火災保険の保険金額の正しい決め方

火災保険を契約する際に最も迷うのは、保険金額をいくらに設定するかということです。

保険金額をいくらにするかで、受け取れる保険金や支払う保険料に差が出るため、正しく決めたいところです。

この記事では、火災保険の保険金額を決めるために必要な知識を1つ1つ解説しています。

ここでお伝えする内容を把握していれば、適正な保険金額を決めることができるはずです。最後までご覧になってお役立てください。

はじめに|火災保険の保険金額とは

まず、そもそも「保険金額」とは何か、振り返っておきましょう。

保険金額は、簡単に言うと、火災等が発生した際に保険会社から受け取れる損害保険金の上限額です。たとえば、保険金額が1,000万円であれば、火災保険で受け取れる損害保険金は最大で1,000万円までとなります。

保険金額を高く設定すれば、保険料も高くなります。

1.火災保険の保険金額を決める基本

保険金額を適正に決めるためには、以下の3つのことを把握しておく必要があります。

  1. 火災保険の補償対象は「建物」と「家財」
  2. 「評価額」によって保険金額が決まる
  3. 評価方法は「新価(再調達価格)」を選ぶ

以下、1つずつ解説します。

1-2.火災保険の補償対象は「建物」と「家財」

火災保険の補償対象は「建物」と、家具や家電製品、衣類といった「家財」です。

持ち家の場合は建物と家財の両方を対象とするのが一般的です。これに対し、賃貸住宅の場合は家財のみを対象とします。

保険金額の算定は、建物・家財それぞれで別々に行う必要があります。

1-3.補償対象の価値をあらわす「評価額」によって保険金額を決める

保険金額を決める上で最も重要なのは、補償の対象となる建物や家財の価値をあらわす「評価額」です。

たとえば、建物の評価額が2,000万円であれば、保険金額も2,000万円まで設定できます。そして、一般的には、保険金額=評価額、この例では2,000万円いっぱいまで設定することをおすすめします。

1-4.「新価」と「時価」では新価を選択する

次に、評価額の算出方法です。これには「新価(再調達価格)」と「時価」の2通りがあり、基本的には新価を選択します。

新価とは、火災などで損壊した建物や家財を、改めて新品で再購入したり、修理したりするのに必要な費用をさします。新価であれば、損害保険金だけで建物を建て直したり修理したりできます。

これに対し、時価とは、経年劣化分を差し引いた金額をさします。使い古しの中古品としての価値しか評価しないということです。

時価を選ぶと保険料が多少安くなりますが、万が一のことが起きて保険料を受け取れても、同等の物を新たに再購入したりきちんと修理したりできません。

つまり、災難に見舞われてただでさえ経済的な負担が大きくなっているのに、建物を建て直したり家財を買い直したりするのに不十分な保険金しか受け取れないのです。これでは火災保険の意味がありませんので、絶対に新価を選ぶようにしてください。

2.「建物」の保険金額(評価額)を正しく決める方法

評価方法については「新価」を選ぶとして、その物の価値を意味する「評価額」は、どのように算出すればよいでしょうか。

まず、建物について見てみましょう。建物の評価額の決め方は、以下3つのパターンでそれぞれ異なります。

  • 一戸建て新築住宅の場合
  • 一戸建て中古住宅の場合
  • マンションの場合

それぞれの方法を解説します。

2-1.一戸建て新築住宅の場合

建築時・購入時の総費用から、土地代や諸費用を除いた金額が建物の価格(評価額)になります。

ただし、土地と建物がセットになっているような建売りの物件では、建物の価格が分からないこともあるかもしれません。その場合は、以下の計算式を利用することで建物の評価額を導き出すことができます。

建物評価額=消費税額÷消費税率  (※2019年9月までは8%)

なぜなら、土地代には消費税がかからないので、消費税額が全て建物の価格にかかっていることになるためです。

2-2.一戸建て中古住宅の場合

一戸建ての中古住宅の場合、建築年と新築時の建物の価格が分かるかどうかで算出方法が違います。以下、それぞれの算出方法を解説します。

2-2-1.建築年と新築時の建物の価格がわかる場合

新築時の建物の価格を基に、その建物を新たに建て直すとしたら必要な金額はいくらかを、物価変動等を考慮して求めます。

新築時の建物の価格に、建築年ごとに設定された指数「建築費倍率」をかけることで、物価の変動などを評価額に反映させるのです。この計算方法を「年次別指数法」と呼びます。

計算式は以下のとおりです。

新築時の建物の価格 × 建築費倍率 = 建物評価額

建築費倍率は毎年見直されています。

年次別指数法の計算例をみてみましょう。

新築時の建物の価格が3,000万円、建築費倍率が0.98であれば、建物の評価額は以下の通りです。

3,000万円×0.98=2,940万円

年次別指数法は、新築時の建物の評価額を利用しているため、より実態に即した正確な評価ができると言われています。

2-2-2.建築年と新築時の建物の価格が分からない場合

中古住宅を購入した場合、建築年や新築時の建物の価格が分からないこともあるかもしれません。

その際は、「新築費単価法」を利用しておおまかな価格を算出します。これは、建物の構造や所在地を考慮に入れた1㎡あたりの標準的な建築費(新築単価)に、建物の延床面積を掛け合わせる方法です。

新築費単価法の計算式は、以下のようになります。

新築費単価 × 延床面積 = 建物評価額

たとえば、新築費単価が10万円で延床面積が300㎡の場合、建物の評価額は以下の通りです。

10万円×300㎡=3,000万円

ただし、新築費単価法で算出された評価額は、あくまで標準的な建築費の相場からの大まかなものなので、より実態に近い価格にするため、保険会社と相談して±30%の範囲で調整します。

2-3.マンションの場合

マンションの評価額を求める場合、購入した部屋の専有部分の建物の価格を算出しなければなりません。

しかし、マンションの購入費用には、専有部分のほか土地代やマンションの共用部分の価格も含まれてしまっています。

そこで一戸建て中古住宅の評価額の算出方法として紹介した新築費単価法を、マンションの場合にも利用するのです。

たとえば、新築費単価が15万円で、延床面積が100平方メートルなら、建物の評価額を算出するための計算式は以下の通りです。

15万円×100㎡=1,500万円

3.「家財」の保険金額を正しく決める方法

家財の保険金額(評価額)を求める方法は、「積算評価」「簡易評価」の2種類です。

積算評価では、家財とその価格を全てリストアップし、それを合計します。

ただ自宅内にある家具・家電・衣類などの家財全てを正確にリストアップするのは、非常に困難で手間もかかってしまい、現実的ではありません。そのため、もう1つの簡易評価が使われるのが一般的です。

簡易評価では、世帯主の年齢や家族構成・延床面積などにより保険会社が算出した「簡易評価表」を使います。

簡易評価表は、家財の評価額の目安を示すものです。参考までにA損保の簡易評価表をみてみましょう。

単身世帯
(面積無関係)
2人以上世帯(延床面積)
20㎡未満 20㎡~
30㎡未満
30㎡~
40㎡未満
40㎡~
50㎡未満
世帯主年齢 29歳以下 290万円 290万円 360万円 420万円 490万円
30歳~34歳 290万円 390万円 480万円 560万円 650万円
35歳~39歳 290万円 540万円 660万円 780万円 900万円
40歳~44歳 290万円 660万円 800万円 940万円 1,080万円
45歳~49歳 290万円 750万円 910万円 1,070万円 1,230万円
50歳以上 290万円 790万円 960万円 1,130万円 1,300万円

この表を見ると、単身の世帯では290万円で一律となっており、2人以上の世帯で年齢や延床面積によって差が出ています。

簡易評価表は保険会社が統計した結果をもとに作成しているため、この表に従えばおおよそ必要な額を確保できると想定されます。

ただし、簡易評価表は保険会社によって違いますし、必ずしも全ての人に正しくあてはまるものとは言えません。

たとえば、実際の家財の総額が簡易評価表より明らかに少ないと感じるならば、ご自身で総額を計算すれば、保険金額が安くなり、結果的に保険料を安くできる可能性もあります。

逆に、足りないようであれば、自分で計算してみて簡易評価表よりも保険金額を高く設定した方がよいということもないとはいえません。

このあたりは、もし不安があれば、保険会社の担当者と相談の上で決めるとよいでしょう。

4.保険金額 = 評価額にする

建物や家財の評価額を算出できたら、保険金額は評価額と同じにするのが一般的です。

たとえば、建物の評価額が2,000万円の場合、保険金額も同額の2,000万円に設定すれば、万が一の際に建物の再建に必要な2,000万円を確保できます。

このように、保険金額=評価額と設定することを「全部保険の原則」と呼びます。最近の保険契約では、この原則から外れることはまずありません。たまに、保険料を抑えるために保険金額を評価額よりも低く設定するケースがあるくらいです。

しかし保険期間が「10年」「35年」などと長期にわたる古い保険契約で、かつ建物の評価方法が「時価」に設定されている場合は、知らず知らずのうちに、以下のいずれかの状態になっている可能性があります。

  • 保険金額が評価額より低い(一部保険)
  • 保険金額が評価額より高い(超過保険)

それぞれの場合について、どんな不都合があるか、どうすべきかを解説します。

4-1.保険金額が評価額より低い場合(一部保険)

たとえば建物評価額が2,000万円(時価)で、保険金額が1,500万円のように、保険金額が評価額より低くなっている保険のことを「一部保険」と呼びます。

この例では、建物を再建するのに500万円も足りません。不足分は貯蓄を切り崩すなどして調達しなければならず、ただでさえ災難に遭ってお金が足りない時に、無用に負担が大きくなってしまいます。

古い契約ではまれに、一部保険になっていることがあるようです。もしここまでお読みになってピンときたら、契約内容を見直してみることをおすすめします。

4-2.保険金額が評価額より高い場合(超過保険)

保険金額が評価額より高く設定されている保険のことを「超過保険」と呼びます。たとえば、建物の評価額が契約時の2,000万円から1,500万円に下がっているにもかかわらず、保険金額が2,000万円のままになっているような場合です。

この場合、保険金額はきちんと受け取れますので、建物を再建する費用を確保するのに支障はありません。

しかし、受け取れる保険金の上限は、保険金額に関わらず、最大で評価額までとなります。つまり、この例だと、2,000万円-1,500万円=500万円分の補償が無駄になっています。したがって、その分、保険料を無駄に支払っていることになります。

気付いていなければ、そのまま保険料の払い損の状態が続いてしまいます。もし気になったのであれば、契約内容を確認してみることをおすすめします。

まとめ

火災保険の保険金額は、万が一の時に受け取れる保険金の上限をさします。それは、建物・家財の価値を表す評価額によって決まります。

評価基準は、建物を新たに再建したり、家財を新たに買い直したりするのに必要な「新価(再調達価格)」を採用します。そして、保険金額は基本的に、評価額と同じ額に設定します。

評価額を求める際、理想的なのは建物・家財の過去の購入価格等、客観的な資料を基に正確な額を算出することです。ただし、もし分からなかったとしても、代わりの計算方法が用意されていて、大まかな値を算出することができます。

この記事でお伝えした知識を把握した上で、適切な補償内容を組み立てることをおすすめします。もちろん、専門家にご相談いただければ、適切なアドバイスをさせていただきます。

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保険の教科書 編集部

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