公共工事を受注し、行う時は、『履行保証保険』に加入することが多いでしょう。ただ、どんな保険なのか、名前からはなかなかイメージしにくいのではないでしょうか。
履行保証保険とは、公共工事を受注した業者のための保険で、工事をきちんと履行できなかった場合に、注文者(国・地方公共団体)に発生する損害を代わりにカバーしてもらえる保険です。
公共工事は、期日までに履行しなかった際に国民・住民に迷惑がかかります。
たとえば、水道等のライフラインや、堤防等の防災のための施設の工事の工期が遅れた場合を思い浮かべてください。最悪の場合、市民生活の安全が脅かされます。
したがって、このリスクを代替してくれる履行保証保険は、とても重要な存在なのです。
この記事では、履行保証保険の補償内容と加入上の注意点について、ポイントを押さえて分かりやすく説明します。
公共工事に関わる可能性がある人は、必要な知識ですので、是非、最後までお読みになってお役立てください。
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2級ファイナンシャルプランナー技能士。親子二代で生命保険業界に関わり、多くのお客様のプランニングをさせていただいております。
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長所:いつも明るくご縁を大切に感謝すること
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1.履行保証保険とは
履行保証保険の契約者になるのは、官公庁等から公共工事を受注した業者です。
請負業者は、自身に落度があって公共工事を期日までに完成できなかった場合、注文者に対し、以下の2つのうちどちらかをしなければなりません。
これらの言葉は小難しくて聞き慣れないと思いますが、簡単に言えば、「金銭的保証」は工事を完成させる代わりにお金を支払うという意味で、「役務的保証」は代わりに他の業者に工事を完成させるという意味です。
このうち、履行保証保険の出番は、「金銭的保証」です。
履行保証保険に加入していれば、契約保証金を支払わなければいけない状況が生じた際に、請負業者に代わって保険会社が保証金を支払ってくれるのです。
なお、履行保証保険の対象となる「被保険者」は注文者です。なぜなら、注文者の損害を担保する保険だからです。
2.履行ボンドと履行保証保険の違い
履行保証保険と似たものに、「履行ボンド」というのがあります。この2つは微妙に違うものですので、違いを簡単に説明します。
「履行ボンド」は、請負業者が工事を履行しなかった場合に、保険会社が「金銭保証」か「役務保証」のどちらかを履行してくれる制度です。
履行ボンドと履行保証保険の大きな違いは、履行保証保険は「金銭的保証」だけですが、履行ボンドなら「金銭的保証」と「役務的保証」の両方に対応できるということです。
発注者が「役務的保証」を希望した場合でも、履行ボンドなら、保険会社が代替業者を見つけて工事を履行させるということです。
どちらを選ぶか指定するのは、通常は注文者です。したがって、請負業者は注文者にどちらを選ぶか意向を聞く必要があります。
3.保険金の支払いの方法は2種類
履行保証保険の保険金の支払い方法は、以下の2通りに分かれています。
- 予め決められた額を支払う方式(実額てん補契約)
- 実際の損害額を支払う方式(実損てん補契約)
3.1.一般的なのは「実額てん補契約」
この2つの方法のどちらを選ぶかは注文者にかかっていますが、一般的なのは、決まった額が保険金額として支払われる「実額てん補契約」です。なぜなら、この方法は面倒な計算をする必要がなく、単純明快だからです。
3.2.「実損てん補契約」
もう1つの方法の「実損てん補契約」についても一応説明しておきましょう。
これは、実際の損害額が保険金額として支払われるものです。
たとえば、5,000万円の工事が2,000万円分まで終わった状態で不履行になった場合を考えてみてください。この場合、契約上は残りの部分の代金は3,000万円です。
もしも注文者が別の業者に残りの工事を行わせて代金が3,500万円だった場合、注文者は500万円多く代金を支払うハメになったということです。これが「実際の損害額」です。
4.加入の際に記載しなければならない項目
履行保証保険に加入するためには、工事に関する契約内容に関する以下の情報を伝える必要があります。
- 工事件名(契約書に書かれているもの)
- 工事現場の住所(契約書に書かれているもの)
- 請負金額(消費税含む)
- 発注者の名前(契約者に書かれているもの)
- 発注者の住所(契約者に書かれているもの)
- 請負者の名前(契約者に書かれているもの)
- 請負者の住所(契約者に書かれているもの)
- 契約締結日
- 予定工期
また、新規で加入する場合には、引受の限度額を決めなければなりません。したがって、そのために、次の書類の提出が求められることがあります。
- 決算書の写し(直近の3期分)
- 経審結果通知書(直近の3期分)
- 工事経歴書
- 現在契約中の損害保険証券等のコピー
- 会社概要等、会社に関する資料
まとめ
公共工事は計画通りに完成させることが理想的ですが、実際には望んだ通りの形で工事が行われない可能性もあります。
そうなってしまった場合の負担をおぎなってくれる履行保証保険は、重大なリスクに対応する大事な選択肢です。
公共工事に関わることになった場合には、請負業者も注文者も、不履行による損失への対策について真剣に考える必要が出てきます。
その時に備えて、履行保証保険について理解を深めておきましょう。
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