火災保険の名義変更が必要な場合と手続の方法

火災保険は、住む家があれば必ずと言っていいほど加入するものなので、人生の中でも長期にわたって付き合うことになる保険です。

だからこそ、結婚、離婚や相続といったタイミングで、契約者の名義を変更する機会が発生します。

名義変更を行わないと、物件の所有者が保険金を受け取れないなど、不都合なことが発生します。

そこで今回は、火災保険の名義変更について、変更が必要なケースと、それぞれの手続の方法を紹介します。今後のことを考え、しっかりと把握しておきましょう。

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保険の教科書 編集部

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はじめに|火災保険の名義変更が必要となる場合

火災保険の名義変更が必要になる場合は、大きく分けて以下の2パターンです。

  • 建物や家財の持ち主が変更される場合
  • 契約者の名前が変更される場合

以下、それぞれについて、どのような場合なのかと、手続の方法について、詳しく見ていきましょう。

1.建物や家財の持ち主が変更される場合

1.1.離婚による財産分与で物件の所有者が変更される場合

まず、離婚によって、火災保険がかかっている物件が配偶者に分与される場合です。

この場合、物件の所有者が変更されるので、火災保険の名義も変更しなければなりません。

手続は、保険会社所定の「火災保険契約内容変更届出書」を提出することです。詳しくは国税庁のホームページをご覧ください。

1.2.相続によって建物・家財が引き継がれる場合

次に、相続によって火災保険がかかっている建物や家財を引き継いだ場合です。

火災保険の契約者と、物件の所有者は一致している必要があります。

もし、物件が相続されたにもかかわらず、火災保険の名義が故人のままだと、火災保険の契約は相続人全員に引き継がれることになってしまい、いざ何か起きて保険金が支払われることになった時に、権利関係がややこしくなります。

したがって、物件を相続すると同時に、契約者の変更を行わなければなりません。

相続によって建物の所有者が変更される場合、基本的には、離婚の場合と同じく、「保険会社所定の火災保険契約内容変更届出書」があれば問題ありません。

ただし、以下の場合は注意が必要です。

  • 積立型火災保険の場合
  • 長期契約の途中の場合

それぞれについて説明します。

積立型火災保険の場合

積立型火災保険、つまりお金が積み立てられて満期にまとまった額を受け取れるタイプの場合、名義変更の手続がやや複雑なので、注意が必要です。

どういうことかというと、元の名義人が亡くなった場合、それまでに積み立てられたお金は、相続財産として扱われます。相続財産は、故人の遺言がない限り、原則として、相続人間で法定相続分に応じて分け合うことになります。

そのため、積立型火災保険の名義を、物件を相続した人に変更する場合、積み立てられたお金について、他の相続人の法定相続分まで自分のものにすることになります。

したがって、積立型火災保険について故人の遺言がない場合、火災保険の名義を物件の相続人に引き継がせるか、解約するかを、相続人全員で協議して決めなければなりません。

そして、協議の結果、火災保険の契約を、物件を相続する人に名義変更することになった場合、以下のような書類が必要になります。

  • 保険証券
  • 保険会社所定の火災保険契約内容変更届出書
  • 保険会社所定の解約名義変更申請書
  • 遺産分割協議書
  • 戸籍謄本(被相続人のもの)
  • 戸籍謄本、実印、印鑑証明書など(相続人全員のもの)

このように、積立型火災保険の名義変更を行う場合、一般的な火災保険に比べ、必要書類の数が圧倒的に多くなります。

長期契約の途中の場合

また、普通の火災保険であっても、引き継いだ際に一時金で数年分の保険料を支払っている場合も、同様の問題が発生します。

なぜなら、もし仮に相続時に解約すると、残りの期間の分の額を「解約返戻金」として受け取れるからです。

その場合、相続開始時点での解約返戻金の額が相続財産として扱われ、名義変更の際には、積立型の場合のように協議による相続人の承認と書類の準備が必要です。

1.3.建物・家財の持ち主が変更されるその他の場合

その他にも、新入社員の負担削減のため、期間限定で物件を会社名義で借りていたが、期間が終了して自分名義で契約し直す場合にも、併せて火災保険の名義変更が必要になってきます。

2.契約者の名前が変更される場合

まず挙げられるのは、結婚や養子縁組などで苗字が変わった場合等、契約者の名前が変更された場合です。

この場合、名字が変わるだけで物件の所有者は全く同じ人ですので、火災保険の名義変更の手続は、以下の必要書類の提出のみで完了します。

  • 保険会社所定の火災保険契約内容変更届出書
  • 保険会社所定の名義変更請求書
  • 旧姓名・新姓名が記載されている公的証明書のコピー

まとめ

火災保険の名義変更を行うケースは、大きく分けて、物件の所有者が変更される場合と、契約者の名前が変更される場合です。

特に、物件の所有者が変更される場合は、きちんと手続をしないと、いざ保険金を受け取ることになった場合に、トラブルになる危険性があります。

また、相続に伴って、積立型火災保険や、長期契約で解約返戻金がある火災保険の名義変更を行う場合は、火災保険を引き継ぐことについて、他の相続人との遺産分割協議で決めておく必要があります。

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