医療保険と生命保険の審査で知っておきたいことまとめ

医療保険や生命保険へ加入する際に必要なのが、専用の告知書を使って行われる審査です。健康状態や持病・既往歴等について申告することになりますが、どんな事項をどのように審査されるのかは気になるところです。

この記事では、そもそもなぜ医療保険や生命保険の審査が必要なのかや、審査ではどんなことを聞かれるかをまとめています。

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保険の教科書 編集部

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1.保険の審査は加入者間の公平性を保つために行われる

医療保険・生命保険の審査では、加入を希望する方に告知書を記入していただき、「病気や怪我のリスクがどのくらいあるか」を確認します。

このような審査を行うのは、全ての加入者が公平に保険を使えるようにするためです。

保険は、一人ひとりの加入者が少しずつお金を出し合い、万が一の際に多額のお金が必要になった方を助けるという考え方のもとに成り立っています。

病気やケガのリスクが高く保険金を受け取る可能性が高い人と、そうでない人が同じ条件で加入できるのは不公正ということになります。

そのため、健康状態や持病・既往歴等によっては、保険金を向こう何年間か受け取れないという条件を付けられたり、加入自体を断られたりします。

2.医療保険・生命保険の審査で問われる3種類の内容

それでは医療保険や生命保険の審査では、どんなことが聞かれるのでしょうか。

質問の内容は専用の「告知書」にまとめられており、加入を希望する方は告知書の質問への答えを記入します。

告知書の質問項目の内容は、大きく分けて以下の3つにまとめることができます。

  • 健康状態に問題はないか
  • ケガをする危険性の高い職業についていないか
  • 倫理的な問題(モラルリスク)はないか

それぞれの質問の分類について簡単に解説します。

2-1.健康状態に問題はないか

まず、健康状態に関する質問です。これが最も重要です。

現在病気をしていたり、過去に大きな病気をした経験があったりする人は、保険会社から見ると、その人に保険金を支払う可能性が他の人より高いと評価されます。

その他、入院歴や健康診断などの結果も加味されます。より具体的にどんなことを聞かれるかは後述します。

2-2.ケガをする危険性の高い職業についていないか

次に、職業です。職業について聞かれるのは、加入希望者が怪我をする危険性の高い仕事をしていないかチェックするためです。

具体的には以下にあげる職業の方は、他の職業と比べてケガを負ったり後遺障害に陥ったりする危険性が高いとみなされ、加入を断られるか保険料が割増になる可能性があります。

  • 高所作業を扱う職業
  • 爆発物や高電圧設備を扱う職業
  • スタントマン
  • レーサー
  • プロの格闘家

なお、これらは一例です。実際にどのような職業が「ケガの危険性が高い」と判断されるかは、保険会社ごとに若干異なります。

2-3.倫理的な問題(モラルリスク)はないか

最後に、倫理的な問題(モラルリスク)の有無です。これは「健康状態」「職業」に関する質問とは、意味合いが大きく異なっています。

医療保険・生命保険の不正利用を目的にしていないか、モラルリスクの有無が確認されます。

たとえば、生活保護受給者の方や知的障がい者の方、収入がごくわずかな方に対して不相当に高額な保険金が設定されていた場合は、保険金詐欺や殺人、反社会勢力の関与などのリスクがあると判断される可能性があります。

ただし、一般の方が普通に医療保険・生命保険へ加入する際には、モラルリスクの面で保険会社に目をつけられるようなことはないでしょう。

3.健康状態に関する代表的な告知内容

ここでは、健康状態について、具体的にどんな質問をされる可能性があるか、A生命の告知書の告知内容を紹介します。

以下の質問に全て「いいえ」で答えられれば、通常の条件通りに対象の保険へ加入できます。

これに対し、「はい」が付いた場合、病気・ケガのリスクを総合的に判断して、加入の可否あるいは加入の条件が決められます。

  1. 最近3か月以内の診察・検査・投薬を受けたことがあるか?
  2. 過去5年以内に入院・手術を受けたことがあるか?
  3. 過去5年以内に7日間以上わたる医師の診察・検査・投薬を受けたか?
  4. 過去2年以内の健康診断・人間ドックの指摘を受けたか?
  5. 身体障害(視力、聴力、言語、そしゃく機能、手・足・指の欠損や機能障害、背骨の変形や障害など)はあるか?

4.医療保険の審査で決定される結果の種類

医療保険の審査結果の種類は、加入を受け入れられるか否かの2択だけではありません。その他にも、以下のような条件付きでの加入が認められる可能性があります。

制限の種類 内容
保険料の割増 リスクの内容によって、保険料の割増をする
部位不担保 病気のリスクが高いと想定される身体の部位について、一定期の期間は保障をしない
特定疾病不担保 特定の疾病に関しては、保障の対象としない
保険金の削減 一定の期間、保険金の金額を減らす

たとえば「部位不担保」であれば、不担保とされた以外の身体の部分に関する保障は他と同様に受けられるわけですし、指定された期間が経過すれば、その部分の保障も受けられます。

5.持病があるからといって目的の保険に加入できないとは限らない

保険の加入にあたっては、保険会社が一応のガイドラインを作成していて、持病があったり過去に大病をしたりすると「引受不可」とされている場合があります。

しかし、あくまで目安なので、実際に告知書をいただいてみないと結果がどうなるか分かりません。

実際にあったケースとして、以下のような例があります。

状況 結果
糖尿病と診断されていて、食事療法・運動を指示されていたが、薬は出されていなかった。定期的に計測しているHbA1cと血糖値のデータを提出した。 生命保険(定期保険)に加入できた。特に制限はつかず、非喫煙者割引を受けることもできた。
神経性の疾患で、強い薬の処方を受けていた。医師の診断書・所見を書いてもらった。 生命保険(収入保障保険)に加入できた。非喫煙割引を受けることもできた。
12年前にがん(精巣ガン)にかかり切除した。 割引は受けられなかったものの、生命保険(収入保障保険)や就業不能保険に加入できた。

なお、私が保険業界に入る前のことですが、家族がある医療保険へ加入を希望した際に、事前に告知書の内容を確認した上で、電話窓口の担当の方に「○○にかかった経験があれば、この保険には加入できないんですよね?」と聞いたことがあります。

その時、担当の方は「とりあえず申し込んでみてください。窓口では何とも言えません」と言われて、違和感を覚えました。

結局、いろいろ比較した上で別の保険に加入したのですが、今から考えると上記のような事例が発生しえるために、窓口の方が断定しなかったのでしょう。

6.持病があっても審査に通るためできることはすべき

このように、もし保険加入が難しそうであっても、必ずしも加入できないとは限りません。

告知内容の審査をクリアするためにも、できるだけのことをするようにしましょう。

具体的には、まず持病などの症状・治療状況・処方されている薬などをきめ細やかに申告します。その内容を見てリスクが低いと判定されれば加入が認められる可能性もないわけではありません。

たとえば、高血圧で治療中の場合、以下の内容によっては、条件の有無、引受の可否が異なります。

  • 治療開始前の血圧値/現在の血圧値(上・下)
  • 薬の名前
  • 合併症(腎臓疾患・眼疾患・動脈硬化など)の有無

その他、医師の診断書や医師・専門家の意見書、検査結果など、保険会社へ提出できるものは提出してみて損はありません。

場合によっては無条件で加入ができたり、一定の条件を受けるだけで加入できたりすることもあるのです。

7.告知義務違反をするとどんな不利益があるか

告知は正確に行わなければなりません。審査で加入を断られたり制限がつけられたりするのが心配だからと言って、本来告知すべき事項を黙っていたり、虚偽の申告をしてはいけません。

もし告知義務違反をしてしまうと、以下のような不利益を受けることになります。

まず、故意もしくは重大な過失により正確な告知をしなかったと判断された場合には、告知義務違反として契約が解除されてしまう可能性があります。

次に、本来なら保険金を受け取れるべき状態でも、告知義務違反があると分かれば、保険金が支払われない場合があります。

このようななことにならないためにも、医療保険の告知は正しく慎重に行う必要があります。

8.医療保険・生命保険の審査にはどのくらい時間がかかるか

医療保険・生命保険の審査期間は、保険会社によりますが、おおよそ数日~2週間程度です。

ただし、記入漏れや不明確な点があったりすると、書き直しや追加告知等の手間が発生し、これより長くかかってしまうこともありえます。

まとめ

医療保険や生命保険の審査は、加入者間の公平性を守る目的で、病気・ケガのリスクがどのくらいあるか等のチェックを行います。

その上で、そのリスクが高いと判定された場合は、加入を断られたり、保険金の受取について条件が付いたりします。

ただし、審査項目に該当している場合でも、必ずしも加入を拒否されるわけではありません。

持病があっても、治療が順調にいっていて症状が安定している場合等は、治療状況を詳しく申告したり医師の意見書を提出したりすることによって、条件付きでの加入、あるいはうまくいけば無条件での加入が認められる可能性もあります。

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