火災保険を戸建て住宅にかける場合に知っておくべきポイント

マイボイスコム社が行った「住宅購入および火災保険に関するWebアンケート調査」(2018年12月~2019年1月)によれば、住宅購入経験者(戸建て・マンション)の約9割が火災保険に加入しています。

しかし、ほとんどの方が、戸建て住宅を対象に火災保険に加入した場合、どのような補償を受けられるか、保険料の相場はどのくらいか、あまりイメージがつかないと思います。

この記事では、戸建て住宅で加入する火災保険について、補償内容とプランの組み方、保険料の相場等のポイントをまとめています。

1.火災保険の補償対象は火災だけではない

火災保険と聞くと、火災に特化した保険のようにイメージする方も多いかもしれませんが、実のところ補償範囲は以下の通り幅広いです。

火災 失火・もらい火によって生じた損害に対する補償

例:火災で家が焼けてしまった、など

落雷 落雷による損害の補償

例:
・家の近くに雷が落ちて家電製品が故障した
・屋根の一部が破損した

破裂・爆発 破裂・爆発による損害の補償

例:ガス漏れで爆発し住宅に損害が生じた

風災・雹災(ひょうさい)

雪災(せつさい)

風・雹・雪による損害に対する補償

例:台風による強風で窓ガラスが割れた

水濡れ 漏水をはじめとした水漏れによる損害に対する補償

例:賃貸住宅で上の階から水漏れし、壁紙がはがれた

水災 台風・集中豪雨など水が原因の損害に対する補償

例:台風で近くの川が氾濫し、床上浸水が発生し、床がダメになった

盗難 盗難被害に対する補償

例:
・家に泥棒が入り、現金や家電製品などが盗まれた
・泥棒が入った際に自宅の窓ガラスを割られた

騒擾(そうじょう)・集団行為などにともなう暴力行為 騒擾・集団行為を原因とした暴力や破壊行為による損害を補償

例:デモによる暴動で家が壊された

建物外部からの物体の落下・飛来・衝突 何らかの物体が、建物の外からぶつかってきた時の損害を補償

例:家に自動車が突っ込んできた

破損・汚損 不測かつ突破的な事故による損害を補償

例:重い家具を室内で運んでいる時に誤って壁にぶつけて穴を空けてしまった

このように、火災保険はさまざまな事故・災害による損害を補償対象としています。そのため、保険会社の中には、火災保険を「住まいの保険」と呼んで販売しているところもあります。

確かにその方が、住宅に対するいろいろなリスクに対する保険であることが伝わりやすいと言えます。

1-1.地震保険と個人賠償責任保険もセットにするのがおすすめ

さらに火災保険には、地震に被災した際に補償を受けられる「地震保険」と、第三者に対する損害の賠償を幅広く補償する「個人賠償責任保険」をセットにすることができます。

以下、それぞれの保険の概要について簡単に解説します。

1-1-1.地震保険

地震保険は、地震によって被害を受けた際に、「当面の生活費」を補償してくれる保険です。

地震による火災で家が焼失しても、火災保険だけでは1円も補償を受けられませんので、地震保険に加入しておくことを強くおすすめします。

地震保険は、火災保険とセットでなければ加入できません。また、国と保険会社が共同で運営する保険であり、どの保険会社で加入しても補償内容や保険料は変わりません。

地震保険についてより詳しい内容は、「地震保険は必要!データをもとに本音で語る」で解説しておりますので、興味があればあわせてご覧ください。

1-1-2.個人賠償責任保険

日常生活で他人に対して損害を与えてしまった際の賠償を幅広く補償する保険です。

たとえば、自転車で走行していて歩行者に怪我をさせてしまった場合や、子どもが投げたボールが民家の窓ガラスを割ってしまった場合など、さまざまな損害に対する賠償を補償してくれます。

自動車保険や火災保険とセットで、またはクレジットカードのオプションとして加入する保険ですが、中でも火災保険にセットしての加入がおすすめです。

なぜなら、自動車保険とセットした場合は、対象の自動車を廃車すると個人賠償責任保険の補償も自動的に消滅してしまいます。

また、クレジットカードのオプションとして契約した場合、そのクレジットカードを解約すると、個人賠償責任保険の補償もなくなってしまいます。

一方、火災保険とセットする場合、住む場所がある限り必ず火災保険に加入することになるので、個人賠償責任保険の補償が消滅することはありません。

個人賠償責任保険についてより詳しい内容は、「火災保険につけられる個人賠償責任保険とは何か?」で解説しておりますので、興味があればあわせてご覧ください。

2.何の損害を補償してもらえるか

戸建て住宅で火災保険へ加入するにあたり、補償の対象となるのは建物だけではありません。「家財」もあります。

まず「建物」は、建物本体だけでなく門や塀、車庫、物置等も含みます。

これに対し「家財」とは、「家のなかにあって持ち出せるもの一般」を指し、具体的には以下のような物が含まれます。

  • 生活に使う家具や家電製品
  • 食器・調理器具
  • 文具品
  • 洗面道具
  • 食料品
  • 寝具
  • 書籍・CD・DVD・ゴルフ用品・トレーニング器具などの趣味・レジャー用品
  • 仏壇やひな人形など
  • 30万円未満の貴金属・美術品
  • 自宅の敷地内に停めてある自転車

ただし、30万円を超える高価な貴金属・美術品等は「明記物件」と呼ばれ、補償を付けたい場合は他の家財とは別枠扱いになり、その分、保険料もアップします。

3.どんな保険金をいくら受け取れるか

火災保険で受け取れる保険金は、建物や家財の損害を補償するための「損害保険金」とその他に分類されます。以下、それぞれについて簡単に解説します。

3-1.損害保険金

火災保険の補償のメインとなるのが損害保険金です。

基本的には、建物を建て直したり修理したり、はたまた家財を買い直したりするのに必要な額を受け取れますが、条件によってはそれより額が少なくなることもあります。

損害保険金の額を決めるポイントは以下の3つです。

●評価額

建物・家財それぞれの価値を表す金額です。

建物

まず、建物は、原則として建築にかかる費用が評価額になりますが、はっきり分からない場合は、専用の計算式によって求めます。

計算式の詳細については「火災保険の建物評価額とは?損害を確実にカバーするのに不可欠なこと」で詳しく解説しているので、興味があればあわせてご覧ください。

家財

次に、家財に関しては、保険会社が用意した「簡易計算表」を目安にして評価額を決定するのが一般的です。以下、参考までにA損保の簡易計算表を紹介します。

単身世帯 2人以上世帯(延床面積)
(面積無関係) 20㎡未満 20㎡~30㎡未満 30㎡~40㎡未満 40㎡~50㎡未満
世帯主年齢 29歳以下 290万円 290万円 360万円 420万円 490万円
30歳~34歳 290万円 390万円 480万円 560万円 650万円
35歳~39歳 290万円 540万円 660万円 780万円 900万円
40歳~44歳 290万円 660万円 800万円 940万円 1,080万円
45歳~49歳 290万円 750万円 910万円 1,070万円 1,230万円
50歳以上 290万円 790万円 960万円 1,130万円 1,300万円

A損保の簡易計算表では、世帯主の年齢、世帯の人数、延床面積によって評価額を決定しています。

ただしこれはあくまで目安なので、最低限の家財しか持たない場合は簡易計算表より評価額を安く、逆に、高級な家財が多い場合はより評価額を高くして調整します。

●新価と時価

新価と時価とは、評価額の算出方法です。

まず「新価」とは補償対象の建物や家財を改めて手に入れるのに必要な額をさします。保険金の算出方法として新価をえらんでおけば、仮に建物や家財が全損の被害にあっても、それらを改めて調達するのに必要な費用を保険金として得られるわけです。

現在では「新価」が選択されるのが一般的です。

これに対し、「時価」とは、「新価」から経年劣化によって価値が低下した分を差し引いた金額をさします。

時価で計算された場合、保険金だけでは建物や家財を調達することができません。それでは火災保険の意味が半減してしまうため、最近の火災保険の契約ではほとんど選択されませんし、おすすめしません。

古い火災保険の契約だと時価が選ばれていることもあるので、不安であれば保険証券などで確認してみてください。

●免責金額

損害が発生した場合に、保険金を受け取らず自己負担する額をさします。免責額を設定すると、損害額のうち免責額を上回った部分の額のみ受け取れます。

たとえば免責額を5万円に設定していた場合、損害額が20万円だとすると、受け取れる損害保険金は以下の通りです。

20万円-5万円=15万円

一方、損害額が免責額の5万円を下回る場合は、損害保険金は受け取れません。

なお、古い火災保険の契約では、免責額ではなく「20万円未満の損害の場合は保険金を支払わない」という条件が設定されている場合があります。

この場合、損害額が20万円未満だと保険金は支払われませんが、損害額が20万円以上であればその額の損害保険金をまるまる受け取れます。損害額が19万円なら保険金は0円、損害額が20万円なら保険金は20万円です。

3-2.その他の保険金

損害保険金以外にも、損害を被ったことによって必要となる費用を「費用保険金」として補償します。

費用保険金の種類は保険会社や保険商品によって異なる可能性がありますが、代表的なものとして以下が挙げられます。

臨時費用保険金

損害保険金以外に、臨時で必要となる出費を補償するための保険金です。たとえば自宅の建物を修理している間に、ホテルなどで仮住まいが必要となった場合に、その宿泊費用を補償します。

残存物片付け費用保険金

災害で建物や家財が破損した場合に、その片付けに必要な費用を補償します。

損害防止費用

火災や落雷などの被害が発生した際に、被害が拡大するのを防止するのに必要となった費用を補償する保険金です。たとえば消火に使った消火剤の補充の費用などが該当します。

4.保険料はどのようにして決められるか

火災保険の保険料は、いろいろな条件を加味して決められます。主な条件として、以下があげられます。

  • 建物の構造
  • 建物の所在地
  • 補償の範囲
  • 保険金額など

たとえば、建物の耐火性能については、建物が以下の構造種別のどれに分類されるかで判断され保険料に反映されます。

構造級別 概要
M構造
(マンション構造)
集合住宅(マンション・アパート)で、鉄筋コンクリート造等、耐火性のある素材で造られたもの
T構造
(耐火構造)
①戸建て住宅で、鉄筋コンクリート造等、耐火性のある素材で造られたもの
②鉄骨造の集合住宅で、耐火性に関する基準(耐火構造・準耐火構造等)をみたさないもの
③木造の集合住宅・戸建て住宅で、耐火性に関する基準(耐火構造・準耐火構造等)をみたすもの
H構造
(その他の構造)
M構造・T構造に該当しないもの(耐火性に関する公的な基準を一切みたさないもの)

この中で一戸建は「T構造(耐火構造)」もしくは「H構造(そのほかの構造)」のどちらかに分類され、T構造の方がH構造より保険料が安くなります。

また、補償の範囲とは、風災や水災といった補償の対象をどこまで含めるかを示します。

補償範囲が広くなるほど、保険料が高くなるわけです。

5.契約事例でみる戸建て向け火災保険の相場

それでは戸建で火災保険に加入する場合、保険料の相場はどのくらいでしょうか。

一口に戸建で火災保険に加入するといっても、上述のとおり建物の構造や保険金額、補償範囲などによって大きく異なります。

そのため、一概に「相場はこれくらい」と示しにくいのですが、ここでは参考までに、B損保で火災保険を契約する場合の保険料例を紹介します。

  • 構造級別:T構造
  • 建物の所在地:東京
  • 建物保険金額:(火災保険)4,000万円、(地震保険)1,000万円
  • 家財保険金額:(火災保険)2,000万円、(地震保険)500万円
  • 補償される事故:火災、落雷、破裂/爆裂、風災、雹(ひょう)災、雪災、水災、水濡れ、外部からの物体落下等、騒擾(そうじょう)、盗難
  • 個人賠償責任特約:国内無制限・海外1億円
  • 保険期間:10年
  • 払込方法:長期一括払

この場合の保険料は482,740円(10年分)で、1年あたりで考えると48,274円となります。

なお、補償の範囲から「水災」を外すと、保険料が373,440円(10年分)、1年あたり37,344円となります。

条件次第で保険料はかわりますので、こちらは1つの参考例としてご覧ください。

6.保険料をおさえる方法

火災保険の保険料は工夫次第で抑えることも可能です。ここでは、主なポイントをピックアップして紹介します。

6-1.必要性が低い補償を外す

火災保険の補償範囲は広いですが、すべての人にその補償が必要というわけではありません。

上記契約例では水災の補償を付ける場合と外す場合の保険料を例として紹介しましたが、水災の補償の必要性有無は立地条件により異なります。

たとえば、海や河川から離れた場所に住んでいたり、マンションの高層階に住んでいたりする場合には、洪水による被害を補償する水災の必要性は低いです。

国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」では、住所を指定して洪水などの災害の危険性を表示することができますが、こういったサイトをチェックして、洪水の被害を受ける可能性が低いようであれば、水災の補償を外すのも1つの手です。

6-2.家財の保険金額を抑える

上述したように、家財の保険金額は、保険会社の簡易評価表に基づいて決定するのが一般的です。

しかし、家電や家具を量販店で安く買い揃えている場合など、簡易評価表が示すほどの保険金額が必要ないこともあります。

家財の保険金額を抑えることによって、保険料を安くすることができます。

6-3.保険期間をできるだけ長くする

火災保険に限りませんが、保険は一般的に契約期間をできるだけ長くして、その分を一括払する方が保険料の総額を抑えることができます。

火災保険の契約期間は1年~最長10年なので、可能であればより10年に近い期間を選択するようにしましょう。詳しくは「火災保険の長期契約のメリットと注意点」をご覧ください。

まとめ

火災保険は火災だけでなく、風災・水災などさまざまな災害を補償範囲に含めています。ただし、地震による火災等の被害は補償してもらえませんので、別途地震保険に加入することをおすすめします。

補償の対象となるのは家の建物と、家財(家電・家具・衣類など)で、それぞれについて適切に保険金を設定する必要があり、そのために参考となる基準もあります。

どうかこの記事を参考にして、過不足ない火災保険の補償を組むようにしていただきたいと思います。それが、保険料を抑えることにつながります。

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保険の教科書 編集部

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