地震保険で家財はどのくらい補償される?保険金の算出方法は?

地震保険は国と保険会社が共同で運営している制度であり、保険会社ごとに保険金の算出方法・保険料に違いはありません。

ただし、地震保険で家財に対して支払われる保険金の算出方法は、火災保険等と大きく異なっているため、加入の前にチェックしておきたいところです。

この記事では、地震保険で家財に対して支払われる保険金の算出方法や、保険金を請求する際の注意点についてまとめています。

1.地震保険で補償される「家財」の内容

まず、地震保険で補償の対象となる「家財」とはどういったものか、確認しておきます。

「家財」とは、自宅内にある家具や家電製品・食器・衣類などをさします。自宅内にあり、かつ持ち出せるもの全般と考えると分かりやすいでしょう。

なお、自宅の敷地内に停めてある自転車は、建物の外にあっても家財に含まれます。

これに対し、自動車は家財とはみなされません。

また、1個(1組)あたりの価値が30万円を超える貴金属や宝石・骨董品・美術品・現金・商品券・有価証券等は補償されないので注意してください。

2.保険金はいくら受け取れる?

地震保険では、家財が破損したからと言って、それを買い直すのに足りる額の保険金を受け取れる訳ではありません。

たとえば地震前に買ったばかりの20万円のパソコンが地震によって破損した場合に、20万円の保険金が受け取れるわけではないということです。

決められた算出方法によって家財全体の「損害額の程度」を算出し、その程度により保険金の額が決まります。

この算出方法は次の項で紹介するとして、まず損害額の程度と受け取れる保険金の額の関係がどのようになっているかは、以下表にまとめます。

契約開始が2016年12月までと2017年1月からで異なります。まず、2016年12月以前に開始された契約です。

・2016年12月までに開始された契約

損害の程度

認定基準
(損害額)

支払われる保険金の額

全損 家財全体の時価の80%以上 地震保険保険金額の100%(時価が限度)
半損 家財全体の時価の30%以上80%未満

地震保険保険金額の50%(時価の50%が限度)

一部損 家財全体の時価の10%以上30%未満

地震保険保険金額の5%(時価の5%が限度)

【参照元:東京海上日動火災保険㈱ 公式サイト「商品について | 地震保険」】

2016年12月までの補償内容をみると、半損の場合は受け取れる額が保険金額の50%なのに対し、一部損の場合は保険金額の5%と、10倍もの差があり不公平感がありました。

この差を埋めるため、2017年1月から補償内容が変わりました。

・2017年1月から開始された契約

損害の程度 認定基準

(損害額)

支払われる保険金の額
全損 家財全体の時価の
80%以上
地震保険保険金額の100%(時価が限度)
大半損 家財全体の時価の
60%以上80%未満
地震保険保険金額の60%(時価の60%が限度)
小半損 家財全体の時価の
30%以上60%未満
地震保険保険金額の30%(時価の30%が限度)
一部損 家財全体の時価の
10%以上30%未満
地震保険保険金額の5%(時価の5%が限度)

【参照元:東京海上日動公式サイト「商品について | 地震保険」】

ご覧のとおり、損害の程度によって受け取れる保険金の額が決まります。

たとえば2017年以降に開始された契約で、家財の損害額が「大半損」と認定された場合は、地震保険の保険金額の60%(時価が限度)支払われることになります。

なお保険金額とは契約時に決める金額で、支払われる保険金の限度額のことです。

たとえば保険金額(支払限度額)を1,000万円と設定していた場合、家財全体に対して支払われる保険金の総額は、1,000万円×60%=600万円となります。

上記表に記載している「時価」とは、補償対象の家財の購入価格から、経年劣化によって下がった価値の分を差し引いた金額をさします。

保険会社は専用の計算式によって、家財の時価を導き出します。

ただし実際には、地震保険の支払い時に時価がみられることはほぼなく、表にあるとおり「地震保険保険金額の●%」の金額が支払われるようです。

2-1.地震保険の保険金額(支払限度額)はどう決まる?

地震保険は火災保険とセットで加入することになります。

そして地震保険の家財に対する保険金額(支払限度額)は火災保険の30%~50%で、なおかつ同一敷地内ごとに1,000万円が上限です。

そのため火災保険の保険金額が1,000万円であれば、地震保険で設定できる家財用の保険金額は300万円~500万円となります。

つまり火災保険より、地震保険で支払われる保険金は少なくなるということです。

たとえば火災保険なら家財の補償として500万円受け取れる場合でも、地震保険だと最大で250万円までの補償となります。

一般に火災保険では、火災などにより生じた損害を補償するのに十分な保険金額を設定します。

地震保険は火災保険より支払われる保険金が少ないということは、地震保険では損害を補償するのに十分な保険金が確保されるわけではないということです。500万円であれば家財を復旧できるかもしれませんが、その半額では難しいでしょう。

そうなっている理由は、地震で発生する損害は広範囲で請求も膨大になるためです。復旧のために十分な補償をするより、当面の生活を保障する、というのが地震保険のコンセプトなのです。

2-2.地震保険で損害額の査定基準ごとの算出方法が使われている理由

火災や風災などで損害が生じた場合、火災保険であれば損害鑑定人が現地へ派遣され、現場検証を行ったうえで詳細な保険金額を決定します。

一方の地震保険では、被害が広域に及び、非常に多くの人がほぼ同時に保険金の請求を行うことが想定されます。火災保険と同様に1件1件の現場検証を行っていたら、保険金の支払いを早急に行うことができません。

地震保険の査定基準がシンプルに4つだけとされているのは、このように大量の請求が行われると想定される地震発生時において、速やかに地震保険金を支払うことが重視されているためです。

3.保険金(損害額の程度)の算出方法

地震保険において家財に関する損害額の程度は、家財1つ1つをみて「○%ぐらい壊れているな」と判断して決めるわけではありません。

以下の表にまとめた分類を使って、算出します。

分類 代表品目 構成割合
食器陶器類 食器・陶器置物・食料品・調理器具他 5%
電気器具類 電子レンジ・パソコン・テレビ・冷蔵庫他 20%
家具類 食器棚・サイドボード・たんす・机・椅子他 10%
見回品その他 カメラ・書籍・鞄・靴・レジャー用品他 35%
寝具・衣類 衣類・寝具 30%

(参照元:日本損害保険協会資料『生活用動産損害認定基準表』)

この表をもとに損害の程度は、以下の数式で算出されます。

損傷品目数/存在品目数 × 構成割合

たとえば地震によって、「電気器具類」に該当する品物20個のうち15個が損壊したとしましょう。

この場合、損害額の程度は以下の数式にて求められます。

15(損傷品目数)÷20(存在品目数)×20%(構成割合)=15%

この損害額の計算によって求められたパーセンテージをもとに、「いくら保険金が受け取れる?」の段落で紹介した「損害の程度」の表に基づき保険金が算出されることになります。

たとえば損害額の合計パーセンテージが50%なら、「2017年1月から開始された契約」であれば、損害の程度は「小半損」という扱いになり、「地震保険の保険金額の30%(時価の30%が限度)」が保険金として支払われるわけです。

以下、もう少し複雑な計算例をみてみましょう。

食器陶器類

  • 該当品目30個のうち24個が破損した。
  • 24(損傷品目数)÷30(存在品目数)×5%(構成割合)=15%<A>

電気器具

  • 該当品目20個のうち10個が破損した
  • 10(損傷品目数)÷20(存在品目数)×20%(構成割合)=10%<B>

家具類

  • 該当品目20個のうち16個が破損した
  • 16(損傷品目数)÷20(存在品目数)×10%(構成割合)=8%<C>

見回品その他

  • 該当品目30個のうち18個が破損した
  • 18(損傷品目数)÷30(存在品目数)×35%(構成割合)=21%<D>

寝具・衣類

  • 該当品目40個のうち36個が破損した
  • 36(損傷品目数)÷40(存在品目数)×30%(構成割合)=27%<C>

これが損害の全てであれば、損害額はA+B+C+D+E=81%となり、2017年1月以降の契約なら全損の扱いになります。

結果、支払われる保険金は「地震保険の保険金額の100%(時価が限度)」です。

4.保険金をスムーズに受け取るため証拠写真を残しておく

特に大きな地震に見舞われた際は、モノが散乱した自宅を片付けることから考えるでしょう。

その際、破損したものは次から次へ片付けることになると想定されますが、可能なら破損した家財をスマホなどで写真にとっておきましょう。

証拠となる情報(写真など)がないと、保険金を請求する際に被害状況の説明が難しくなります。

地震保険の受け取りの際に必須ではありませんが、写真があれば、損害の認定をスムーズに進めやすくなります。

5.【注意】地震発生翌日から10日経過後の損害は対象外

地震保険の保険金請求で注意したいのは、地震が発生した翌日から数えて10日以内の補償が対象となっている点です。

仮に11日経過後以降に損害が発生しても、補償の対象とはなりません。

たとえば地震が発生したのが5月1日だったとしましょう。

この場合、翌日の5月2日からカウントして10日後の5月11日までが補償の期間ということになります。

5月12日以降に家財が破損しても、地震保険の補償対象にはなりません。

これは10日経過してしまったら、地震と損害の関連付けが難しくなってしまうためです。

ちなみに最初の地震発生時から72時間以内に余震が発生した場合は、その間に何度余震が発生していたとしても1回の地震とみなされ保険金が算出されます。

たとえば最初の地震で一部損となり、その翌日の余震で全損となった場合は、全損として保険金が支払われるということです。

一方、72時間経過したあとの地震は、別の地震として扱われることになるので、あわせて覚えておきましょう。

たとえば最初の地震で一部損となり、4日間に発生した余震で大半損となった場合には、それぞれで保険金を受け取れるということです。

まとめ

地震保険において家財とは、補償対象の建物のなかにある家具・家電・衣服など、「自宅内にあって持ち出せるもの全般」をさします。

火災保険では損害が発生した場合に、基本的に家財の損害額まるまる補償されるのが一般的ですが、地震保険は火災保険より支払われる保険金が少なくなっています。

また、保険金の算出方法も、火災保険と異なり独自の方法が用意されています。

これは地震保険のコンセプトが、損害をカバーするというより、地震後の当面の生活を支えるためだからです。

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保険の教科書 編集部

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