次のようなことでお悩みではありませんか?
・自分にピッタリの医療保険を選んで加入したい
・現在加入中の医療保険の内容で大丈夫か確認したい
・保険料を節約したい
・どんな医療保険に加入すればいいのか分からない
もしも、医療保険についてお悩みのことがあれば、どんなことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。
三大疾病(がん、心疾患、脳血管疾患)は、他の病気と比べて重症化しやすく、治療が長期化することが多いです。
それに備えるための保険として三大疾病保険がありますが、どんなものなのか、加入するべきか、加入するならどれを選べば良いのかが気になることと思います。
そこで今回は、三大疾病保険の必要性と種類について解説します。
保険の教科書 編集部
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目次
三大疾病とは、日本での病気による死亡率で上位を占める「がん」「脳卒中」「心疾患」の総称です。
三大疾病は死亡率が高いだけでなく、治療期間が長期化しやすく、医療費が高額になってしまうことが多いのが特徴です。
厚生労働省が発表している「平成29年の人口動態統計(確定数)の概況」によると、全死因における死亡率の割合は以下のようになっています。
死因 | 死亡総数における割合 |
---|---|
悪性新生物(がん) | 27.9% |
心疾患 | 15.3% |
脳血管疾患(脳卒中) | 8.2% |
老衰 | 7.6% |
肺炎 | 7.2% |
不慮の事故 | 3% |
誤嚥性肺炎 | 2.7% |
腎不全 | 1.9% |
自殺 | 1.5% |
血管性等の認知症 | 1.5% |
「悪性新生物(がん)」「心疾患」「脳血管疾患(脳卒中)」を合計すると、51.4%と、全死因の過半数を占めていることが分かります。
また、単体で他の死因と比べてみても死亡率が高いことが一目瞭然です。
三大疾病は長期化しやすいとも言われていますが実際のところどうなのでしょう。
厚生労働省の「平成29年度 患者調査」によると、三大疾病の平均在院日数は以下のようになっています。
傷病分類 | 平均在院日数 |
---|---|
悪性新生物(がん) | 16.1日 |
心疾患 | 19.3日 |
脳血管疾患(脳卒中) | 78.2日 |
全体 | 29.3日 |
この表を見てみると、際立って入院日数が長いのは「脳血管疾患(脳卒中)」で、平均2ヶ月半にも及んでいます。
対して、「悪性新生物(がん)」や「心疾患」は入院日数が半月~20日程度と、全体の平均と比べても短いことが分かります。
特に、がんの入院日数が意外に短いのです。
事実、がんや心疾患は医療の発展により、通院や在宅で治療する割合が多くなっているため、入院日数が年々短くなっています。
しかし、入院しなくても、治療自体が長期化しやすいので、結果として治療費は高額になりがちです。
このように、三大疾病は死亡率が高く、治療が長期化しやすいものです。しかし、だからといって三大疾病保険が絶対に必要だとは断言できません。
この項では、実際に三大疾病保険が必要かどうかについてお話ししていきます。
まずお伝えしなければならないのは、日本では高額療養費制度によって医療費の自己負担額が重くなりすぎないようになっているということです。
高額療養費制度とは、医療費の月当たりの自己負担額が一定額を超えた場合、その金額分を負担しなくて良いという制度です。
年齢や年収によって自己負担額の上限が変動するのが特徴で、年収が高いほど自己負担額の上限が高くなる傾向があります。
70歳未満の場合は以下のようになります。
所得区分 | 自己負担限度額 | 多数該当 |
①区分ア (標準報酬月額83万円以上の方) (報酬月額81万円以上の方) |
252,600円+(総医療費-842,000円)×1% | 140,100円 |
②区分イ (標準報酬月額53万円~79万円の方) (報酬月額51万5千円以上~81万円未満の方) |
167,400円+(総医療費-558,000円)×1% | 93,000円 |
③区分ウ (標準報酬月額28万円~50万円の方) (報酬月額27万円以上~51万5千円未満の方) |
80,100円+(総医療費-267,000円)×1% | 44,400円 |
④区分エ (標準報酬月額26万円以下の方) (報酬月額27万円未満の方) |
57,600円 | 44,400円 |
⑤区分オ(低所得者) (被保険者が市区町村民税の非課税者等) |
35,400円 | 24,600円 |
所得区分 | 自己負担限度額 | 多数該当 |
①区分ア (標準報酬月額83万円以上の方) (報酬月額81万円以上の方) |
252,600円+(総医療費-842,000円)×1% | 140,100円 |
②区分イ (標準報酬月額53万円~79万円の方) (報酬月額51万5千円以上~81万円未満の方) |
167,400円+(総医療費-558,000円)×1% | 93,000円 |
③区分ウ (標準報酬月額28万円~50万円の方) (報酬月額27万円以上~51万5千円未満の方) |
80,100円+(総医療費-267,000円)×1% | 44,400円 |
④区分エ (標準報酬月額26万円以下の方) (報酬月額27万円未満の方) |
57,600円 | 44,400円 |
⑤区分オ(低所得者) (被保険者が市区町村民税の非課税者等) |
35,400円 | 24,600円 |
たとえば、年収約370万円~770万円で、1月当たりの医療費が100万円かかったとします。
自己負担額は、上限が「80,100円+(医療費-267,000)×1%」なので、この例だと、
となります。
本来なら100万円の3割負担で30万円だった自己負担額が、87,430円に抑えられるのです。
このように、もし三大疾病にかかって高額の治療費が必要になったとしても、高額療養費制度を使うだけで大幅に抑えられることが分かります。
さらに、もし高額療養費制度を年間で3回以上利用した場合、4回目からは「多数回該当」とみなされ、医療費の上限がさらに引き下げられるのです。
高額療養費制度については詳しくは「高額療養費制度とは?医療保険より前に知っておきたい活用のポイント」をご覧ください。
ただし、高額療養費制度はあくまで「1ヶ月あたり」の自己負担額を抑えるものです。治療が長引けば、自己負担額の総額は重い負担になっていきます。
また、医療費以外にも、たとえば入院時に個室を希望した場合にかかる差額ベッド代や、家族の見舞いの交通費、食事代等、様々な費用がかかります。
これらのことからすると、三大疾病の治療が長期化した場合に備えて三大疾病保険に加入するのは有効な方法の一つです。
次に、三大疾病保険にはどのような種類があるのかお伝えします。
一口に三大疾病保険といっても、保障内容や保険金の受け取り条件についてはそれぞれの商品によって違いがあります。
具体的には、以下のようなものがあります。
それぞれ見ていきましょう。
まず、医療保険の三大疾病特約です。
三大疾病特約で多いのは、所定の状態になった場合に「100万円」等の一時金を受け取れるタイプです。
保険金を受け取れる条件は、以前は次のように厳しく設定されているものが主流でした。
しかし、最近では、以下のように、受取の条件を緩和したものが増えてきています。
なお、がん保険の中にも、特約を付けることで三大疾病を保障するものがあります。これは、がんと診断された場合に「100万円」等のまとまった額の一時金を受け取れるタイプのがん保険です。
がん以外にも、特約を付けることで、心疾患・脳血管疾患で所定の状態になった場合にも一時金を受け取れるようにするものです。
次に、生命保険で、三大疾病の場合にも保険金を受け取れるタイプです。
生命保険なので、死亡・高度障害状態になった場合に「死亡保険金」または「高度障害保険金」を受け取れます。それにプラスして、三大疾病で所定の状態になった場合にも、同額の保険金を受け取れます。
保険金を受け取れる条件は、以下のようなものが多いです。
また、掛け捨ての「定期保険」のタイプと、保障期間が終身(一生涯)で解約時に返戻金を受け取れる「終身保険」のタイプがあります。
共通する注意点は、三大疾病になった場合に保険金を受け取れる条件がかなり厳しいことと、保険金を受け取れるのが1回だけということです。
また、保険金を受け取ったらそこで契約自体が終了するため、がんの再発などには対応しきれません。
その他、定期保険タイプ(掛け捨て)と終身保険タイプとでメリットと注意点、向き不向きが異なりますので、以下、お伝えします。
ここで、A社の三大疾病保障付の生命保険について、掛け捨ての「定期保険タイプ」と、積立の機能がある「終身保険タイプ」を比較してみます。
加入者(契約者・被保険者)は以下の条件です。
【定期保険タイプ】
・保険期間:30年
・保険料払込期間:30年(60歳まで、以後自動更新で保険料が上がる)
・月額保険料:1,512円
・払込総額:544,320円
【終身保険タイプ】
・保険期間:終身
・保険料払込期間:30年(60歳まで)
・月額保険料:5,262円
・払込総額:1,894,320円
このように、「定期保険タイプ」は掛け捨ての代わりに保険料が割安になっています。これに対し、積立機能のある「終身保険タイプ」は、60歳までであれば保険料が定期保険タイプの約3.5倍と割高です。
定期保険タイプの場合、60歳までの間であれば、保険料が割安なのがメリットです。
ただし、保険期間が満了すれば、自動更新され、保険料が上がります。参考までに、60歳男性で新規加入しようとすれば保険料は月10,302円と、元の月1,562円の7倍近くになります。
老後に収入が減少するタイミングで、保険料の負担が大きくなってしまうのです。
したがって、定期タイプは、働きざかりの間、三大疾病になった場合と死亡の場合にまとまった額のお金を準備したいという方に向いていると言えます。
保険の役割がお守りであることを考えると、低いコストで、何かあった時の自分自身や家族の経済的ダメージが最も大きい働きざかりの時期に備えられるのは、それなりのメリットがあると考えられます。
終身保険タイプは「掛け捨て」ではなく、積立の機能があります。
ただし、積立の効率を重視するのであれば、他にも効率の良い保険種類はいろいろあります。また、解約返戻金を受け取ったら保障はそこで終了します。
したがって、終身保険タイプは、保険料を払い終えた後も一生涯の保障が欲しい方に向いていると言えます。
なお、終身保険タイプにはどの程度の積立機能があるのか確認してみましょう。累計払込保険料と解約返戻金の推移は以下の通りです。
早い段階で解約をすると返戻率が低いのですが、払込が終了した後は、解約せずに据え置くことで、返戻率は上がっていきます。
この契約例では70歳になれば返戻率が100%に達しています。ただし、ここで解約すると保障もそこで終わってしまいます。
その時の経済状況にもよりますが、積立の効果よりも、むしろ、保険料を払い終えた後も一生涯、保障を受けられるメリットのために加入することがおすすめです。
三大疾病保険の必要性と種類についてお伝えしてきました。
三大疾病は日本人の死亡率の半分以上を占めています。そのうち脳血管疾患については入院期間が長期化する傾向が大きく、他方でがん、心疾患については通院・在宅での治療が主流になってきています。しかし、いずれにしても、治療が長期化する傾向があります。
治療が長期化した場合、高額療養費制度のおかげで自己負担額に上限があり、負担は大幅に軽減されます。しかし、あくまで1ヶ月単位のものなので、治療が長期化すると経済的な負担が重くなっていきます。
そういう場合に備えて、三大疾病保険は有効な選択肢の一つと言えます。
三大疾病保険の種類は大きく分けて2つ、医療保険等の特約で三大疾病の場合の保障を充実させるパターンと、生命保険で三大疾病の所定の状態になった場合に保険金を受け取ることができるパターンがあります。
医療保険の三大疾病特約は、三大疾病で所定の状態になったら「100万円」などのまとまった額の一時金を受け取れるものです。以前と比べると、対象となる三大疾病の範囲が広くなり、保険金を受け取れる条件が緩和されてきています。
これに対し、生命保険で三大疾病の保障が付いているものは、定期保険タイプと終身保険タイプがあります。
定期保険タイプは、働きざかりの間に三大疾病になってしまうリスクに低コストで備えるのに向いています。
終身保険タイプは、貯蓄の効果はありますが、どちらかと言えば、保険料を働きざかりの間に払い終え、一生涯の保障を受けたい場合に向いています。
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日本では、民間保険に入らなくても、以下のように、かなり手厚い保障を受け取ることができます。
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