保障に特約で妻の保障を付加するケースが多いです。

2人で1つの保険に加入することになるので管理もしやすく、保険料もお手頃だったため昔は人気だったようですが、現在は様々なデメリットもあるため販売している保険会社は少なくなってきています。

この記事では、夫婦型保険のメリット・デメリットと夫婦で医療保険に加入する時のポイントをお伝えしていきます。今後保険を見直すときの参考にしてください。

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保険の教科書 編集部

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はじめに:夫婦型とは

夫婦型(または夫婦特約)とは、主契約に配偶者の保険が特約として付加されている夫婦一体型の保険のことです。(特約の配偶者を従被保険者といいます。)

1つの保険で夫婦の保障が備わっているのですが、配偶者の保障の額は、主契約の60%となっています。

例えば、夫が主契約で夫婦型の医療保険に加入している場合は、主契約の入院日額が1万円・手術給付金が20万円ならば、配偶者の保障は、入院日額6000円・手術給付金12万円となります。

夫婦型保険のメリット・デメリット

メリット

  • 保険料を抑えられる可能性が高い
  • 管理しやすい

夫婦型のメリットは、やはり特約で配偶者の保障を持つことができるので保険料は割安なケースが多いことです。また、1つの契約にまとめられるので管理が楽です。

デメリット

  • 主契約者の死亡により保障がなくなってしまう
  • 配偶者の病気などによって主契約者の保障が見直しにくくなってしまう。
  • 家族構成の変化に弱い
  • 配偶者は生命保険料控除が受けられない

デメリットを1つずつ解説

主契約者の死亡により保障がなくなってしまう

主契約者が死亡した場合に配偶者の保障は主契約と共に消滅してしまいます。

さらに妻が病気の場合は、新たに医療保険に加入するのは難しくなってしまうため、その場合、妻は病気にも関わらず無保険状態になってしまいます。

配偶者の病気などによってご主人様の保障が見直しにくくなってしまう。

配偶者が病気などをしてしまった場合は、主契約の被保険者は保険の見直しをすることが難しくなってしまいます。それは、主契約を解約すると特約も消滅してしまうからです。

~アカウント型の生命保険は特に注意~

私の経験では、アカウント型の生命保険の特約に配偶者の保障を付けている方は、このケースで苦労されている方が多いです。

アカウント型の保険は、多くの場合減額できる限度の金額が決まっています。

配偶者が病気の場合、配偶者の入院や手術に備えた保障が特約として付加されているため、アカウント型の保険を見直せない状況になってしまいます。そして、時間が経つにつれて保険料はどんどん更新されて高額になっていきますが、減額できる限度金額があるためにほとんど減額もできずに高額な保険料を払い続けることになってしまうのです。

家族構成の変化に弱い

離婚した場合には、配偶者は新たに自分自身で保険に加入することになりますが、ここでも配偶者が病気の場合は見直しができなくなってしまいます。

仮に見直しができたとしても、若い時に夫婦別々で加入していた方が保険料は少なくて済んだということはよくあります。離婚のことを考えて生命保険を検討する必要はありませんが、夫婦別に加入したほうが柔軟性があるのは事実です。

配偶者は生命保険料控除が受けられない

夫婦型の場合は、主契約の契約者が保険料を支払うため、基本的には配偶者は生命保険料控除を受けることはできません。

夫婦共働きの世帯が年々増えていますので、配偶者も生命保険料控除を受けられるように別々に加入した方税制面で有利かもしれません。

夫婦で医療保険に加入する時のポイント

ここまで夫婦型保険のメリット・デメリットを中心にお伝えしてきましたが、夫婦で医療保険を考えるときに考えてほしいことは3点です。

  1. 保障内容
  2. 保険料
  3. 保険料払込期間

この3点について解説していきます。

①   保障内容

夫婦で医療保険を検討するときには、まず保障内容のことを考えましょう。

夫婦でまったく同じ内容で加入してもいいのですが、夫婦どちらかが自営業者あるいは経営者の場合は、入院日額の金額の設定をもう一度考えてみましょう。自営業や経営者の方が入院した場合、その期間の売上はどうなるでしょうか?ほとんどの場合は売上がストップしてしまうのではないでしょうか。

よって、入院による売上の損失補填や給与補償のことも考えて、入院の日額を大きくすることをおすすめします。また、女性の場合は女性特有の病気に対応している特約などもありますので、自分自身が心配なリスクに対して手厚いプランにすることも可能です。

②   保険料

大体の保障内容が決まったならば、保険料について考えてみましょう。男性の保険料が割安な商品、女性の保険料が割安な商品がそれぞれあります。

保険料率は、保険会社によって多少異なります。よく比較をして検討しましょう。

また、最近では医療保険でも非喫煙型の商品が発売され始めているので、非喫煙者は保険料を抑えることができるかもしれません。夫婦にとって一番お得な医療保険を見つけましょう。

③   保険料払込期間

年齢の差がある夫婦でよくありがちな失敗事例は、夫が年上のため先に仕事を退職して、その後家庭の収入が妻のパート代だけになってしまって、妻の生命保険の支払いが困難になってしまうということです。

医療保険なので、保険料は数千円かもしれませんが死亡保障などと合わせると保険料を毎月1~2万円程度支払っていることはよくあります。

よって、できることならば夫が現役のうちに妻の分の保険料も払い込みを終わらせることができればベストです。

すべて終身払いでもいいかもしれませんが、老後は限られた資産を取り崩しながら生活しなくてはいけないということを考えるとなるべく退職までに払込を満了させておきたいところです。妻の医療保険も夫の引退時期に合わせて払込を満了させてしまいましょう。

まとめ

夫婦で医療保険を考えるときに、保険料が割安だからという理由だけで、安易に夫婦型の医療保険(特約)を選択するのはやめておきましょう。見直しができなくなってしまう場合や主契約者が死亡することで配偶者の保障が突然なくなってしまうなどのデメリットがあります。

特に10年更新型のアカウント型保険に夫婦型で加入している方には気を付けてください。配偶者の病気で見直しができない状況が続いて更新時に減額が思うようにできないことで、更新後に高い保険料を支払い続けることになってしまう可能性があります。

また、夫婦で医療保険を選ぶときは、最適なプランに加入するためにも、保障内容・保険料・保険期間などをしっかりと検討してから選ぶようにしてください。

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