火災保険で竜巻の被害はどこまで補償されるか?

火災保険は、竜巻で住宅に損害が生じた場合に補償を受けられます。

竜巻の被害は時に甚大になります。たとえば、2013年9月に埼玉県さいたま市などで発生した竜巻により、「負傷者76名、全壊32棟、半壊215棟」という被害が出ています。

気象庁の公式サイト(「『竜巻』による災害」)によれば、日本では年平均25個の竜巻が発生しているということです。数は少ないですが、運悪く巻き込まれてしまった時に、火災保険の補償が役に立ちます。

そこで、この記事では、竜巻によって自宅が被害を受けた際に、火災保険でどのような補償が受けられるかや、どのように保険金を請求すればよいかなどをまとめています。

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保険の教科書 編集部

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1.竜巻による被害は火災保険で補償してもらえる

火災保険と聞くと一見火災専門の保険のように見えるかもしれません。しかし、実のところさまざまな事故・災害による住宅の損害を補償してくれる総合的な保険です。

火災保険の補償範囲については最後の項でくわしく解説しますが、補償の1つとして竜巻をはじめとした「風災」による被害にも対応しています。

そのため、ご自身の火災保険の契約で、風災の補償をつけてさえいれば竜巻による住宅の損害を補償してもらうことができます。

2.建物と家財の両方に対する補償をカバー

火災保険は、住宅の「建物」だけが補償の対象ではありません。

家具・家電製品・衣類などの「家財」も補償の対象としています。

持ち家の場合は基本的に「建物」と「家財」の両方を対象に火災保険を契約します。また、借家の場合は「家財」を対象とします。

家財とは「家から持ち出せるもの」全般を指し、具体的な例は以下のとおりです。

  • 生活に使う家具や家電製品
  • 食器・調理器具
  • 文具品
  • 洗面道具
  • 食料品
  • 寝具
  • 書籍・CD・DVD・ゴルフ用品・トレーニング器具などの趣味・レジャー用品
  • 仏壇やひな人形など
  • 30万円以下の貴金属・美術品
  • 駐輪場に停めてある自転車

なお、30万円を超えるような高額な貴金属・美術品などは「家から持ち出せる」ものであっても、「明記物件」として家財に対する保険とは別に保険金額を設定する必要があります。

ちなみに、30万円を超えるものであっても、テレビや冷蔵庫などの家電・家具は家財として補償されるのでご安心ください。

3.補償を受けられるのはどんな場合か

火災保険で風災の補償を受けられるのは以下のようなケースです。

  • 竜巻による強風で屋根瓦が破損した
  • 竜巻で飛ばされてきたものが家に衝突して壁が破損した
  • 竜巻で窓ガラスが割れ、家に風雨が入り込み家電製品が故障した

このような場合に、火災保険で風災の補償を受けられます。

ただし、以下のような場合には、風災の補償を受けられません。

  • 屋根瓦がはがれそうになっていて修理が必要なのを放置していた。竜巻が発生してその屋根瓦が飛ばされ隣家に激突し、壁に傷をつけてしまった。修理しておけば竜巻で瓦が飛ばされることはなかった。

なぜなら、この場合は竜巻のせいではなく、自分の責任だからです。損害賠償責任が発生します。

その際に、賠償金等の費用を補償してくれるのが「個人賠償責任保険」です。

個人賠償責任保険とは、日常生活で意図せず他人に損害を与えてしまった場合に幅広く補償する保険で、一般的には火災保険とセットされていることが多いです。

その他にも、自転車で走っていて歩行者にぶつかり負傷させてしまった場合、買い物中にバックを商品の花瓶にぶつけて割ってしまった場合なども補償されます。

個人賠償責任保険の詳細については「火災保険に付けられる個人賠償責任保険とは何か?」にまとめてありますので、興味があればあわせてご覧ください。

4.支払われる保険金の額はどのくらい?

それでは、どのくらいの保険金を受け取れるのでしょうか。ポイントは以下の2つです。

  • 新価と時価(保険金の算出方法)
  • 免責金額(自己負担額)

4-1.新価と時価(保険金の算出方法)

火災保険で支払われる保険金の算出方法には新価と時価の2種類があり、契約時に選べることになっています。

現在火災保険を契約する際は、特に何もしなければ最初から「新価」が選択されていることがほとんどです。

「新価」は、被害を受けた建物を建て直したり、破損した家財を買い直したりするのに必要な金額を言います。保険金の算出方法として新価を選んでおけば、竜巻などにより発生した損害を補うのに必要な金額を保険金として確保できるということです。

これに対し、「時価」とは、「新価」から経年劣化等により価値が下がった分を差し引いて金額を算出する方法です。

たとえば、2,000万円の価値がある建物が10年経過して、経年劣化などで価値が300万円分減った状態で、竜巻の被害に遭って全壊したとします。

「新価」が選択されていればもともとの建物の金額2,000万円を保険金として受け取れるため、保険金だけで同じ価値の建物を再建することができる可能性が高いです。

ところが、時価では受け取れる保険金は「2,000万円-300万円=1,700万円」となり、もともと2,000万円だった価値と同等の建物を再建できません。

竜巻など災害被害を受け、ただでさえいろいろ負担の多いときに、保険金が足りずに別途お金を工面しなくてはいけなくなるのです。

「時価」を選択すれば火災保険の保険料はある程度安くなります。しかし、いざというときに保険金が足りないと火災保険の意味が半減してしまうので、現在では選ばれることはありませんし、おすすめもできません。

ただし、古い火災保険の契約の場合、「時価」が選択されていることもあるようなので、不安であれば保険証券を見直してみましょう。その上で、もし「時価」が選択されていれば、新価に変更することが推奨されます。

4-2.免責金額(自己負担額)

火災保険では「免責金額」と呼ばれる自己負担額が設定されていることがあります。

たとえば、免責金額が5万円と設定されていれば、損害額のうち5万円分は自己負担になり、保険金を受け取れないということです。

上で紹介した、2,000万円の建物が全壊した例にあてはめると(算出方法は「新価」)、免責金額が5万円であれば、受け取れる保険金は

2,000万円-5万円=1,995万円

となります。

これに対し、竜巻により窓ガラスが割れ、修理するのに3万円の修理費用が必要になった場合、免責金額は5万円で、修理費用3万円より多いので、保険金が支払われません。

免責金額を設定すると保険料が安くなりますが、このように保険金が受け取れなくなってしまうこともあるので注意して下さい。

4-2-1.損害が20万円未満は保険金が支払われない、というタイプも

古い火災保険の契約では、「損害額が20万円未満の場合は保険金を支払わない」という契約内容になっている場合もあります。

この場合、たとえば損害額が3万円だった場合は保険金を受け取れません。

しかし、損害額が21万円の場合、21万円満額を受け取れます。「免責金額」の場合と異なり自己負担額はないからです。

5.保険金を請求する方法

それでは、竜巻によって自宅に被害が出た際に、どのように保険金を請求すればよいのでしょうか。

ここでは、保険金を請求する大まかな手順を、簡単に紹介します。

5-1.損害があったことを保険会社へ連絡

まず、竜巻によって自宅に損害が生じたことを、保険会社へ連絡します。保険会社から、主に以下のような内容を聞かれます。

  • 契約者名
  • 保険証券番号
  • 損害が発生した日時・状況など、分かる範囲の事実

その上で、保険会社から保険金の請求に必要な書類の案内があります。もし、この段階で分からないことがあれば、質問して疑問を解消しておくとよいでしょう。

5-2.保険金の請求に必要な書類の提出

保険会社の指示に従い、書類を用意して提出します。

提出すべき書類の内容は保険会社により若干異なる可能性もありますが、だいたい必要とされる書類は以下のとおりです。

  • 保険金請求書:保険会社が用意する書類に記入
  • 罹災証明書:罹災した事実や被害の内容を証明する書類。管轄の消防署・消防出張所で発行してもらえる
  • 写真:被害の状況を撮影したもの(スマホ等で撮影した画像データも可)
  • 修理見積書(報告書):修理業者から取り寄せたもの

<罹災証明書イメージ>

5-3.保険会社による現地調査

保険会社から専門の調査員が現地へ派遣され、申請内容が妥当であるか調べるため調査が行われます。

調査員はその結果をまとめて保険会社へ提出します。

5-4.保険会社による審査

調査員から受け取った報告の内容をもとに、保険金を支払うかどうかの審査が実施されます。

この審査で認められれば、保険金が支払われます。

5-5.保険金の支払い

審査後、保険金が支払われます。

なお、竜巻で自宅が損壊した場合などは、保険金を受け取ったあとに修理をするとよいでしょう。

申請した通りの保険金が、そのまま支払われるとは限らないからです。

審査の内容によっては、まったく支払われないか保険金が減額される場合もあります。

仮に思ったような保険金が支払われなかった場合、修理費用などを自分で負担しなければならなくなり、あとから困ることになります。

6.【参考】実は広い火災保険の補償範囲

火災保険では、火災だけでなく竜巻による風災被害も補償範囲に含めていることはすでに述べたとおりです。

あまり知られていないかもしれませんが、実のところ火災保険はさまざまな事故・災害に対応した総合的な保険といえます。

前述した個人賠償責任保険なども付帯され、さらに補償の範囲が広くなります。

最近では、火災保険のことを「住まいの保険」という名称で売り出している保険会社が多いのもそのためです。

たしかに住宅に対して想定しえる事故・災害を網羅的に補償しているという意味では、「住まいの保険」といった方が実際の補償内容が理解されやすいかもしれません。

火災保険が補償する範囲は、以下のとおりです。

契約によっては、このなかから特定の補償を外して保険料を安くしている場合もあります。

火災 失火・もらい火によって生じた損害に対する補償

例:火災で家が焼けてしまった、など

落雷 落雷による損害の補償

例:
家の近くに雷が落ちて家電製品が故障した
屋根の一部が破損した

破裂・爆発 破裂・爆発による損害の補償

例:ガス漏れで爆発し住宅に損害が生じた

風災・雹災(ひょうさい)

雪災(せつさい)

風・雹・雪による損害に対する補償

例:台風による強風で窓ガラスが割れた

水濡れ 漏水をはじめとした水漏れによる損害に対する補償

例:
賃貸住宅で上の階から水漏れし、壁紙がはがれた

水災 台風・集中豪雨など水が原因の損害に対する補償

例:
台風で近くの川が氾濫し、床上浸水をおこし、床がダメになった。

盗難 盗難被害に対する補償

例:
家に泥棒が入り、現金や家電製品などが盗まれた
泥棒が入った際に、自宅の窓ガラスをわった

騒擾(そうじょう)・集団行為などにともなう暴力行為 騒擾・集団行為を原因とした暴力や破壊行為による損害を補償

例:デモによる暴動で家が壊された

建物外部からの物体の落下・飛来・衝突 何がしかの物体が、建物の外からぶつかってきたときの損害を補償

例:家に自動車が突っ込んできた

破損等 不測かつ突発的な事故による損害を補償

例:
重い家具を室内ではこんでいるときに、あやまって壁にぶつけて穴をあけてしまった。

このように火災保険では、さまざまなシーンで補償されるので覚えておきたいものです。

ただし、契約によっては、個別に補償をつけたり外したりしている場合もあります。現在の契約の補償内容が分からない場合は、保険証券などでご確認ください。

まとめ

火災保険は火災以外にも、竜巻を含め住宅の建物や家財に損害をもたらす可能性があるさまざまな災害・事故を補償範囲としてカバーしています。

仮に竜巻など「風災」による被害が生じた場合、一般的にはあらかじめ契約で決められた保険金額を上限として、損害を補償するのに必要と考えられる金額が保険金として支払われます。

なお「風災」の補償をつけているかは否かは保険契約によって異なるため、不安があればご自身の契約を見直してみるとよいでしょう。

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