20代の貯金事情|貯金額の平均とその使い道を紹介

社会人になりたての人も多い20代は、まだ将来のことを深く考える必要がないと思われがちです。

お金の使い方を覚えるためにも、ある程度は使ってみることも大切ですが、同時に不可欠な出費が少なく、貯金がしやすい時期ともいえます。

そもそも自分と同じ世代がどの程度貯金をしているのか、気になりますよね?

どうやら、同じ20代でも単身世帯とそうでない世帯では、貯金の状況やその目的に違いがあるようです。

今回はそんな20代の貯金額の平均や、その使い道を紹介していきます。

貯金をするか思いっきり使うか、悩んでいる人は一度目を通してみてください。

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保険の教科書 編集部

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私たちは、お客様のお金の問題を解決し、将来の安心を確保する方法を追求する集団です。メンバーは公認会計士、税理士、MBA、CFP、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、行政書士等の資格を持っており、いずれも現場を3年以上経験している者のみで運営しています。

1.20代の貯金額の平均はどのくらいか

20代の人は平均でどのくらい貯金でしょうか。

単身世帯と二人以上の世帯に分けて見てみましょう。

1.1.単身世帯の場合

金融広報中央委員会の調査(家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年(2020年))」」によれば、令和2年度の単身世帯で、20代における「現在保有している預貯金残高合計」の平均は、株式などの金融商品はおろか貯金もゼロという金融商品非保有者も含めた上で、68万円となっています。

金額としては少なく感じる人もいれば多いと感じる人もいるでしょう。

20代の単身世帯には、貯金も含めた金融商品を持っていない人が、半分近い43.2%もいるので、それを考慮に入れると多いと感じる人が多いかもしれませんね。

一方、何がしかの金融資産を持っている人は全体の57.8%です。

貯金も含めた金融資産の総額に対する前提の割合は以下のようになります。

金融資産総額 割合(%)
金融資産非保有 43.2
100万円未満 28.3
100万円以上~200万円未満 8.8
200万円以上~300万円未満 4.8
300万円以上~400万円未満 3.6
400万円以上~500万円未満 2.5
500万円以上~700万円未満 2.9
700万円以上~1,000万円未満 1.7
1,000万円以上~1,500万円未満 0.9
1,500万円以上~2,000万円未満 0.5
2,000万円以上~3,000万円未満 0.3
3,000万円以上 0.0

上記の表を見てみると、8割程度が200万円未満に固まっていることがわかります。

20代では、100万円も貯めていれば、貯金額は多い方だということですね。

1.2.二人以上の世帯の場合

次に二人以上の世帯について見てみましょう。

同じく金融広報中央委員会の調査(「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」)では、20代における「現在保有している預貯金残高合計」の平均は64万円です

単身世帯と比較して少なくなっています。

一方、何がしかの金融資産をもっている人は単身赴任の57.8%に対して、2人以上世帯では84.0%と多くなっています。

金融資産総額の割合は以下のとおりです。

金融資産総額 割合(%)
金融資産非保有 16.0
100万円未満 20.0
100万円以上~200万円未満 16.0
200万円以上~300万円未満 12.0
300万円以上~400万円未満 0.0
400万円以上~500万円未満 12.0
500万円以上~700万円未満 12.0
700万円以上~1,000万円未満 4.0
1,000万円以上~1,500万円未満 4.0
1,500万円以上~2,000万円未満 0.0
2,000万円以上~3,000万円未満 0.0
3,000万円以上 0.0

見てみると、夫婦2人で500万円以上貯蓄している世帯が20%程度存在することがわかります。

単身世帯と比べると、先の出費がよく見えている分、貯蓄の必要性を感じているのでしょうね。

2.貯金の使い道について

ここまでで、20代の人は単身で57.8%が、2人以上の世帯では84.0%が金融資産を保有していました。

では金融資産を何のために持っているのでしょうか。

その使い道について見ていきましょう。

2.1.単身世帯の場合

金融広報中央委員会の調査(「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)」)によれば、単身世帯の場合の金融資産の使い道とその割合は以下のようになっています。

保有目的(複数回答可) 割合(%)
病気や不時の災害への備え 44.7
こどもの教育資金 5.2
こどもの結婚資金 1.6
住宅の取得または増改築などの資金 7.9
老後の生活資金 33.0
耐久消費財の購入資金 13.4
旅行、レジャーの資金 34.3
納税資金 1.4
遺産として子孫に残す 1.1
とくに目的はないが、金融資産を保有していれば安心 39.2

最も多かったのが「病気や不時の災害への備え」でした。

独り身だと、自分が病気や怪我で動けなくなるということは、収入がなくなることを意味します。

また、病気や怪我の内容によっては、多額の治療費がかかる可能性もあるでしょう。

そういったリスクに備えての貯蓄という側面が、役割として大きくなるようです。

次いで割合が大きかったのが、旅行やレジャーの資金です。

やはり娯楽にお金を使いたいという考えは、若い頃ほど持っているものです。

また10万円を超えるような給料を受け取るのは、20代が初めてという人も多いでしょう。

初めて大きなお金を思う存分コントロール出来るとなると、自分の好きなことに使いたくなるのもうなずけますね。

その反面、老後の年金がもらえない可能性を考慮して、コツコツ老後資金を貯めている人も3割以上存在するのが印象的です。

2.2.二人以上の世帯の場合

対して家族を持っている世帯はどうでしょう。

同じく金融広報中央委員会の調査(「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」)によれば、「病気や不時の災害への備え」と並んで最も多いのが「こどもの教育資金」でした。

保有目的(複数回答可) 割合(%)
病気や不時の災害への備え 57.1
こどもの教育資金 57.1
こどもの結婚資金 9.5
住宅の取得または増改築などの資金 23.8
老後の生活資金 33.3
耐久消費財の購入資金 0.0
旅行、レジャーの資金 38.1
納税資金 4.8
遺産として子孫に残す 4.8
とくに目的はないが、金融資産を保有していれば安心 9.5

生まれてくる子供のため、20代のうちから計画的に貯蓄をして、子供を苦労させまいと考えているようです。

次いで多いのが旅行やレジャーと、単身世帯と同じような理由が並びます。

単身世帯と違い、大きく割合を伸ばしているのが、住宅の取得または増改築などの資金です。

つまり、家を建てる資金ですね。

2019年度 フラット35利用者調査」によれば、住宅購入者の年齢層で一番割合が大きいのが30代です。

30代で家を建てるため、20代のうちから貯蓄しておくという傾向が数字から読み取れます。

同じ20代でも、結婚しているかどうかで、家に対する執着心に大きな違いがあるのは、興味深い点です。

特に目的はないという人の割合は、単身世帯の半分近くになっており、より目的を持って貯蓄していることがわかります。

3.お金を貯めたいなら目標を決めよう

ここまで、20代の貯金やその目的について見てきて、「貯金をしなければ・・・」と焦っている人も多いのではないでしょうか。

しかし、貯金は習慣に近いものであり、クセとして身に付くまでは苦労しますし、それまでに諦めてしまうこともあります。

貯金を成功させる第一段階として大切なのが、目的をはっきりさせ、その目的を達成するのに必要な金額を知ることです。

この項では、今まで見てきた資産の保有目的の中でも割合が大きかった

  • 病気や不時の災害への備え
  • 子どもの教育資金
  • 老後の生活資金
  • 住宅の取得または増改築などの資金

について、目標金額はどのくらいに定めるべきなのかを解説していきます。

3.1.病気や不時の災害への備えについて

まずは病気やケガ、災害なのによる損失への備えです。

災害については、我々の想像を絶するものが襲い掛かってくる可能性があることから、明確な目標金額を建てるのが難しいので、病気やケガについてに絞ってみていきましょう。

実は、病気やケガについてはそこまで大きな金額が必要というわけではありません。

というのも、日本では、医療費の3割負担や高額療養費制度など、社会保障が充実しています。

それらの保障によって、意外と医療費を補えてしまうことが多いのです。

参考:医療保険の必要性を保障内容と医療の現実から考える

また、病気やケガが原因で働けなくなった場合については、政府が「傷病手当金」や「障害年金」といった社会保障を用意してくれています。

加えて、就業不能保険のような保険もあるので、備えたい人はそういったものを活用すると良いでしょう。

結果として、病気やケガ、不時の災害への備えについて備える場合は、保障や保険による給付金をカバーできるような金額があれば十分ということになります。

働けなくなった際の社会保障や保険については、以下のリンクをご覧ください。

3.2.子供の教育資金について

文部科学省「子どもの学習費調査(平成30年度)」では、子供の高校までの教育費は、幼稚園から高校まで全て公立でも5,410,082円、全て私立だと18,298,324 円と出ています。

また、大学についても、下記の表が示すように大金が必要になります(私立の金額は平均値です)。

区分 授業料 入学料 施設設備費 合計
国立大学 ¥535,800 ¥282,000 ¥817,800
私立文系 ¥793,513 ¥228,262 ¥150,807 ¥1,172,582
私立理系 ¥1,116,880 ¥255,566 ¥177,241 ¥1,549,688
私立医歯系 ¥2,867,802 ¥1,073,083 ¥862,493 ¥4,803,378

参照元:文部科学省「令和元年度 私立大学等入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について

上記より、幼稚園から大学まですべて国公立でも、総額で400万円近い金額が必要となります。

もし奨学金を活用するとしても、400万程度の金額を貯蓄しておけると、国公立、私立問わず選択肢に入れることができるようになるでしょう。

3.3.老後の生活資金について

続いて老後の生活資金についてです。

今後の政策も視野に入れ、70歳で退職すると考え、90歳までの20年間を年200万円で過ごすと考えた場合、総額で4,000万円ものお金が必要になってきます。

単純に銀行預金のみでこれだけのお金を貯めるのは、甘く見積もっても難しそうですね。

4,000万円とまではいかずとも、なるべく多くのお金を集めるため、まずは今から10年間でいくら貯めるかを目標として定めてみましょう。

例えば10年間で300万円貯金するとなると、1年あたりの貯蓄額が30万円、月に換算すると月額約2.5万円となります。

まずはこの程度の金額から始め、達成出来たら、上昇した収入に合わせて次の10年間の貯蓄額を定める、という形をとっていくと、計画的に貯蓄をすることができるでしょう。

4.4.住宅の取得または増改築などの資金

貯金の目的としてこの項目を選んだ人は、ほとんどが住居の取得が目的でしょう。

2019年度 フラット35利用者調査」によれば、「注文住宅(全国)の所要資金」は3,454円だったとのことです。

地域別でみると、首都圏が3,772円、近畿圏が3,555万円、東海圏が3,522万円、その他の地域が3,276万円となっています。

住宅ローンで大半を賄うにしても、土地契約時の手付金や諸々の費用など、ある程度の現金は自身で用意しなければいけません。

家を建てようと思っている地域やその広さから、どのくらいの金額を用意しなければならないのか、大まかに把握しておくと良いでしょう。

都道府県別の坪単価や家を建てる際にかかる費用などについての詳細は「注文住宅の価格について|予算の相場はどれくらいか」をご覧ください。

4.銀行預金だけに頼らず、資産運用をしてみよう

現在日本はマイナス金利で、銀行にお金を預けていても、金利によって増えることはほとんどありません。

効率よく将来のお金を積み立てたいなら、確定拠出型年金や貯蓄型の生命保険など、積立型の資産運用を活用してみましょう。

4.1.個人型確定拠出年金(iDeCo)

確定拠出型年金(iDeCo)とは国民年金や厚生年金のような公的年金ではなく、私的年金にあたります。

自分が選んだ特定の1つ、または複数の金融商品を専用の口座で運用することで、さまざまなメリットを受け取ることができます。

また、保険の商品には円建て保険のような元本保証型のものと、変額保険や外貨建て保険のような投資要素の強いものがあり、最近では円建て保険より、変額保険や外貨建て保険が人気です。

定期預金や個人年金保険のような「元本保証型」の商品での運用であればリスクは少なく、さらに積立金は所得控除できるため、「節税」をすることができます。

運用する際は加入手数料と月額手数料がかかりますが、楽天証券やSBI証券などは他の金融機関と比べて手数料が安いので、おすすめです。

詳しくは「会社員におすすめ!今最も節税できる個人型確定拠出年金iDeCoの全知識」をご覧ください。

4.2.貯蓄型の生命保険

貯蓄型の生命保険には、終身保険や個人年金保険があります。

終身保険は万一の際に死亡保険金が受け取ることができ、個人年金保険は満期後に年金方式で積立金を受け取ることができるという特徴を持っています。

また、保険の商品には円建て保険のような元本保証型のものと、変額保険や外貨建て保険のような投資要素の強いものがあり、最近では円建て保険より、変額保険や外貨建て保険の方が、利率が高く人気です。

詳しくは以下のリンクをご参照ください。

その他にも様々な資産運用の方法があります。

詳しくは「定期預金は意味ない?|メリットと他の資産運用法の紹介」をご覧ください。

まとめ

20代の貯蓄金額とその目的についてお話ししてきました。

20代の人は単身で57.8%が、2人以上の世帯では84.0%が金融資産を保有していることがわかりました。

しかし、貯金を全くしていない人や、多額の金融資産を持っている人もおり、結局のところほとそれぞれであることがわかります。

その上で、レジャーなどでお金を大きく使うために貯金しつつも、今後起こりうるリスクや、将来の出費に備えていることがわかりました。

貯金の動機はそれぞれですが、目的をもって貯めるのが成功への近道です。

これから貯金をしていこうと考えている人は、目的をしっかり持って、コツコツと積み立てていきましょう。

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