介護施設の事故|4つのリスクに備えるために必要な補償

介護施設の現場では、利用者の転倒、誤飲、入所者同士のトラブルなど、様々なリスクが潜んでいます。

あなたも介護中にヒヤリとした経験や、ハッとした経験があるのではないでしょうか。

事の次第によっては、命に関わることもありますから、起こさない努力と起きてしまった場合の備えが大切です。

今日は、介護現場で起きている事故のパターンをご紹介した上で、実際に事故が起きてしまった場合にどう備えたら良いのか、特に、どんな保険に加入したら良いのかをご案内していきます。

どうぞ最後までお読みください。

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保険の教科書編集部

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私たちは、お客様のお金の問題を解決し、将来の安心を確保する方法を追求する集団です。メンバーは公認会計士、税理士、MBA、CFP、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、行政書士等の資格を持っており、いずれも現場を3年以上経験している者のみで運営しています。

はじめに

介護施設での事故は大きく分けて4パターン

介護施設で起きるリスクのある事故を分類すると、以下の4パターンになります。

  1. スタッフのミスによる事故
  2. 施設・設備の管理不行き届きによる事故
  3. 施設で提供した物の欠陥による事故
  4. 利用者等から預かっていた物ものを壊したり紛失したりしてしまう事故

そして、これらの事故は、どれほど対策をしても、100%防ぎきれるとは断言できないものです。

したがって、いざ起きてしまった場合に備えて、保険に加入しておくことをおすすめします。

保険には「単品」と「セット」がある

とは言っても、「◯◯賠償責任保険」と言われる保険はいろいろあります。

また、中には「福祉事業者賠償責任保険」とか、「介護事業者賠償責任保険」とか、さまざまな補償がセットになったものもあります。

「単品」の保険を選ぶにしても、「セット」の保険を選ぶにしても、どの保険を選んで加入すればいいのか、なかなか分からないのではないでしょうか。

ここでは、介護施設での事故の4パターンごとに、起きてしまった場合にどのようなリスクがあるのかと、保険でそのリスクに備えるために必要な補償内容を説明します。

「単品」の保険と「セット」の保険のどちらを選ぶにしても、是非理解していただきたいと思います。

1.スタッフのミスによる事故

まず、スタッフのミスで利用者の方等にケガを負わせてしまうケースです。以下のような事例があります。

  • 入浴サービス提供時に気づかずに熱湯をかけて火傷を負わせてしまった
  • 利用者を車椅子からベッドに移動中バランスを崩して転倒、利用者が骨折してしまった
  • 利用者の衣類を洗濯したところ、漂白剤が強く衣類に残っていたため、利用者の肌に炎症が起きた
  • ケアプランに無理があり症状がかえって悪化した
  • 咀嚼能力が低下している方や、嚥下困難な利用者に、きざみ食やとろみ食などの特別食を提供しなければならないのに、誤って普通食を提供し、誤嚥事故を起こしてしまった

特に、介護現場の事故で約8割を占めているのが転倒、転落事故です。一瞬の目を離した隙に立ち上がって転倒、浴室の床で足を滑らせて転倒など、あらゆる場面で考えられる事故でしょう。

このように、通常業務での不注意によって発生した事故で利用者がケガをした場合にその治療費等を損害賠償しなければならないことがあります。

そのような場合を補償してくれるのは、単品の保険だと「施設賠償責任保険」、セットの保険の中身となっている場合は「業務遂行損害補償」等と呼ばれます。

損害賠償金だけでなく、裁判や示談交渉になった場合の費用や、その他の諸費用までカバーしてもらえます。

詳しくは、『施設賠償責任保険とは?意外に知らない補償内容と必要性』をご覧ください。

2.施設・設備の管理不行き届きによる事故

次に、施設・設備の管理不行き届きのために利用者の方にケガを負わせてしまうケースです。以下のような例が考えられます。

  • 階段の欠陥により利用者が転落しケガをした
  • 看板の留具が腐食していたために看板が落下、通行人がケガをした
  • 施設で火災が発生、非常口の不備で利用者に死傷者が出てしまった

あなたの施設でも、利用者の方や面会に訪れる方等が安心して施設を利用できるよう、ミスを未然に防ぐための様々な対策がされていると思います。

しかし、対策を尽くしたとしても、ミスによる事故は100%防げるわけではありません。

そして、万一事故が起きてしまうと、損害賠償金を支払わなければならないこともあります。

したがって、保険を選ぶ際は、そのような損害賠償リスクに備えた補償が入っていることが必要です。

このような補償は、単品の保険だと「施設賠償責任保険」、セットの中身となっている場合は「施設損害補償」等と呼ばれます。

これらの補償内容については、「1.スタッフのミスによる事故」でも述べた通り、詳しくは『施設賠償責任保険とは?意外に知らない補償内容と必要性』をご覧ください。

3.施設で提供した物の欠陥による事故

次に、施設で提供・販売した物の欠陥が原因で、利用者の方等に障害が生じる場合です。たとえば、以下のようなケースです。

(事例)

  • 施設で提供した食事に細菌が混入していて利用者が食中毒になった
  • 販売した介護用品の欠陥により利用者がケガをした

特に、利用者の方の食事作りを自社で行っている場合には、食中毒のリスクがあります。

また、介護用品は、自社で製作したものでも、他から購入して販売したものでも、利用者の方がそのせいでケガをすれば、その方から損害賠償を請求されるリスクがあります。

そこで、そのリスクに備えるための補償を備えることをおすすめします。

単品の保険であれば「生産物賠償責任保険(PL保険)」、セットの中身であれば「生産物損害補償」などと呼ばれます。

生産物賠償責任保険(PL保険)は、あなたの会社が自社で製造した物、販売・提供した物が原因で事故が起き、損害賠償請求を受けた場合、その損害賠償金等の諸費用を補償してくれます。

詳しくは、『PL保険とは?基本の補償内容と組み方のポイント』をご覧ください。

4.利用者等から預かった物を壊したり紛失したりしてしまう事故

介護施設では、利用者の方の持ち物をお預かりすることが多いので、それらを損壊したり紛失したりする事故が起きやすいのです。たとえば、

  • 預かったメガネを誤って壊してしまった
  • 預かった現金を盗まれてしまった

などの事故です。お客様にしてみれば、施設利用中に他に預かってもらうところがないわけですので、施設側の責任は重大です。

もし物を壊したり紛失したりしてしまうと、損害賠償責任を問われるリスクがあります。

したがって、このようなリスクに備えた補償があると安心です。

単品の保険では「受託者賠償責任保険」、セットの保険の中身になっている場合は「受託財物損害補償」などと言われます。

預かった物を失くしたり、壊したり、汚したりしてしまった場合に、その損害賠償額等の費用を補償してくれます。盗難も補償してくれますから、利用者も安心して預けることが出来るでしょう。

詳しくは『受託者賠償責任保険とは?対象となる会社と補償内容』をご覧ください。

番外|利用者から精神的苦痛による慰謝料を請求されるリスクへの備え

以上、ご紹介してきたのは、介護施設での事故のパターンと、それぞれのリスクに備えるための保険の補償内容のポイントです。

ただし、介護施設の場合、事故以外にも、利用者の方等に精神的苦痛を与えてしまい賠償責任を問われるリスクがあります。補償についてお伝えします。

なぜなら、介護施設ではスタッフと利用者の方との人間関係が濃くなり、時に感情が激しくぶつかり合うことも予想されるからです。

たとえば、利用者の方の名誉、プライバシーを侵害したり、セクハラや差別的扱いをしたりして精神的苦痛を与えてしまうようなことは、介護の現場で実際に起きてしまっています。

そして、ご本人やご家族に損害賠償請求をされてしまうことがあります。

そのような場合に賠償金等の諸費用を補償してくれるのが「人格権侵害補償」等と呼ばれるものです。

この補償は、これまで各賠償責任保険でカバーしてもらえていなかったものです。

保険にすでに加入されている方でも、こちらの補償が付いているか、付いていない場合は追加できないか、確認してみてみることをおすすめします。

まとめ

今日は、介護施設を営む上で起こるリスクのある事故の4パターンと、それに備える保険についてお伝えしました。

介護の現場では、従業員が利用者に対して誤ってケガを負わせたり、私物に損害を与えたりしてしまうことがあります。

もしも集団食中毒などが起きてしまうと、施設の運営にも大きな影響が出るでしょう。

この記事でお伝えした4つのリスクが現実になってしまった時の経済的ダメージは計り知れません。

また、事故以外でも、精神的苦痛を与えてしまい慰謝料を請求されるリスクもあります。

あなた自身の施設に、どのようなリスクがあるのかを考え、それに対応できる補償を準備することをお勧めします。

そうすれば、利用者にとっても職員にとっても、さらに魅力のある施設になるでしょう。

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