赤ちゃんが生まれたときに医療保険を検討するのに知っておくべきこと

子どもが生まれたときに学資保険とあわせて考えるのが、医療保険だと思います。

小学生・中学生にもなると、骨折などのケガをするなどの話を聞くので、保険の必要性も感じられると思いますが、赤ちゃんで順調に育っているときは、「乳幼児医療費助成でカバーされるし、医療保険ってホントに必要?」という疑問も持つところですよね。

確かに、地方自治体が乳幼児・義務教育就学時の医療費補助制度が有効な期間は無理に保険に加入する必要はありません。

しかし、人によっては医療保険に加入を検討する必要がある方もいます。

今回の記事では、子どもの医療保険に加入するべきかを見極めるためのポイントについてお伝えします。子どもをこれから出産される方、子どもが生まれたばかりの方は、ぜひ最後まで読んでください。

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保険の教科書編集部

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1. 子どもの医療保険への加入が必要な場合

1-1. 子どもの医療保険が必要な場合

子供に医療保険が必要かどうかは意見が分かれるところですが、私が考える、子供に医療保険が必要な場合は以下のようになります。

  • 医療費制度があまりにも整備されていない地域に居住しているとき
  • 子どもに先天的な病気の疑いがあるとき
  • 地方自治体の医療費補助制度が終わったとき

実際に、この項目に当てはまった方やそれでも念のために子どもの医療保険を考えているという方は以下の2つを検討するとよいでしょう。

1-2. 子どもの医療保険として考える2つの保険タイプ

  • 最低限の保障で掛け金の安い共済
  • 18歳以降も継続できる保障内容のしっかりした医療保険

掛け金の安い保険としては、共済がおすすめです。
県民共済・都民共済・府民共済などの共済は月1,000円程度の掛け金で、入院給付金が日額5千円、手術共済金は手術内容に応じて1回につき2万円から20万円が支払われたり、死亡共済金、後遺傷害共済金などが出る保険です。子ども限定の共済なので割安に設定されています。

子どもの将来を見据えて医療保険に加入を検討する場合は、保障内容のしっかりとした医療保険も検討できます。
終身医療保険に入れば、18歳までに大きな病気などにかかっても、医療保険が一生続いていくというメリットがあり、保険料も安いまま上がらないので、早めに入っておくと安心感はあります。

1-3. 子どもが入院する確率は低い

厚生労働省の統計によると生まれたばかりの赤ちゃんは入院の可能性が高いですが、幼稚園の年代になると入院する可能性が一気に低くなります。

こちらは厚生労働省の「平成26年患者調査」の表の抜粋です。

年齢別に10万人のうち何人が入院か通院をしているかをまとめてあります。

下記の表から子どもが入院する確率を確認することができます。

【年齢階級別・受療率(人口10万人対)】

このように子どもは大人に比べると通院率は多いですが、入院率はそれほど高くないことがわかります。

しかしながら0歳の入院率が60~64歳と同じくらい高いというところが少し心配なところです。

1~19歳の入院受療率は低いですが、生まれたばかりの赤ちゃんは入院率が高いということがわかりました。

2. 国や自治体の医療費補助が充実している

子どもの医療費には、各区市町村が子育て支援のための助成制度を設けています。

そもそも子どもが入院する確率は非常に低いです。もし、入院する病気にかかったとしても、子どもの場合は以下のような公的保障が充実しています。

  • 健康保険
  • 乳幼児医療費助成制度
  • 義務教育就学時医療費助成制度

健康保険では、小学校就学前であれば自己負担は2割、小学校就学から70歳未満であれば3割の負担となります。

乳幼児医療費助成制度とは、子育てを支援する目的で、その自己負担分(2割または3割)も全額または一部を助成してくれる制度のことです。

最近では、少子化対策や子育て支援を目的として、中学校卒業まで医療費を無料とする市区町村もあります。

子どもがいる方や、これから引っ越しを考えている方は市区町村の制度を確認しておきましょう。

さらに、地方自治体ごとに義務教育就学児医療費助成制度を設けています。

助成額や助成条件などは自治体によっても変わってきますが、15歳(中学卒業)まで保障される場合もありますので、保障されている間は医療保障は公的制度だけで十分と言えます。

乳幼児や子ども向け医療費助成の名称は市区町村によって異なります。

保護者の所得に制限を設けている場合もありますので、内容をよく確認しましょう。

また、初診の特定療養費・健康診断・予防接種・入院室料差額等の健康保険がきかないものは助成の対象外となります。

3. 自治体ごとに子どもの医療費補助制度には差がある

先ほど子供の医療費補助が充実しているとお伝えしましたが、地域によって受けられる保障が全然違います。

以下の表をみて下さい。

【自治体ごとの子ども向け医療費助成制度(一部抜粋)】

(参照元:goo 住宅・不動産「全国の乳幼児医療費助成(通院)/暮らしデータ」)

この表から自治体によって医療費の助成がある年齢と、所得制限・自己負担などにバラつきがあるのがわかりますね。

「なし」としている場合でも、子どもの年齢によって基準が違ったり、入院と通院で適用が変わったりすることもあります。

どちらにしても医療費の助成があるのが「中学校卒業まで」「就学するまで」とでは大きな差がありますので、一度各自治体のホームページなどで助成内容を確認してみると良いでしょう。

4. 医療費以外の入院費用が意外とかかる!?

入院したときにはまず、医療費がいくら掛かるか気になるところですが、医療費以外にもお金が掛かります。

以下の表は子どもが入院した場合に必要な費用の例です。

医療費は乳児医療の助成により、全額または一部を助成してもらえますが、それ以外に食事代・宿泊代・交通費、子どもの入院の影響で家族の食費が増える、他に兄弟がいる場合は、託児代がかかることもあります。

4-1. 差額ベッドの注意点

「個室しか空いていない」などの理由により、個室に入った場合、差額ベッド代の支払いを拒否することができます。

病院は差額ベッド代を取るには設備や料金などを説明し、料金を明示した文書に署名をもらわなければいけないので、署名をしなければ差額ベッド代の支払いは生じません。

入院が長くなると高額になりますので注意が必要です。

4-2. 親の収入に影響する場合も

正社員で有給が使える場合は、収入に影響することはないと思いますが、個人で事業を営んでいる方、主婦でパートで働いている方は、子どもの入院に付き添っている期間は収入が減るケースがあります。

自営業の方やパート・アルバイトの収入が生活の主な収入源という方は、より医療保険の必要性が出てくるのではないでしょうか。

まとめ

子どもの入院率が低い点や、乳幼児・義務教育就学時の医療費助成制度が充実している点から、これらの医療費助成制度がある期間は加入の必要性は低いでしょう。

子どもに医療保険が必要になるときは以下の3つのときです。

  • 医療費制度があまりにも整備されていない地域に居住している場合
  • 先天的な病気の疑いがある場合
  • 地方自治体の医療費補助制度が終わった場合

それ以外の場合は医療保険にあせって加入する必要はないでしょう。

保険があると安心ですよね。しかし、必要性の低い保険に保険料を払い、家計を圧迫する結果になっては元も子もありません。

もし保険料を払う余力があるのなら、夫婦の保障を手厚くしてみてはいかがでしょうか。

「それでも不安…」という方は、現在移住している地域の、乳幼児・義務教育就学時の医療費助成制度が切れるタイミングで、子どもの医療保険への加入を検討することをおすすめします。

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