火災保険で盗難の補償が受けられる条件と請求のポイントまとめ

警視庁がまとめた「犯罪統計資料 平成30年 1~12月分【確定値】」によれば、住宅に対する窃盗事件は2018年の1年間で31,505件です。日本全国で1日あたり約86件もの住宅への窃盗が発生していることになります。決して他人事ではありません。

自宅が盗難の被害に遭った場合、多大な損害が発生する可能性があります。

そんな時、火災保険は盗難被害も補償対象としているので、役に立つことがあります。ただ、どの程度役に立つのか、特に高価な物が被害に遭った場合にどれくらいカバーしてもらえるのか、気になることと思います。

そこで、この記事では、火災保険の盗難に関する補償について、どんな場合に補償を受けられるか、どのような補償を受けられるか、解説しています。

1.火災保険でも「盗難」の補償がある

火災保険は、火災以外の損害も補償しており、「盗難」もまた補償範囲の1つです。

ご自身の火災保険の契約に盗難による補償も含まれていれば、自宅に泥棒が入った際の補償も受けることができます。ただし、盗難の補償は外すこともできます。

もしかしたら、保険料を抑えるために、補償の範囲をせばめている可能性があります。不安であれば、契約時の書類などで契約内容を確認してみるとよいでしょう。

1-1.建物の種類によって補償対象が異なる

火災保険の補償対象は「建物」のほか、建物の中にある「家財」(家具・家電・衣服など)、「商品」「設備・什器」等があります。

どれを補償対象にするかは、建物の種類によって違います。以下、一般の住宅、住宅兼店舗・仕事場、事業用建物について見ていきましょう。

一般の住宅

一般の住宅は、持ち家か賃貸かによって違います。

持ち家であれば「建物」と「家財」を補償対象とします。これに対し、賃貸住宅であれば「家財」のみを補償対象とします。

住宅兼店舗・仕事場

住宅と店舗・仕事場が一緒になっている場合は「家財」に加え「商品」や「設備・什器」を補償対象とする必要があります。

事業用の建物

住宅の機能のない事業用の建物、つまり店舗・工場・事務所・倉庫の場合は、「商品」と「設備・什器」を対象とする必要があります。

以上、建物の種類ごとに何を補償対象とすべきか見てきました。

これに応じて、以下のように、加入すべき火災保険の種類も異なってきます。注意してください。

  • 一般住宅:住宅用火災保険
  • 住宅兼店舗・作業所等(併用住宅):住宅用火災保険または事業用火災保険(店舗総合保険等)
  • 店舗・工場・事務所・倉庫等(事業用の建物):事業用火災保険(事業活動総合保険等)

1-2.【参考】盗難以外の火災保険の補償範囲

火災保険のことを「住まいの保険」と呼ぶ保険会社があることからも分かるとおり、火災保険は火災以外のさまざまな災害を補償範囲に含めています。

主な補償の範囲として以下があげられます。

  • 落雷:落雷による損害の補償
  • 破裂・爆発:ガス漏れの爆発などによる損害の補償
  • 風災・雹災(ひょうさい)・雪災(せつさい):風・雹・大雪による損害に対する補償
  • 水濡れ:漏水など水漏れによる損害に対する補償
  • 水災:台風・集中豪雨など水が原因の損害に対する補償など

これらによって自宅の建物や家財が損傷した場合、修理したり買い直したりするための「損害保険金」を受け取ることができます。また、特約を付ければ、それ以外の費用を賄う「費用保険金」を受け取ることができます。

費用保険金とは、損害を補うのに別途必要となる費用のことです。

たとえば、火災で自宅が燃えてしまった場合に、建て直すまでの仮住まいにかかる費用をまかなう「臨時費用保険金」等があります。盗難の場合にどんな費用保険金が有効かは後ほど改めてお伝えします。

2.火災保険で「盗難」の補償を受けられる例

火災保険の「盗難」の補償を受けられるのは以下の場合です。

  • 泥棒に入られ家電製品を盗まれた
  • 空き巣に現金を盗まれた
  • 泥棒に窓ガラスを割られてしまった
  • 空き巣にドアの鍵が壊されてしまった
  • 駐輪場にとめてある自転車を盗まれてしまった

このように、泥棒によってモノが盗まれたり壊されたりしてしまったときに、補償を受けられるのです。

3.どのような補償を受けられるか

では、どのような補償を受けられるのでしょうか。

3-1.損害保険金

まず、モノが盗まれたり壊されたりした際に、そのモノを買い直したり修理したりするのに使われる「損害保険金」を受け取れます。

また、窓ガラスが壊された、ドアの鍵が壊されたといった場合には、修繕するための費用も損害保険金の補償対象です。

3-2.費用保険金

モノの修理や買い直し以外に出費が必要な費用をまかなうための「費用保険金」があります。

盗難被害に遭った場合に特に有効なのが、「残存物片付け費用特約」と「再発防止等費用特約」です。

残存物片付け費用特約は、泥棒に入られ家具が壊され片付けが必要になった際の片付け費用をまかなってくれるものです。

再発防止等費用特約は、盗難被害の再発防止のため防犯カメラを設置した場合等にその費用等をまかなうものです。

3-1.「損害保険金」の計算方法

損害保険金は、あらかじめ決められた額を上限として、以下の計算式で求めることができます。

損害額-自己負担額=損害保険金

まず損害額とは被害額のことで、「新価(再調達価格)」と「時価」の2通りの計算方法があります。

「新価」とは、被害に遭った物と同じ物を新品で購入するのにかかる費用のことで、経年劣化による減額はありません。たいてい被害額はこの新価で計算されます。

これに対し「時価」とは保険を支払う時点でそのモノの価値を示す金額で、改めて同じものを購入するのにかかる費用から、経年劣化により落ちた品質の分の金額が差し引かれます。

そのため時価による計算では、保険金を受け取っても、被害に遭った物と同じ品質の代替品を購入できません。被害をきちんとカバーしたいのならば新価を選ぶことをおすすめします。

次に自己負担額(免責額)とは、その名の通り損害額のうち自分が一部負担する金額のことです。

自己負担額を設定しないことも可能ですが、より高い額で設定した方が保険料は安くなります。

たとえば損害額が30万円で自己負担額が5万円だったとすると、支払われる損害保険金の額は

30万円-5万円=25万円

です。

4.盗難に遭った際の保険金請求の方法

盗難に遭って火災保険の補償を受けたい場合は、どうすればよいでしょうか。

警察に盗難届を提出すると、それを証明する「受理番号」が発行されます。その受理番号を、保険金の請求のための必要書類に記載して、保険会社へ提出します。

また、同時に、何が壊され何が盗まれたのかなど具体的な被害の内容を伝える必要があります。

4-1.【参考】スムーズに盗難の補償を受けるためのポイント

たとえば、空き巣が侵入する時に壊されたドアの鍵を修理したいので保険金を受け取りたいという場合、その事実を証明するのは簡単です。なぜなら破損した実物があるからです。

一方、パソコンが盗まれたなど、家財が盗難に遭ったことの証明は意外と難しいです。なぜなら、

  • 盗難発生当時その家財が建物の中に存在したこと
  • その家財が盗まれたこと

この2つを両方証明しなければならないからです。

特に重要なのが、「盗難発生当時その家財が建物の中に存在したこと」です。これを証明するためには何をすればいいのかについて、損害保険会社の調査業務担当者だった方から聞いたことをまとめてみます。

たとえば、高価な宝石やブランド物のバッグ、電気機器等については、それを購入した際のクレジットカードの記録や領収書、保証書・証明書が有力な証拠になります。ふだんからとっておく必要があります。

もしそれらを保管していなかったとしても、高額な品物であれば購入店に記録が残っていることもあるので問い合わせて取り寄せます。腕時計や家電ならば修理に出した時の記録等も有力な証拠になります。

もしそういった記録もないならば、その被害品が写っている室内の写真や、身に付けたり使ったりしている様子を撮影した写真や、格納していた箱や袋等があれば、有力な証拠になります。

そういったものすらないというのであれば、最後の手段として、イラストを描いてみて、そのような品が実際にあるか調べてもらう方法もあるそうです。

5.その他の注意点

その他にも、火災保険において「盗難」に関する補償を受けようとする際には、注意すべきポイントがあります。

最後に、そのポイントを4つ紹介します。

5-1.現金・預金通帳、貴金属等の貴重品は補償額に上限がある

現金や貴重品についても盗難の補償対象となりますが、支払われる保険金には上限があるので注意しましょう。

たとえばA損保の火災保険では、以下の通り補償額に上限が定められています。

  • 現金:20万円
  • 預金通帳を盗まれお金を引き出された場合の損害:200万円
  • 貴金属類:1個あたり30万円

また、一定額を超える美術品・貴金属等は、契約時に予め申告しないと補償の対象にならないこともあるので注意しましょう。

高価な財産がある場合、必ずこういった補償の条件を確認するようにして下さい。

5-2.自転車・原付自転車は敷地内に入っている場合のみ補償

火災保険では、自宅へ泥棒に入られて自転車や原付自転車を盗まれた場合にも補償を受けることができます。

ただし、それらが自宅の敷地内に停めてあった場合に限られており、敷地の外で保管していた場合や外出先で盗まれた場合は補償の対象外となるので注意しましょう。

5-3.自動車が盗まれても火災保険では補償されない

自動車は自転車・原付自転車と異なり、たとえ敷地内に停車してあっても盗難の補償の対象とはなりません。

自動車は、自動車保険の補償対象となるためです。

5-4.商品や業務用の設備などは補償の対象外となることも

自宅で店を営んでいる場合等、自宅に商品や設備・什器を保管しているようなことがあるでしょう。

それらが盗難被害に遭うリスクに備えたいならば、自宅に保管した商品や業務設備・什器まで補償の対象とする必要があります。あるいは、店舗総合保険等の事業用の火災保険をおすすめします。

まとめ

契約している火災保険で、補償範囲に「盗難」を含めていれば、盗難による損害を補償してもらうことが可能です。

火災保険では、盗まれた物を買い直すのにかかる額のほか、泥棒によって壊された窓ガラスやドアの鍵等の修理費用や、それ以外のも補償されます。

ただし、現金・預金通帳・貴金属等は補償が一定額にとどまったり、一定額をこえる美術品・貴金属などは契約時にあらかじめ申告する必要があったりといった注意点もあるので気を付けてください。

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保険の教科書 編集部

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