医療保険の払込期間はどう決めるべきか

医療保険の保険料の支払い方法に「●歳まで」「●年」など、払込期間を一定の年齢・年数で済ませる方法があります。

保険料の払込期間が限定されるので、保険料の総額が安くなるメリットがあると言われます。しかし、それだけの理由で選ぶのはおすすめできません。

この記事では、医療保険の保険料の払込期間について、どのように決めるべきか、シミュレーションも踏まえながらお伝えします。

なお、医療保険自体の必要性については「医療保険の必要性を保障内容と医療の現実から考える」で解説しているので、医療保険検討中の方はあわせてご覧ください。

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保険の教科書 編集部

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1.医療保険の払込期間を●歳払済にするメリットは?

医療保険の保険料の払込期間は、加入中ずっと支払い続ける「終身払」の他、指定の年齢までに支払いを終了する「●歳まで」「●年」と設定する方法があります。

払込期間を「●歳まで」「●年」にする主なメリットとしてよく挙げられるのは「老後に保険料の支払をしなくてよい」という点です。

たとえば、多くの会社員の方が定年退職する年齢に合わせ「65歳払済」にすれば、それ以降は保険料を支払わなくてよくなります。

退職すると、収入をもっぱら年金に頼るようになるので、保険料を払わずにすむのは大いに助かります。

また、「人生100年時代」と言われる昨今では、長生きすることによって、「終身払」に比べて支払う保険料総額が安くなる可能性もあります。

このことからすると、「●歳まで」「●年」と設定することは望ましいようにも見えます。

2.医療保険の払込期間「●歳まで」「●年」をおすすめしない理由

しかし、そのような払込期間を設定することにはマイナス面も大きいので、積極的におすすめすることができません。

そのマイナス面とは主に以下の4つです。

  • 1回あたりの保険料が高額になる
  • 改定を繰り返す医療保険の内容を見直しにくい
  • 終身払いでも「保険料払込免除特約」が使える
  • かえって保険料総額が高額になる可能性もある

2-1.保険料の1回あたりの額が高額になる

「●歳まで」「●年」を選ぶと、短い期間で一生涯分の保険料を全て払い込むことになるため、終身払と比べ高額となります。

商品や契約の年齢によっては、保険料が倍以上になることも稀ではありません。

2-2.改定を繰り返す医療保険の内容を見直しにくい

医療保険の保障内容は、その時代の医療の形にあわせ改定されたり新たな保障が登場したりしています。

例えば、以前は重い病気にかかると、長い間入院してその間に手術をするというのが一般的でした。

しかし、昨今は医療技術が進歩しており、国も入院より通院・在宅での治療を優先する方針であることから、入院期間が短期化しています。

そのため、医療保険でも、最近では通院・在宅での治療に対応した保障を充実させたタイプが登場し注目されています。

また、がんと診断された場合等の「一時金」の保障内容も改定されています。

これは、特定の病気にかかった時等に50万円・100万円などのまとまった保険金が受け取れるものです。

たとえば、がんと診断された時の一時金の支払いに関して、以前は「悪性新生物」のみが対象でしたが、現在では再発の可能性が極めて低いとされる「上皮がん」も支払い対象となっていることが多いです。

また、一時金を受け取れる回数も、以前は契約期間通じて「1回のみ」が一般的でしたが、現在では「●年に1度」というように条件が緩やかになっています。

このように保障内容の改良が繰り返される中で、現在の保険を一生涯使うことを前提に払込期間を「●歳まで」「●年」に設定すると、見直しを考える時に「保険料がもったいない」ということで断念せざるを得なくなる可能性があります。

2-3.終身払でも「保険料払込免除特約」が使える

しかも、終身払を選択した場合でも、必ずしも保険料を一生涯払い続けないわけではありません。

というのは、三大疾病(がん、心疾患、脳血管疾患)となり以下のような状態になると、それ以降の保険料の支払いを免除する「保険料払込免除特約」を付けられる保険が増えているからです。

  • がん:がんと診断された場合
  • 急性心筋梗塞・脳卒中:●日以上入院した場合、所定の手術を受けた場合、就労不能状態が60日継続した場合

仮に終身払で保険料払込免除特約を付与しておいて、特約の条件を満たせば終身払いでも老後の保険料負担が軽くなります。

三大疾病にかかると、その他の病気より治療期間が長期化して医療費が高くなる傾向がありますので、保険料払込免除特約は非常に有効な特約の1つです。

2-4.かえって保険料総額が高額になる可能性もある

さらに、保険料の払込期間を「●歳まで」「●年」にしたら絶対に保険料総額が安くなるという保証はありません。

1回あたりの保険料自体は、終身払より「●歳まで」「●年」の方がはるかに高くなります。そのため、保険料の払込が完了した段階では、支払った保険料の総額は「●歳まで」「●年」の方が高いです。

終身払よりも保険料総額が安くなるには、ある程度の高齢になるまで被保険者が生存し続けなくてはなりません。

では、保険料を終身払にした場合と●歳払済にした場合とで、どのくらい保険料総額に差が生じるでしょうか。

A生命の医療保険でシミュレーションしてみましょう。

契約条件を以下のように設定します。

  • 契約者:35歳男性
  • 入院日額:5,000円/日
  • 手術費用:5万円(入院中)、2.5万円(外来)
  • 長期入院一時金特約:50万円※通算入院日数が61日に達したときに支払われる一時金
  • 先進医療特約:あり
  • 三大疾病払込免除特約:あり

この契約条件の場合、終身払と「60歳払済」のそれぞれの場合の保険料は以下の通りです。

【年齢ごとの保険料累計】

終身払い(円) 60歳払済(円)
保険料(1ヵ月分) 2,655 4,130
60歳 796,500 1,239,000
65歳 955,800
70歳 1,115,100
75歳 1,274,400
80歳 1,433,700
85歳 1,593,000

終身払に比べて「60歳払済」の保険料総額が安くなるのは、加入から約39年後、年齢で言うと74~75歳の時点です。

それから先は表に書いたように、どんどん60歳払済の保険料総額の方が安くなっていきますが、逆に言えばそれまでに被保険者が亡くなると、60歳払済の方が保険料総額が高くなります。

厚生労働省の資料によれば、男性の平均寿命は81.25歳なので、この例だと「60歳払済」の方がお得になるのは、平均寿命に近い年齢まで生きて契約を続けた場合です。

終身払の方が保障内容の見直しがしやすいこと、また、三大疾病の場合に保険料が免除される特約を付けられることを考えれば、これは決定的なメリットとは言えないでしょう。

まとめ

保険料の払込期間を「●歳まで」「●年」に設定することは、確かに、長生きするほどに、終身払よりお得になる可能性があります。

しかし、

  • 1回あたりの保険料が高額になる
  • 改定を繰り返す医療保険の内容を見直しにくい
  • 終身払いでも「保険料払込免除特約」が使える
  • かえって保険料総額が高額になる可能性もある

といったデメリットがあることを考えると、それを覆すほどのメリットとは言えません。

医療保険は「終身払」にして「保険料払込免除特約」を付け、必要に応じて柔軟に保険内容を見直す方がメリットが大きいと言えます。

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