利益保険とは?業務がストップし収益がなくなるリスクへの備え

公開 2017年6月21日更新 2022年4月28日
利益保険とは?業務がストップし収益がなくなるリスクへの備え
利益保険とは?業務がストップし収益がなくなるリスクへの備え

企業活動を行っていると、思いがけない理由によって事業活動が長い間ストップしたり大幅に妨げられたりする場合があります。

もしもあなたの会社がこうした状況に見舞われた場合、大きな損失をこうむってしまいます。これはどの企業も抱えているリスクです。

こうしたリスクに備えるための方法として『利益保険』があります。利益保険は、災害や事故などにより企業活動ができなくなった場合の売上ダウン分(逸失利益)や、活動を立て直すまでにかかった余分な費用の全額または一部をカバーしてくれる保険です。

利益保険に加入していると、一定の理由で企業活動ができなくなってしまった際に、それによる損失をカバーしてもらえます。

この記事では、利益保険の具体的な内容を分かりやすくお伝えします。

利益保険をお考えならば、ぜひ、この記事を最後までお読みください。

1.利益保険とは?

利益保険とは、どのような保険なのでしょうか。まずはその特徴を具体的に紹介します。

1-1.失われた利益と損失の両方をカバーしてもらえる

たとえば、火事や落雷によってあなたの会社の建物が使用できなくなくなったり、工場の生産がストップしたり、急なアクシデントで企業活動が阻害されてしまう場合があります。

そういう場合でも、従業員の人件費や税金等の多くの経費がかかり続けます。

このような支出は企業にとって大きな負担となり、経営を立て直す上で大きな障害となってしまいます。

利益保険はこういう場合、『本来なら得られるはずだったのに失われた利益』と『通常より多く支払うことになった経費』のすべて、または一部をカバーしてくれます。

利益保険に加入しておくことで、企業はもしものことがあっても通常に近い状態で資金を確保することができ、活動を立て直すまでにかかる負担をおさえることができるのです。

1.2.あらゆるアクシデントを補償してもらえる

利益保険の補償の対象になる事故は保険会社によって異なりますが、多くは以下のようにあらゆるアクシデントを対象としています。。

  • 火災
  • 自然災害(落雷・風災・雪災・雹(ひょう)災)
  • 爆発、破裂
  • 外から物体が落ちてきたり飛んできたりした場合
  • 建物の給水設備や排水設備の事故による水濡れ
  • 敷地の外のユーティリティ設備(電気・ガス・水道・熱の供給設備。または電話や電信の中継設備と、それらに接続している配管もしくは配線)の事故。
  • 騒擾(そうじょう。集団での騒ぎ)
  • 盗難
  • 破損

ただし、保険会社によって補償の対象となる事故が微妙に違いますので、利益保険に加入する際には、それぞれの保険会社の条件を比較して、あなたの会社にとって適切だと思えるものを選びましょう。

2.火災保険とはカバー範囲が違う

ここまでお読みになって、あなたはもしかして、「火災保険に加入しているから、火事や災害にあった場合の備えはできている」と考えているかもしれません。ですが、火災保険ですべての損失をおぎなえるわけではありません。

たとえば、建物の再建にかかる費用は火災保険によっておぎなうことができますが、業務ができなくなったせいで減少してしまった利益や、その間に生じた人件費等の経費の負担は、火災保険の補償の対象には含まれません。

そのため、火災や災害等の理由で生じるリスクをできる限り減らすためには、火災保険にプラスして、利益保険への加入を検討することも大切です。

3.利益保険の保険金額を決める要素とは

利益保険の保険金の金額は、おもに『失われた利益(喪失利益)』と『収益の減少を防ぐのにかかった費用(収益減少防止費用』という2つの要素の合計により決まります。

すべての保険会社の利益保険の保険金が同じように決まるわけではありませんが、利益保険について理解するための参考として、この2つの要素について説明します。

3.1.『失われた利益』(喪失利益)の計算方法とは

利益保険がカバーしてくれる補償の中でも、『企業活動ができなくなったために得られなくなった利益』は重要な要素となります。この利益は『喪失利益』とよばれています。

喪失利益の金額は、

減少した売上高 ✕ 約定補償率

です。ただし、ここから、『アクシデントがあったために支出せずに済んだ費用』が差し引かれることがあります。

『減少した売上高』の金額は、その会社の標準的な営業収益や、前年での同じ時期の売上高からみて、活動が阻害されていた期間に得られた売上高を差し引いて決定します。

『約定補償率(約定てん補率)』は、契約時に決められる割合です。

3.2.収益減少防止費用

収益の減少を防いだり和らげたりするためにかかった費用を『収益減少防止費用』とよびます。

ただし、その費用の中に、アクシデントがあってもなくても関係なくかかる費用が含まれていれば差し引かれます。

3.3.保険会社によっては『付保率』をかける

保険会社によっては、保険金の金額は、『付保率』という数字を使って算出する場合もあります。

『付保率』というのは、1年のうち補償が必要になる期間の割合のことです。もしも補償が必要になる期間が1年のうち3ヶ月の場合、付保率は

3ヶ月/12ヶ月=25%

となります。

したがって、たとえば、その企業の1年間の営業収益が10億円で、約定補償率が30%、補償が必要になる期間は3ヶ月、つまり付保率が25%だった場合は、保険金額は、

10億円×30%×25%=7,500万円

となります。

まとめ

企業が長く活動を続けていく中では、予期しない重大な出来事に見まわれてしまうケースも、絶対にないと断言することはできません。

何もない時にはリスクを具体的にイメージすることは難しいかもしれません。ですが、そうした出来事が実際に生じた場合には、損失によってその後の経営に大きな支障をきたしてしまう可能性があります。

さまざまなリスクを考慮して、できる限りの対策をたてる1つの方法として、利益保険の加入を検討することも非常に大切です。

今回お伝えした情報の中でもたびたびふれましたが、『利益保険』とよばれる保険の中でも、対象になるケースや保険金額の算出方法といった条件は違います。

いざという時に後悔しない保険を選ぶためには、それぞれの保険の内容や注意点を把握した上で、しっかりと比較しなければいけません。

もしもの場合に備える重要な選択肢として、利益保険に注目し、真剣に検討することをおすすめします。

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