がん保険で自由診療分も全て保障したい場合の必要性と選択肢

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がん治療にお金が掛かるのはご存知のことでしょう。そして、高額になる理由の1つが、がん治療の進化が目覚ましく、日本の健康保険が適応されない「自由診療」の治療になる可能性があることです。

そこで気になるのが、がん保険に加入をしていれば自由診療になっても治療費が保障されるかですよね。

がん保険には「定額給付型」と「実額保障型」があります。実額保障型は自由診療まで治療費すべてを保障されますが、定額給付型の場合治療費が全額保障されるわけではありません。

実際にがんになった時に保障されていないと怖いですよね。

そこで、この記事では具体的に

  • 自由診療と保険診療の具体的な違いとデータ
  • 自由診療を選んだ場合の治療費
  • がん保険で自由診療も保障したい方のための選択肢

の3つを解説させていただきます。

1. はじめに~自由診療と保険診療の違い~

自由診療とは、簡単に言うと国の公的健康保険制度が適用されない診療のことをいいます。そのため、通常の治療であれば、私たちは医療費の3割を払えば良いのですが、自由診療に該当する治療を受けると10割全額を自分で払わなければいけません。

また、日本では混合診療と言って、自由診療と保険診療を同時に受けることが禁止されています。そのため、未承認の抗がん剤を使うと、その他全ての治療費も10割負担しなければならなくなるのです。

これが自由診療になると、治療費が大きく増加する理由です。

1.1. 自由診療と保険診療の違い

自由診療と保険診療の違いを具体的に表にまとめると以下の通りです。下の表で保険診療と自由診療の特徴をしっかり押さえておきましょう。

診察の種類 説明・特徴 治療費
保険診療 健康保険が適用になる通常私たちが医療機関で受けている治療のこと 治療費のうち、通常7割を国民健康保険や健康保険組合などが負担し、残りの3割を患者が自己負担になる。また高額療養費制度により月当たりの医療費の上限が決まっている。
自由診療 健康保険が適用にならない治療のこと。例えば、がんに有効な新しい治療法が世界中で開発されている中で、国内未承認の抗がん剤などによる治療は、健康保険等(公的医療保険)が適用されず、先進医療にも当たらないため、自由診療になる 本来の健康保険等が適用される治療も含め、全ての治療費が全額自己負担になる。また高額療養費制度も適用外になる。
※高額療養費制度について
表の中で高額療養費制度に関する言及があります。高額療養費制度とは、一月当たりの医療費が一定の上限を超えた場合、その超えた額が戻ってくるという公的保障です。医療保険やがん保険を検討する上では、このような公的保障制度を知っておくことが大切です。詳しくは『高額療養費制度とは?押さえておくべき申請方法と活用するポイント』をご覧ください。

以下の図は、それぞれの治療費の負担割合の違いを視覚で分かりやすく示したものです。

1.1.1. 保険診療の治療費負担割合

こちらは普段私たちが医療機関で受けている治療費の負担額です。下図の赤枠で囲った部分のみ負担することになります。ご覧いただくと、保険診療では治療費のほとんどは健康保険が負担してくれていることがわかります。

通常の保険診療

1.1.2. 先進医療の治療費負担割合

続いて先進医療を受けた場合の治療不負担割合です。先進医療とは、大学や病院、研究機関などで開発された新しい技術のうち、安全性と治療効果が確保され、厚生労働省が認定されたものをいいます。詳しくは、『がん保険の先進医療特約は必要か?検討時に知っておきたいこと』でも解説しておりますので目を通していただければと思います。

さて、先進医療は次にお見せする自由診療とは異なり、保険診療との併用が認められています。そのため、先進医療の技術料という部分のみ負担することになります。そのため先進医療を受けた時は、下図の赤枠で囲った部分のみ負担することになります。

先進医療の場合

1.1.3. 自由診療の治療費負担割合

続いて、自由診療の場合の負担割合です。下図の赤枠で囲った部分のみ負担することになります。ご覧いただくと、自由診療では全ての医療費を自分で負担する必要があることが分かります。

自由診療の場合

なお、自由診療でかかる医療費は病院側が自由に決められます。患者さんと医療機関との間の取り決めによって行われるものですので、医療法や医師法に従うことが前提ですが、診察内容や費用については制限がありません。そうした様々な事情が相まって自由診療は、他の2つと違って、負担額が飛躍的に大きくなります。

1.2. がん治療の現場での自由診療を選ぶ人の割合は42%にのぼる

それでは、実際にがんになった時に、自由診療を受ける人はどれぐらいいるのでしょうか。

厚生労働省の『治験実施状況及び未承認薬使用状況についての調査』によると、未承認の抗がん剤を希望される患者は、約42%にも上るようです。

抗がん剤は日々新しく開発されています。そして、海外で承認されていて実績があっても、日本では一向に承認されないということもあります。日本では、承認のための検査が非常に細かく行われるため、たとえ海外で大きな効果が確認されている抗がん剤であっても承認までに特に時間がかかります。

だからと言って日々進行し続けるがんを抗がん剤が認可されるまで待つことはできません。そこで、多くの方が、治療費が高額になるのを覚悟で、自由診療で国内未承認の抗がん剤を使用することが多いのです。

2. 実際に自由診療になった場合の必要額

次に事例を交えて、自由診療になった場合の治療費負担を具体的に解説をしていきます。健康保険が適用になっている治療と自由診療の治療が分かれていますので、どれくらい掛かるのか是非イメージしてください。

がんの部位によっても大きく異なりますが、最低でも200~300万から、1000万円以上かかる場合もあります。

2.1. 乳がんで2年間治療を行った内の3ヶ月が自由診療だった場合

この事例は40歳女性が右側の乳房にしこりを見つけて、乳がん検診を受けた結果乳がんの確定を受けました。初めは、病院で健康保険適応に治療を行っておりましたが、手術後肺に転移が発見され、その後国内未承認の抗がん剤を3か月間行っている事例です。
乳がん治療費
乳がんの場合手術でがんを摘出すると、公的健康保険により、治療費が20万円~30万円で済むところですが、転移が見つかり、国内未承認の抗がん剤を使用することになったことにより、治療費が約300万円と高額になりました。

また、乳がんの場合は、がんの治療費以外にも乳房再建術やウィッグなど、女性としての誇りのためにも必要な手術が他にもあります。『がん保険で乳がんを保障するために知ってほしい3つのポイント』もご覧ください。

2.1. 胃がんで1年半治療を行った内の6ヶ月が自由診療だった場合

この事例は50歳男性が職場の定期検診のエコー検査で異常が認められ、再検査をした結果、腎がんが発見されました。腎臓摘出術を受け、退院しましたが、約1年後に3か所転移が見つかりました。その後は自由診療での治療となり、治療費が高額になりました。

腎がん治療費
このように手術で無事完治したと思っても、転移が複数見つかると手術により、取りきることができず、長い間の抗がん剤の治療が必要となり、なおかつ自由診療になると数千万円にもなることがあります。

3. がん保険で自由診療まで保障する場合~実額保障型と定額給付型~

がん保険のタイプには主に2種類あります。

  • 実額保障型:自由診療や先進医療も含めて全ての実費を保障する。
  • 定額給付型:治療ごとに決められた一定の額を保障する。

なお、がん保険のほとんどは「定額給付型」です。今ほとんどの人がご加入されているのもおそらくこちらでしょう。そして、保険で自由診療も含めて全て保障しておきたいとお考えの場合、実額保障型の保険を検討していただく必要があります。

それではどのように違うのか早速見ていきましょう。

3.1. 実額保障型のがん保険は自由診療まで治療費がすべてカバーされる

がん保険の中でも保険診療から先進医療そして自由診療まで治療費のすべてを保障される「実額保障型」の商品があります。これは治療費にいくら掛かっても全てが保障されます。すなわち自己負担0円でがん治療が受けられます。なお、それでも差額ベッド代・新聞代・日用雑貨などは自己負担になります。

以下は、実額保障型のがん保険を提供している、ある保険会社の実際の給付金支払い実績です。

男性

  • 胃がん 1770万円
  • 大腸がん 2680万円
  • 肺がん 920万円
  • 肝臓がん 1230万円
  • 食道がん 1270万円
  • すい臓がん 1410万円

女性

  • 乳がん 650万円
  • 子宮がん 1490万円
  • 卵巣がん 960万円
  • 大腸がん 700万円
  • 肺がん 750万円

コンプライアンスのためこの保険会社の名前を出すことができないのですが、この実額保障型のがん保険に加入しておけば、この治療費が全額保障されます。保険料は、保険会社から病院に直接支払われるので、治療費に関しては病院への支払いは必要ありません。

なお、この実額保障型のがん保険は定期保険と言って、5年ごとに保険料が上がっていくものです。定額給付型と比べて、どれぐらい保険料が違うのかは、『がん保険の種類と加入する時に確認すべき3つのポイント』の中ほどにグラフを掲載しておりますので、ご確認いただければと思います。保険を検討する際は、保障内容と保険料、そして家計の状況を総合的に判断して考えていただけると間違いがなくなります。

3.2. 通常のがん保険は定額給付型

実額保障型のがん保険は特殊な保険です。ほとんどの人が加入しているがん保険がこの定額給付型です。治療費がいくら掛かっても保険診療も自由診療も関係なく、給付金の形が決まっています。

例えば以下のような保障内容です。

支払い事由 支払い限度 保険金額
がんと診断された時
(上皮内新生物含む)
回数無制限
(2年に1回)
100万円
抗がん剤治療給付金 回数無制限 月10万円
放射線治療給付金 回数無制限 月10万円
がん先進医療 通算1.000万円まで保障 がん先進医療の技術料

この保障内容の場合、がんと診断されたら診断給付金が100万円受取れ、抗がん剤や放射線で治療をし続けると、毎月10万円ずつ給付金が受取れます。治療費が月10万円以下であれば、治療費をすべて支払うことができますが、10万円を超える部分は自己負担になります。逆に毎月5万円で済むようであれば、残りの5万円を収入の補填に充てることができます。

3.3. 実額型と定額型のどちらを優先するべきか

さて、これからがん保険に加入しようと考えている人、または見直しを考えている人はどちらに加入するのか迷うところですよね。私は、今34歳なのですが両方に加入をしています。

私が両方に加入している理由は以下の3つです。

  • 若い人は保険料が安いから
  • 貯蓄がまだ少ない段階では特に大きな保障が必要だから
  • 小さな子供がいる人ほど大きな保障が必要だから

3.3.1. 若い人は保険料が安い

がん保険は年齢が若いうちに加入をすると驚くほど保険料が安いです。年齢・性別にもよりますが、例えば、定額型と実額型の両方に加入をしても2000円台~3000円台です。そのため、私は、治療費は「実額保障型」で保障をし、収入の保障や差額ベッド代など治療費以外のものは「定額保障型」で保障をするというように考えています。

差額ベッド代について
 実額保障型のがん保険は治療費は全額保障されますが、個室などに入院した場合の差額ベッド代までは保障されません。詳しくは『差額ベッド代とは?入院費用を抑えるために知っておくべき基礎知識』をご覧ください。

3.3.2. 貯蓄がまだ少ない段階では大きな保障が必要

生命保険でよく言われるのは「貯蓄がない人ほど保険が必要」ということです。簡単に言うと貯蓄が十分あれば保険は必要ないでしょう。極端な話1億円の貯蓄があれば、がん保険は必要ないかもしれません。ただし、通常は就職をして月々数万円ずつ、貯めていき40代になり、ようやく数百万~1千万くらいの貯蓄ができるものです。

それまでの間にがんになったら、例えば、奥様(恋人)やお子様、ご両親に対するライフプランは大きく狂ってしまいます。私は、何があっても家族を幸せにしたいと考えていますので、何が起こっても、その目標を失わないで済むようにリスクヘッジをしています。

3.3.3.  小さな子供がいる人ほど大きな保障が必要

生命保険全般に言えることですが、子供が生まれて子供が小さいうちに大きな保障が必要になります。それはこれから生活費、学費など大きなお金が必要になるからです。想像してみてください。これから大きな学費が掛かるという時にがんと診断され、仕事の不安、生活費、学費を支払い生活を守ることができるでしょうか。

そう考えると、私個人としては、若いうちほど大きな保障が必要かと考えています。

※がんになった場合の家計への影響を知っておこう。
これまでお伝えしたようにがんになった場合高額な治療費を必要とするケースがあります。同時に考えなければならないのは、収入の減少です。詳しくは、『がん保険の必要性|加入するなら知っておくべき3つのポイント』をご覧になって、がん保険がなぜ必要なのかご理解ください。

まとめ

病気で治療を行う時はほとんどの治療が健康保険が適用されます。ただ、がん治療は世界中で開発が進み、進化しています。よって厚生労働省の認可が間に合わず、健康保険適応にならない「自由診療」になるケースがあります。

これまでお伝えしたように治療が長くなればなるほど、自由診療を使う可能性が高く、治療費が高額になります。

がん保険のほとんどは定額給付型で治療費を全て保障するわけではありません。もし、がんになった場合お金に糸目をつけず、最先端の治療を受けたい場合は実額保障型のがん保険へのご加入をおすすめします。

そしてがんは高額な治療費と共に仕事への影響による収入の減少が考えられます。がん保険を考えるときは、そのようなことになっても、「愛する家族の生活を守れるか?」「安心して治療を受けることができるか?」という保障面と、保険料のバランスを考えて真剣に検討していただければと思います。

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長井 大輔

長井 大輔

保険のパートナー・保険の教科書 運営責任者、今まで1000名以上の個人・法人のお客様のご相談にお応えしてきた生命保険・社会保障・税務・資産運用に精通しているファイナンシャルプランナー
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